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第三部 オーブを求めて
第七十九話 相手の立場
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「私が経験した天空の試練での話です。少し長いですが聞いてください……。」
その後、シロマがどうやって試練を乗り越えてきたかを聞いた。
正直、衝撃的だった。
というか、よく生きてこれたと思う。
それだけ、シロマが受けた試練は壮絶だったのだ。
「サクセスさん、人にはそれぞれ正しさがあります。それは正しくもあり、他の人から見れば正しくない事でもあります。そして、相手の正しさに従う必要はありません。しかし、相手の正しさを理解することは必要だと思います。特に大切な人であるならばです。よく思い出してください。今までのカリーさんの事を。そしてその日より前にカリーさんに言われていた事を。今までカリーさんは、サクセスさんにどうやって接してきましたか? 何を伝えたいと言っていましたか? よく思い出してください。そうすれば、自然と見えてくると思います。そして、サクセスさんなら、きっとカリーさんを理解できるはずです。」
最後にシロマはそう言って、話を終わらせた。
正直、シロマが天空職の試練で受けた答え等については、俺には難しくて理解できない。
だが、一番言いたい事はわかった。
シロマが俺に何を伝えたいかは、伝わった。
だからこそ、カリーの事を真剣に考えて……いや、カリーの立場になって向き合ってみる。
これまでの事を一つづつ思い出していく俺。
カリーは、確かにいつでも真剣に俺に向き合っていた。
俺の事を、家族のように大事に思ってくれていた。
それが改めてわかった。
どれだけ、カリーが俺を大事にしてくれたか……。
それを思うだけでも、なぜか涙が出てくる。
そしてあの時の事。
そうか……。 そう言う事だったのか。
俺は自分では気づいていなかったが、きっと心の中では何でもできると思っていた。
俺は特別だと、俺ならカリーができる事でも簡単にできると。
つまり、俺は慢心しないと言っていて、心の底では慢心していたんだ。
だからあの時も、当然できると思ってた。
それができない、つまり俺ができないなら、誰にもできない。
勝手に俺は諦めていたんだ。
自分のものさしだけで……。
カリーは言った。
失敗するのも必要な経験だ。特に訓練では……。
つまり、実践では一つの失敗が取り返しのつかない事になる。
だからこそ、訓練では失敗してもいい。
そこで学べば実践で必ず、力になるから。
カリーは言った。
ミスじゃない、わざとだと。
あえて、俺に気付かせるためにやったんだ。
できない事もある。そして、それに向き合わせるために。
思えば、カリーはいつも俺が傷つかないようにしていた。
それをあえて、傷つけるようなことをしたのだ。
少なくとも、俺のちっぽけな自尊心は深く傷ついた。
でも多分、それはカリーにとっても辛かったはずだ。
そうか、そうだったんだな。
俺は馬鹿だ。
カリーが言うように、できないと判断して直ぐ諦め、楽な方に逃げた。
合理的とか偉そうに言って、ただ自分の価値観で決めただけだ。
それは合理的なんかではない。
ただのわがままだ。
実践では、できないと判断して諦めていいものなのか?
違うだろ。そうじゃない。
全部カリーの言う通りだ。
カリーは何も間違っていない。
じゃあ逆に俺が言った言葉はなんだ?
ひどすぎる。
あまりに幼稚だ。
思い出すのも恥ずかしい。
だが俺が言った言葉だ。言った言葉は返らない。
俺はカリーを傷つけた、間違いなく。
俺がもしもカリーと同じ気持ちで、嫌われるのを覚悟でそれをやって、俺と同じ事を言われたらどうだ?
怒る? むかつく?
違う、悲しいだ。
そして、うまく伝えられない自分の不甲斐なさに更に傷つくだろう。
だからか! そうか!
シロマは……全てわかっていたのか。
シロマの言うとおりだ。
カリーが今感じているのは、悲しみと不甲斐なさ。
最低だ! 俺は最低のクソ野郎だ!
「どうですか? サクセスさん。」
「あぁ、そうだ。シロマの言う通りだ。俺が……間違ってた! 俺は最低だ!! 俺は何てことをカリーに言っちまったんだよ! くそ! 俺は最低のクソ野郎だ!!」
すると、シロマが俺を抱きしめる。
「最低じゃありません。サクセスさんは間違っていません。」
「間違ってるじゃないか! 俺は最低だよ!」
「いいえ、何度でも言います。サクセスさんは間違っていませんし、最低じゃありません。」
「なんでだよ!?」
「だって、こんなに他の人の気持ちになって、相手の為に傷ついているじゃないですか。そんな人が最低な訳がありません。そして、間違いだと気付いたなら、それは間違いではないんです。だから間違っていません。」
「屁理屈だよ、それは……。」
「そうです。屁理屈です。でもいいじゃないですか、私はサクセスさんは間違っていないと思う。それは私の中で正しい事なんです。だから何度だって言います。」
「シロマ……。俺はどうすればいい……?」
「どうしたいですか?」
「俺は謝りたい……そして、前と同じ様に仲良くしたい……。」
「では、カリーさんはどうされたいと思いますか?」
「多分同じだ。でも、多分俺が謝っても、あいつは自分が悪いと言うはずだ。」
「お互い強情ですものね。それだけわかっていれば大丈夫です。」
「でも……どうしたら……。」
「そうですね、ビリヤードとかどうですか? 勝った方が言いたい事を言うとか。」
ビリヤード。
確かにいい考えだ。
でも、俺はまだ絶対には勝てない。
いや待てよ。
そうか、別に勝たなくてもいいんだ。
負けたらカリーの気持ちが……言いたいことが聞ける。
勝てば、カリーに謝れる。
確かにこれなら……。
「シロマ!! お前最高だよ! 天才だ! 天使だ! 愛してる!!」
「ありがとうございます。では、頑張って下さいね。」
よし!! いくぞ!
その後、シロマがどうやって試練を乗り越えてきたかを聞いた。
正直、衝撃的だった。
というか、よく生きてこれたと思う。
それだけ、シロマが受けた試練は壮絶だったのだ。
「サクセスさん、人にはそれぞれ正しさがあります。それは正しくもあり、他の人から見れば正しくない事でもあります。そして、相手の正しさに従う必要はありません。しかし、相手の正しさを理解することは必要だと思います。特に大切な人であるならばです。よく思い出してください。今までのカリーさんの事を。そしてその日より前にカリーさんに言われていた事を。今までカリーさんは、サクセスさんにどうやって接してきましたか? 何を伝えたいと言っていましたか? よく思い出してください。そうすれば、自然と見えてくると思います。そして、サクセスさんなら、きっとカリーさんを理解できるはずです。」
最後にシロマはそう言って、話を終わらせた。
正直、シロマが天空職の試練で受けた答え等については、俺には難しくて理解できない。
だが、一番言いたい事はわかった。
シロマが俺に何を伝えたいかは、伝わった。
だからこそ、カリーの事を真剣に考えて……いや、カリーの立場になって向き合ってみる。
これまでの事を一つづつ思い出していく俺。
カリーは、確かにいつでも真剣に俺に向き合っていた。
俺の事を、家族のように大事に思ってくれていた。
それが改めてわかった。
どれだけ、カリーが俺を大事にしてくれたか……。
それを思うだけでも、なぜか涙が出てくる。
そしてあの時の事。
そうか……。 そう言う事だったのか。
俺は自分では気づいていなかったが、きっと心の中では何でもできると思っていた。
俺は特別だと、俺ならカリーができる事でも簡単にできると。
つまり、俺は慢心しないと言っていて、心の底では慢心していたんだ。
だからあの時も、当然できると思ってた。
それができない、つまり俺ができないなら、誰にもできない。
勝手に俺は諦めていたんだ。
自分のものさしだけで……。
カリーは言った。
失敗するのも必要な経験だ。特に訓練では……。
つまり、実践では一つの失敗が取り返しのつかない事になる。
だからこそ、訓練では失敗してもいい。
そこで学べば実践で必ず、力になるから。
カリーは言った。
ミスじゃない、わざとだと。
あえて、俺に気付かせるためにやったんだ。
できない事もある。そして、それに向き合わせるために。
思えば、カリーはいつも俺が傷つかないようにしていた。
それをあえて、傷つけるようなことをしたのだ。
少なくとも、俺のちっぽけな自尊心は深く傷ついた。
でも多分、それはカリーにとっても辛かったはずだ。
そうか、そうだったんだな。
俺は馬鹿だ。
カリーが言うように、できないと判断して直ぐ諦め、楽な方に逃げた。
合理的とか偉そうに言って、ただ自分の価値観で決めただけだ。
それは合理的なんかではない。
ただのわがままだ。
実践では、できないと判断して諦めていいものなのか?
違うだろ。そうじゃない。
全部カリーの言う通りだ。
カリーは何も間違っていない。
じゃあ逆に俺が言った言葉はなんだ?
ひどすぎる。
あまりに幼稚だ。
思い出すのも恥ずかしい。
だが俺が言った言葉だ。言った言葉は返らない。
俺はカリーを傷つけた、間違いなく。
俺がもしもカリーと同じ気持ちで、嫌われるのを覚悟でそれをやって、俺と同じ事を言われたらどうだ?
怒る? むかつく?
違う、悲しいだ。
そして、うまく伝えられない自分の不甲斐なさに更に傷つくだろう。
だからか! そうか!
シロマは……全てわかっていたのか。
シロマの言うとおりだ。
カリーが今感じているのは、悲しみと不甲斐なさ。
最低だ! 俺は最低のクソ野郎だ!
「どうですか? サクセスさん。」
「あぁ、そうだ。シロマの言う通りだ。俺が……間違ってた! 俺は最低だ!! 俺は何てことをカリーに言っちまったんだよ! くそ! 俺は最低のクソ野郎だ!!」
すると、シロマが俺を抱きしめる。
「最低じゃありません。サクセスさんは間違っていません。」
「間違ってるじゃないか! 俺は最低だよ!」
「いいえ、何度でも言います。サクセスさんは間違っていませんし、最低じゃありません。」
「なんでだよ!?」
「だって、こんなに他の人の気持ちになって、相手の為に傷ついているじゃないですか。そんな人が最低な訳がありません。そして、間違いだと気付いたなら、それは間違いではないんです。だから間違っていません。」
「屁理屈だよ、それは……。」
「そうです。屁理屈です。でもいいじゃないですか、私はサクセスさんは間違っていないと思う。それは私の中で正しい事なんです。だから何度だって言います。」
「シロマ……。俺はどうすればいい……?」
「どうしたいですか?」
「俺は謝りたい……そして、前と同じ様に仲良くしたい……。」
「では、カリーさんはどうされたいと思いますか?」
「多分同じだ。でも、多分俺が謝っても、あいつは自分が悪いと言うはずだ。」
「お互い強情ですものね。それだけわかっていれば大丈夫です。」
「でも……どうしたら……。」
「そうですね、ビリヤードとかどうですか? 勝った方が言いたい事を言うとか。」
ビリヤード。
確かにいい考えだ。
でも、俺はまだ絶対には勝てない。
いや待てよ。
そうか、別に勝たなくてもいいんだ。
負けたらカリーの気持ちが……言いたいことが聞ける。
勝てば、カリーに謝れる。
確かにこれなら……。
「シロマ!! お前最高だよ! 天才だ! 天使だ! 愛してる!!」
「ありがとうございます。では、頑張って下さいね。」
よし!! いくぞ!
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