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第三部 オーブを求めて
第八十二話 真剣勝負
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コンッ
ジャラジャラジャラ……。
セイメイによる鮮やかなブレイクショット。
テーブル中央に固められていた彩とりどりの球は、一つも穴に落ちることなく、綺麗に四方へ散らばっていく。
テーブルの中央から分けて、左に8球、右に7球。
まずはこの第一ラウンド、先行はカリーとなった。
現在の白球の位置は、他の球に邪魔されることなく、1番ボールを狙えるポジション。
カリーなら、まず間違いなく決めてくるだろう。
コンっ!
ガコっ!!
当然の様に一撃で1番ボールを穴に落とすカリー。
集中しているからなのか、成功させても一言も発することはなかった。
そして次は俺のターン。
カリーが打った白球は、丁度テーブルの真ん中あたりで止まっている。
俺が狙うべき2番ボールは、右奥の隅。
今まで何度となく、練習で落としてきたパターンだ。
失敗することはまずない。
コンっ!
ガッ! クルン……
「う、嘘だろ……。」
なんと俺は、初回のショットを外してしまう。
俺が打った球は綺麗に2番ボールに命中し、右奥の穴に吸い込まれていったのだが、緊張して力み過ぎていたのか、2番ボールは穴の上を通過するものの、落ちることなく、角をくるっと回って跳ね返ってしまった。
「おいおい……。この程度の球も決められないで、俺に勝つつもりだったのか?」
カリーは、俺の失敗を見て呆れている。
「ちょっと力んだだけだ。最初だから……。」
「そういうミス一つが、後で取り返しがきかなくなることを、俺は何度も教えてきたはずなんだけどな。最初だから失敗していいなんて勝負はないんだよ! 勝負舐めんじゃねぇぞ?」
俺は、その言葉に黙り込む。
カリーが言っていることは正論だ。
やはり俺の覚悟は、まだ弱いのかもしれない。
だけど、次こそは!
しかし、その後も俺の失敗は続く。
なんとか最初のミスを取り返そうとする内に、それが焦りとなってショットに現れてしまうのだった。
逆にカリーは冷静に一球一球を確実に決めていき、俺とのスコアを離していく。
コンっ!
ガコっ!
最後のボールがカリーによって沈められた。
第一ラウンドの結果は、俺が34点、カリーが86点。
カリーはそれに+でボーナスポイント30が入ることから、116点になる。
その差は3倍以上。
俺にとっては、かなり厳しい結果になってしまった。
だが、俺は凹んだりはしない。
確かに最初のミスで焦り過ぎてしまい、それを後半まで引きずってしまった。
しかし、ようやく終盤に来て、大分いつもの調子に戻ってきている。
まだだ、まだ間に合う!
そして、5分の休憩を経て、第二ラウンドが開始された。
今回の先行は俺から始まる。
しかし運が悪い事に、さっきと違い、セイメイのブレイクショットは全ての球を均等に散らす事が出来ていなかった。
今回俺が狙う1番ボールは、いくつかの球に遮られており、普通に飛ばしたんじゃ触れることすらできない。
故に、俺は使う。
ジャンプショットという難しいショットを……。
いけるか?
いや、決めるんだ。
焦る事はない。
いつも通りだ、いつも以上を出そうと思わないでいい。
一球一球、正確に打てばいい。
ゴン!
俺のキューがテーブルと球の両方に当たり、鈍い音が響く。
そして、宙を舞った白球は、遮る球を飛び越え、1番ボールに当たる。
カンっ! ゴロゴロゴロ。
なんとか無事に1番ボールに当てる事には成功した。
そして、そのまま左奥の穴に一直線。
ガラン!
「よっしゃ!!」
思わず叫ぶ俺。
結構難しいショットではあったが、見事成功し、一番ボールは穴に落ちていった。
そして白球もテーブルに残っている。
ただ、強いて言うならば、白球の位置から2番ボールが狙いやすい位置にあることだけは不満であった。
ふと、カリーを見ると驚いた顔をしている。
実は、第一ラウンドが終わった時、カリーの表情は、なぜか暗かった。
もしかしたら、すんなり俺に勝ってしまい、船を降ろす事になるのをためらっていたのかもしれない。
だとしたら、それこそ、俺の事を舐め過ぎだ!
俺は、たとえ負けたとしても、一度約束したことを守らないなんてことは絶対にしない。
それに、そもそも負けるとも思っていないし、諦めたりもしない。
どんなに逆境であっても、必ずひっくり返して見せる!
みとけよ、カリー!
お前が指導してきた俺が、そんなにやわじゃないところを見せてやるぜ。
そして続く、カリーの第二ラウンド最初のショット。
普通に考えて、カリーがこれを外すわけがない。
その為、俺はカリーが入れた後の白球の位置の予測と、3番ボールの位置について考えている。
だが……
コンっ! カン! ガッ!
は、外しただと!?
どういうことだよ!
まさか、あの野郎……わざと……。
流石にこれは、あからさますぎる。
「おい! カリー! お前ふざけんなよ。俺の事舐めすぎだろ!」
「うるせぇ! クソっ! なんで……こんなイージーショットを外しちまったんだ、俺は……。」
カリーは本気でショックを受けていた。
その姿から、どうやらわざとではなかったらしい。
一瞬、俺に勝ちを譲るためにまざと負けようとしているのかと思ったが、そう言うわけではなさそうだ。
少しだけ安心した。
その後、俺は多少のミスはあるものの、第一ラウンドと違い、練習通りの力を発揮し、次々と球を決めていく。
逆にカリーは、最初のミスから少しミスが目立つようになり、第一ラウンドのようにはいかなかった。
結果……俺が8個でカリーが7個。
俺が68点+ボーナス30点で98点。
カリーは52点でボーナスなし。
第一ラウンドと第二ラウンドを合わせると、俺が132点でカリーが168点。
その差36点ビハインド。
今回の第二ラウンドで、俺はカリーに46点差をつけていることからも、逆転の可能性は大いにある。
「やるじゃねぇかよ、サクセス。」
「カリーに勝つために、必死になって練習したからな。」
「そうか……。だが次で最後だ。お前の覚悟を見せてみろ。」
「あぁ、言われなくてもそうするさ。俺の成長をお前に見せつけてやる。」
当初は、カリーに謝罪するために始めたビリヤード勝負。
だが今、俺の頭にそれはない。
ただ、カリーに勝つことだけに集中していた。
そして、カリーも本気で俺に勝ちに来ている。
だからこそ、俺は負けられない。
次で、勝負を決める!
ジャラジャラジャラ……。
セイメイによる鮮やかなブレイクショット。
テーブル中央に固められていた彩とりどりの球は、一つも穴に落ちることなく、綺麗に四方へ散らばっていく。
テーブルの中央から分けて、左に8球、右に7球。
まずはこの第一ラウンド、先行はカリーとなった。
現在の白球の位置は、他の球に邪魔されることなく、1番ボールを狙えるポジション。
カリーなら、まず間違いなく決めてくるだろう。
コンっ!
ガコっ!!
当然の様に一撃で1番ボールを穴に落とすカリー。
集中しているからなのか、成功させても一言も発することはなかった。
そして次は俺のターン。
カリーが打った白球は、丁度テーブルの真ん中あたりで止まっている。
俺が狙うべき2番ボールは、右奥の隅。
今まで何度となく、練習で落としてきたパターンだ。
失敗することはまずない。
コンっ!
ガッ! クルン……
「う、嘘だろ……。」
なんと俺は、初回のショットを外してしまう。
俺が打った球は綺麗に2番ボールに命中し、右奥の穴に吸い込まれていったのだが、緊張して力み過ぎていたのか、2番ボールは穴の上を通過するものの、落ちることなく、角をくるっと回って跳ね返ってしまった。
「おいおい……。この程度の球も決められないで、俺に勝つつもりだったのか?」
カリーは、俺の失敗を見て呆れている。
「ちょっと力んだだけだ。最初だから……。」
「そういうミス一つが、後で取り返しがきかなくなることを、俺は何度も教えてきたはずなんだけどな。最初だから失敗していいなんて勝負はないんだよ! 勝負舐めんじゃねぇぞ?」
俺は、その言葉に黙り込む。
カリーが言っていることは正論だ。
やはり俺の覚悟は、まだ弱いのかもしれない。
だけど、次こそは!
しかし、その後も俺の失敗は続く。
なんとか最初のミスを取り返そうとする内に、それが焦りとなってショットに現れてしまうのだった。
逆にカリーは冷静に一球一球を確実に決めていき、俺とのスコアを離していく。
コンっ!
ガコっ!
最後のボールがカリーによって沈められた。
第一ラウンドの結果は、俺が34点、カリーが86点。
カリーはそれに+でボーナスポイント30が入ることから、116点になる。
その差は3倍以上。
俺にとっては、かなり厳しい結果になってしまった。
だが、俺は凹んだりはしない。
確かに最初のミスで焦り過ぎてしまい、それを後半まで引きずってしまった。
しかし、ようやく終盤に来て、大分いつもの調子に戻ってきている。
まだだ、まだ間に合う!
そして、5分の休憩を経て、第二ラウンドが開始された。
今回の先行は俺から始まる。
しかし運が悪い事に、さっきと違い、セイメイのブレイクショットは全ての球を均等に散らす事が出来ていなかった。
今回俺が狙う1番ボールは、いくつかの球に遮られており、普通に飛ばしたんじゃ触れることすらできない。
故に、俺は使う。
ジャンプショットという難しいショットを……。
いけるか?
いや、決めるんだ。
焦る事はない。
いつも通りだ、いつも以上を出そうと思わないでいい。
一球一球、正確に打てばいい。
ゴン!
俺のキューがテーブルと球の両方に当たり、鈍い音が響く。
そして、宙を舞った白球は、遮る球を飛び越え、1番ボールに当たる。
カンっ! ゴロゴロゴロ。
なんとか無事に1番ボールに当てる事には成功した。
そして、そのまま左奥の穴に一直線。
ガラン!
「よっしゃ!!」
思わず叫ぶ俺。
結構難しいショットではあったが、見事成功し、一番ボールは穴に落ちていった。
そして白球もテーブルに残っている。
ただ、強いて言うならば、白球の位置から2番ボールが狙いやすい位置にあることだけは不満であった。
ふと、カリーを見ると驚いた顔をしている。
実は、第一ラウンドが終わった時、カリーの表情は、なぜか暗かった。
もしかしたら、すんなり俺に勝ってしまい、船を降ろす事になるのをためらっていたのかもしれない。
だとしたら、それこそ、俺の事を舐め過ぎだ!
俺は、たとえ負けたとしても、一度約束したことを守らないなんてことは絶対にしない。
それに、そもそも負けるとも思っていないし、諦めたりもしない。
どんなに逆境であっても、必ずひっくり返して見せる!
みとけよ、カリー!
お前が指導してきた俺が、そんなにやわじゃないところを見せてやるぜ。
そして続く、カリーの第二ラウンド最初のショット。
普通に考えて、カリーがこれを外すわけがない。
その為、俺はカリーが入れた後の白球の位置の予測と、3番ボールの位置について考えている。
だが……
コンっ! カン! ガッ!
は、外しただと!?
どういうことだよ!
まさか、あの野郎……わざと……。
流石にこれは、あからさますぎる。
「おい! カリー! お前ふざけんなよ。俺の事舐めすぎだろ!」
「うるせぇ! クソっ! なんで……こんなイージーショットを外しちまったんだ、俺は……。」
カリーは本気でショックを受けていた。
その姿から、どうやらわざとではなかったらしい。
一瞬、俺に勝ちを譲るためにまざと負けようとしているのかと思ったが、そう言うわけではなさそうだ。
少しだけ安心した。
その後、俺は多少のミスはあるものの、第一ラウンドと違い、練習通りの力を発揮し、次々と球を決めていく。
逆にカリーは、最初のミスから少しミスが目立つようになり、第一ラウンドのようにはいかなかった。
結果……俺が8個でカリーが7個。
俺が68点+ボーナス30点で98点。
カリーは52点でボーナスなし。
第一ラウンドと第二ラウンドを合わせると、俺が132点でカリーが168点。
その差36点ビハインド。
今回の第二ラウンドで、俺はカリーに46点差をつけていることからも、逆転の可能性は大いにある。
「やるじゃねぇかよ、サクセス。」
「カリーに勝つために、必死になって練習したからな。」
「そうか……。だが次で最後だ。お前の覚悟を見せてみろ。」
「あぁ、言われなくてもそうするさ。俺の成長をお前に見せつけてやる。」
当初は、カリーに謝罪するために始めたビリヤード勝負。
だが今、俺の頭にそれはない。
ただ、カリーに勝つことだけに集中していた。
そして、カリーも本気で俺に勝ちに来ている。
だからこそ、俺は負けられない。
次で、勝負を決める!
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