最弱装備でサクセス〜どうのつるぎとかわの防具しか買えなかった俺だけど【レアリティ777】の効果が凄すぎて最強になってしまった〜

キミちゃん

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第三部 オーブを求めて

第八十八話 幸せ家族計画

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「お、まじか!? やっぱカリーはあいつを倒しちまったか。」

「あたぼうよ、俺を誰だと思ってんだ。お前の教官だぞ?」

「はっ! これは御見それしました! 教官!」


 カリーの言葉にビシッと敬礼を決める俺。


「うむ、素直でよろしい。んじゃ、おふざけはこのくらいにして、船に戻るか。サクセスの方も取りこぼしは無いんだろ?」

「あぁ、一応確認したけど、敵の気配は感じられなかったよ。それより、そのでっかい魔石は……。」


 カリーが持っているのは、水色の巨大な魔石。
 冒険者になったばかりの頃、俺がスライムを倒した時に出た魔石と色は似ているが、大きさは桁違いだ。
 ちょっとした岩……そう、ボマーズロッククラスの大きさである。


「いいだろ? これは売ればいい金になるぜ? あのデカブツは結構おいしい魔物かもしれねぇな。ってなわけで、こんなでっかい石っころをいつまでも持っていたくねぇし、さっさと船に戻るぞ。」

「サー! イエッサー! 教官!」


 俺は再度綺麗な敬礼をすると、そのまま覇王丸のところまで戻っていく。
 そしてどうやら、俺の作った結界はまだ切れておらず、船も無事のようだ。


「今戻った! 船に問題はないか? イモコ。」

「おぉ! 師匠! それにカリー殿! 遠くからでも見えましたが、相変わらず凄まじい戦闘でござるな! 某、未だに興奮冷めぬでござるよ。」


 大興奮といった様子で詰め寄ってくるイモコ。
 まるで、念願のスターに出会えた少年のように、その目をキラキラと輝かせている。
 だが、そのイモコの肩を掴んでカリーが止める。


「おいおい、それよりもサクセスは問題ないか聞いてるんだぞ。まぁ、その様子だと何も無かったようだな。」


 イモコの返答につっ込むカリー。
 その言葉に、イモコは俺の質問に答えていなかった事に気付き、今度は焦った様子で弁解した。


「申し訳ないでござる。某としたことが……。船は一切攻撃を受けておらぬでござるよ。それに、もしも攻撃を受けたとしても、シロマ殿とゲロゲロ殿がいれば問題ないでござる。しかし、あれほどの厄災を……散歩の如く蹴散らすその姿……正に神の所業!!」


 収まったと思ったら、再度興奮し始めて俺に近寄るイモコ。
 むさいとは言わないが、ちょっと怖いぞ。
 

「ちょっ! どうしたんだよイモコ。ちょっと落ち着け。それより、シロマとゲロゲロはどこだ?」


 気付けば二人の姿が見当たらない。
 どこにいるんだろ?


「先ほどまでは、こちらにいたでござるが、何か気になる事があると言ってどこかに行ってしまったでござる。直ぐに戻ると思うでござるよ。」

「なるほど。シロマが気になるっていうんじゃ、何か嫌な予感がするな……。」


 その時、突然上空から羽ばたく音が聞こえる。


 バサッ! バサッ! バサッ!


「ちょっ! ちょっとゲロちゃん!? きゃぁぁぁぁぁ!」


 すると今度は、上空からシロマが悲鳴が聞こえてきた。
 視線を上げると、空に古龍狼状態になったゲロゲロが見える。
 どうやらシロマは、ゲロゲロの背中に乗っているっぽいな。


「げろぉぉ!(サクセスお帰り!!」


 ゲロゲロは、俺が船に戻ったのを見つけて、船に急降下してきたようだ。
 それに焦ったシロマは、既に船に舞い降りているのにも気づかず、目をギュッと瞑りながら、必死でゲロゲロにしがみついている。


ーーそして


 ドンッ!


「キャッ!!」


 ゲロゲロは船に降りると、元の可愛い姿に戻り、俺の胸に飛び込んできた。
 俺の顔をペロペロ舐めるゲロゲロは、やはりとんでもなく可愛い。
 どうして、もふもふってこんなに癒されるんだろうなぁ……。


 だが逆に、突然変身を解除されて、地面に落とされたシロマは災難だった。
 その小さく可愛いお尻を甲板に打ちつけると、痛そうに摩っている。
 

 俺も摩りたい……。


「もうっ! ゲロちゃん!! メっですよ! ちゃんと、私が降りてから元に戻ってください!」


 俺がゲロゲロを抱きしめて可愛がっていると、シロマが頭をプンプンさせて近づいてきた。


「だってさ、ゲロゲロ。ダメだろ、ちゃんと注意しなくちゃ。メッだぞ? でもよくシロマを乗せられたな、言葉がわかってきたのか?」

「ゲロロン?(よくわからなかったけど、乗せて欲しい感じだったから乗せた!)

「そうかぁ~。偉いぞゲロゲロぉぉ~。お~よしよし。愛い奴め、愛い奴め!」


 俺はそういうと、更にゲロゲロの頭をゴシゴシと撫でて可愛がる。
 完全に孫を溺愛するお爺さん状態の俺。
 魔物を愛するムッツ氏の気持ちが、俺にはわかる。


 だが、シロマはそんな俺を見て、目をキッとさせて睨んできた。


「ちょっとサクセスさん! ちゃんと叱って下さい! 子供のしつけはちゃんとしておかないと、後で苦労しますからね!」


 教育ママのように、叱るシロマ。
 だが、その言葉に俺はうっかり口が滑った。

「大丈夫だって。俺達の子供にはちゃんと厳しくしつけるからさ。」


 なんとなく、勢いで既に子作り後の話をしてしまう俺。
 そして、それを聞いてシロマは顔を真っ赤にさせている。


「もう! サクセスさんの馬鹿! ってそんな事よりも大変です。直ぐに動かなければいけません!」


 すると、シロマは何かを思い出したかのように焦りだした。
 もう少しイチャラブしたかったが、その様子をみて俺も態度を改める。


「どうしたんだ? 何があったシロマ?」


「実は、以前話した時空の図書館で、災禍の渦潮について書かれた文献があったのを思い出したのです。あれは、召喚した魔物が消えると、また同じ数だけ……いえ、それ以上に数を増やして召喚するのです。ですから、元を断たないとキリがありません。」


「え!? でも、もしそれが本当なら、100年前から海は魔物だらけになってないか? ちょっとそれはおかしいと思うぞ?」


「はい。その通りです。しかし、災禍の渦潮は際限なく魔物を召喚するわけではなく、召喚した魔物が減らないかぎりは、新たに召喚することもなく、更に渦潮そのものも、1年ほどでパタッと消えてしまうそうなのです。」


 どういうことだ。
 また難しい話を……。
 つまりは、1年待たなければならないと?
 もしくは、今の内に離れるか……。


「んで、シロマちゃんは気になって、俺達が戦っている間に、その災禍の渦潮を探してたってわけだ。」

「はい。その通りです。そして、見つけました。先ほどサクセスさん達が戦闘していた海域よりも、少し離れた場所にあります。」


 カリーの推察をシロマが肯定する。
 シロマの行動が速くて助かった。
 とりあえず今なら、どうとでも対応ができそうだ。


 うーん、ぶっちゃけ逃げた方が良さそうに思える。
 正直、俺にはどうすればいいかわからん!


「しかし際限はないとはいえ、倒す度に召喚されちゃ、近づくのも難しいな。それにどうやって、渦潮を壊せばいいかもわからない。なぁ、サクセス。ここは、もう逃げておくか?」


 カリーもどうやら逃げるに一票のようだ。
 だけど、逃げられるのか?
 いや、多分逃げられるだろうな、俺達なら。

 だけど、これを放置すれば一年は、この付近を通った船が全滅するぞ。
 それを放っておいていいのか?


「なぁ、イモコ。一つ聞いていいか? この付近まで船が来ることってあると思うか?」

「言いにくいでござるが……あると思うでござる。ここから後3日でサムスピジャポンに到着するでござる。つまり、ここはまだ漁業範囲内でござるよ。」


 あちゃ~。
 やっぱそうきたかぁ。
 だよなぁ、何となくわかってた。
 仕方ない、やはりここは俺達がなんとかしなくちゃいけないな。


「なぁシロマ、カリーも聞いてたが、その渦潮を破壊する方法ってあるのか?」

「正直に言いますと、文献には載っていませんでした。しかし、属性だけは書いてありました。災禍の渦潮の属性は……闇です。」


 闇属性……。
 つまり、俺のスキルなら効果があるかもしれないってことか。
 ん? なら……。
 そうだ! 
 俺には、あれがあるじゃないか!!


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