最弱装備でサクセス〜どうのつるぎとかわの防具しか買えなかった俺だけど【レアリティ777】の効果が凄すぎて最強になってしまった〜

キミちゃん

文字の大きさ
262 / 397
第四部 サムスピジャポン編

13 圧倒的戦闘力①

しおりを挟む
 下尾を出発した俺達は、小江戸皮肥城に向かっている。下尾から皮肥までは平原であることから、馬車の速度を落とす事なく進むことができた。道中、沢山の魔獣に襲われる不安もあったのが、予想に反して魔獣は少ない。皮肥城の城主から依頼された内容を考えれば、少し嫌な予感を感じる。

 下尾に向かう際、皮肥領内に近づくにつれて強い魔獣が増えていたのは事実だ。それを考えると今の状況は、いるべき魔獣が見当たらないという事。それはつまり、そのほとんどが討伐されたか……または皮肥城に向かっているかである。この場合は、後者と予想して間違いないだろう。

 当初、馬車で向かえば二日近く掛かると聞いていたのだが、それは休憩を挟んだ場合という意味だったらしく、強行軍で向かうのであれば、一日で辿り着くそうだ。昨夜一晩走り続けた馬たちであるが、シロマがうまくやったようで今もまだ弊害なく進み続けられている。

 --そして昼頃……


「サクセス様!! 皮肥城が見えて参りました。どうやら予想通り、皮肥城は現在魔獣に襲われているようです。」


 セイメイの声を聞き、俺は御者に移動して直接状況を確認する。実際に見て見ると、予想通り、いやそれ以上の数の魔獣に皮肥城は襲われているようだ。しかし、おかしい。聞いていた巨大な魔獣は見当たらない。普通の魔獣の何倍も大きいのであれば、ここから見えてもおかしくないはず。


「聞いていた魔獣は見当たらないな。重兵衛、あの中にお前たちが見た魔獣はいるか?」

「おらぬ! 確かに高レベルの魔獣が多いでござるが、あの時の魔獣に比べれば子供も同然でござる。しかし、仲間達が大分苦戦しているのは確か。故に某達も助太刀に向かうでござる。」


 目の前の情景を目にした重兵衛は完全に暴走している。ほとんど徹夜であったのもあって、更に気が高ぶっているのかもしれない。しかし、重兵衛達に向かわせて馬車を俺達が守る等、愚の骨頂。最悪手といっていい。悪いが、こいつら1000人より俺一人の方が強い。だけど、そう言って説得できそうもない雰囲気だし、困ったな。


「ダメだ! 今回戦うのは、俺とカリーとゲロゲロだけだ。重兵衛達は馬車を守ってくれ。」

「馬車を守れですと!? こんな馬車よりも仲間達の方が大事でござる! 助けてもらって、ここまで連れてきていただいたのは感謝するでござるが、それとこれは別でござる。小五郎!! 行くでござるよ!!」

「貴様ら!! 師匠の言う事が聞けぬでござるか! ここにおられる師匠が行くというのだ、主らは黙って馬車を守らぬか!!」


 すると、前の馬車からイモコの大声が突然響いて来た。


「し、しかし大将軍様! さ、流石に年端も行かない青年達に任せるわけには……。」


 イモコの気迫に押されて、若干どもりながら返す重兵衛。どうやら、大将軍という肩書は思った以上に威力があるようだ。まぁ、元大将軍らしいけど。


「馬鹿者!! 主ら等、1万人集まっても師匠に指一本触れられぬわ! 某ですら、師匠達の前では足手まといでござるぞ!」

「そ、そんな馬鹿な……。大将軍程のお方が……いや、御冗談が過ぎますぞ。」

「冗談だと思うならその目に焼き付けるがいいでござる、師匠達の凄さを。」


 おぉ~! パチパチパチ……。ちょっと持ち上げられすぎて照れ臭いけど、ナイスだイモコ。この分なら、これ以上暴走はしそうにないな。ということで、いっちょ片付けてきますかな。


「そういうことだ。悪いな、二人とも。だが、俺達が到着したからには必ず仲間を助けてやる。信じてくれ。」

「わ、わかったでござる。で、ですが! もしも助けが必要と判断したならば行くでござるよ。」

「あぁ、それは構わない。じゃあ時間が惜しい、行くぞ! カリー、ゲロゲロ!」


 俺の声を合図に、カリーとゲロゲロも馬車から飛び降りて駆け出した。俺が直線に向かったのを見て、カリーは左斜め前、ゲロゲロは右斜め前に向かっている。見える敵は今まで倒してきた魔獣と同じ。それが分かったが故に、何も言わなくとも最速で敵を殲滅するために己の判断で動き出したのだ。


「う~ん、かなり兵士達が押されているな。敵の後ろからの強襲とは言え、スキルや魔法を使えば、味方側にも被害が及びそうだな。」


 俺は走って向かいながらも状況を観察して、戦い方を考える。敵を殲滅するだけならば、広範囲魔法やスキルを使えば一網打尽だろう。しかし、この状況では当然そんなことはできない。そのくらい、兵と魔獣は近い距離で戦っていた。


 そして遂に俺は敵に攻撃できる距離まで接近したーーそして


 ファルファルファルファル!!


「ぐがぁぁぁぁぁ!!」
「ギョォォォォ!!」


 俺は後方から横並びになっている魔獣に突貫しながらも、圧倒的な剣速で魔獣を次々と走りながら斬りつける。そして10数体の魔獣を一瞬で魔石に変えると、兵士達の前まで到着した。


「俺は大野大将軍に命じられて馳せ参じた! 動ける者は動けない者を抱えて町に避難してくれ! ここは俺に任せろ!」


 そう叫びながらも、次々と魔獣を屠っていく俺。それを目の当たりにした兵士達は、正直混乱した。何が起こっているかわからない。なぜならば、サクセスの動きが速過ぎて目で追えないのだ。わかるのは、今まで決死の覚悟で戦いを挑んでいた魔獣達が、次々と真っ二つにされて魔石に変わっている状況。だが、声だけは届いた。そして、大野大将軍というフレーズで理解する。

 そこからの動きは速かった。理解こそできていないが、兵士達は次々と負傷者を抱えて町に戻っていく。どうやら、指揮官が指示をだしてくれたらしい。どんな奴かは知らないが、優秀な判断だ。


 既に俺が倒した魔獣の数は30匹を超えていた。それでもまだ、この付近だけでもまだその20倍は残っている。しかし、ここからはさっきよりも殲滅速度が上がるだろう。……なぜなら



「ライトスラッシュ! ライトスラッシュ! ディバイン……チャージ!!」


 ズバァァァン!! 


 兵士達が素早く後方に退いたお蔭で、スキルが使えるようになった。ウーマンモークラスの大型の魔獣もいたが、流石にスキルの力が上乗せされた俺の攻撃だと、全て一撃で倒すことができる。更に横薙の範囲攻撃(ディバインチャージ)は効果抜群だった。ステータスが以前よりも上がっているのもあって、それだけで半数の魔獣を消し炭……否! 魔石に変えてしまう。


 結果、城門付近まで到着してから、ものの1分もかからない内に辺りの敵を殲滅してしまった。よく見ると、周りには既に手遅れの兵士達が多く倒れてはいるが、それでもやれるだけの事はやった。これ以上の被害はないはず。
 とりあえず、次はカリーとゲロゲロの応援に向かうか。流石に二人はまだ倒しきれていないはず……だよね?

 俺がそんな事を考えていると、イモコのような恰好をした中年の男が近づいて来た。


「助太刀痛み入る!!」

「あぁ、問題ない。それよりもここはもう大丈夫だ。まだ倒れている兵士の中で助けられる奴もいるかもしれない。後でうちの僧侶が回復できるはずだから、心臓が動いている奴は全て運んでやってくれ。俺は、左右に残っている敵を倒しにいく。」

「ちょ、ちょっと待つでござる!」

「わりぃ、話は後だ。んじゃ頼んだぜ!」


 俺はそれだけ告げると、ゲロゲロがいる方向に向かった。カリーとゲロゲロなら、この程度の魔獣に後れを取る事はない。特にゲロゲロならば、あっという間に殲滅するだろう。

 なので、本来ならばカリーのところに向かうところであるが、俺はゲロゲロの方に向かう。理由は簡単だ。あの姿のゲロゲロを見たら、普通なら新手の魔獣か何かと間違えられてもおかしくはない。

 そう、俺は説明をするためにゲロゲロのところに向かうのだった。


しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜

ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」 「街の井戸も空っぽです!」 無能な王太子による身勝手な婚約破棄。 そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを! ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。 追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!? 優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。 一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。 「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——! 今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける! ※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

ハズレスキル『自動販売機』を授かって婚約破棄されましたが、 実は回復薬も魔力食も出せる最強スキルでした

暖夢 由
ファンタジー
十八歳の成人儀式で授かったのは、誰も聞いたことのない《自動販売機スキル》。 役立たずと嘲られ、婚約者レオンには即座に婚約を破棄され、人生が崩れ落ちたように思えた。 だがそのスキルには、食べ物を作り、摂取すれば魔力を増やし、さらに“治癒効果”を付与できるという隠された力があった。 倒れた母を救い、王都の名門・ヴァルセイン伯爵夫人を救ったことで、カミーラは“呪詛”という闇の存在を知る。伯爵邸で出会った炎の力を持つ公爵家次男レグナスとの出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。 やがて王都全体に“謎の病”が蔓延。カミーラは治癒スープの炊き出しを行い、人々を次々と回復へ導く。 一方、病の裏で糸を引いていたのは………。 “無価値”と嘲られたスキルが、いま世界を癒し、未来を照らす光となる――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました

山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。 生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。

処理中です...