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第四部 サムスピジャポン編
81 最終会議 前編
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「それでは皆様お集りみたいなので、早速今後の事について僕チンから話があるでごじゃる。」
サイトウを拉致してから丁度一週間後、俺達はいつもの作戦部屋においてハンゾウからの報告を受けている。
ハンゾウは無事サイトウに成り代わることができ、妲己とも面会をし、必要な情報を集めてくれた。
その中でも一番の朗報だったのが、サイトウがウロボロスの封印されし火山の管理を任されていた事である。
実際管理と言っても火山の中に入るとかではなく、火山の前に建てられた関所の管理がメインだ。
通常、その火山近辺に近づく者はいないとされているが、それでも年に数人位が興味本位で近づくため、そう言った輩を追い払うためにできた関所である。
だが実は追い払うだけではなく、そこに来た者の報告も一つの仕事らしい。
それと月に1度だけ火山に眠るウロボロスの封印が解かれていないかの確認もサイトウは命じられている。その為、封印を確認する時だけは妲己から魔法の鍵を貸し与えられるようなので、火山への入山は容易になった。
そしてもう一つ重要な情報として妲己の魅了能力に対する対応策についてだが、これは【光のミサンガ】というアクセサリーを装備すれば防げるとの事。なんでそんな事がわかったかについては教えてくれなかったが、ハンゾウが言うならば信じる価値はある。
という事で、俺達は今一つの選択を迫られていた。
「つまり妲己を倒してから火山に行くか、ウロボロスを再度封印してから妲己を倒すかって事か?」
ハンゾウからの報告を聞いた後、俺は一番大事な事を確認する。
「そうでごじゃる。僕チンの中では答えは決まっているでごじゃるが、一応みんなの意見も聞きたいでごじゃる。」
相変わらず無表情の蛙面なハンゾウ。どうやら答えは決まっているらしいが、それなら先に言ってほしいのものだ。ちなみに俺の答えは当然妲己を先に倒す事。それ以外には考えられない。ウロボロスを倒すにせよ、再封印を施すにせよ、後顧の憂いがあっては不安が残る。
「皆さんに確認するまでもないのではありませんか? 妲己を先に倒し、卑弥呼様に玉座に戻ってもらう事が第一優先でございます。」
すると、やはりセイメイが俺と同じ考えを口にする。当然、他のメンバーもそれを聞いて頷いていた。
「そうでごじゃるか。他の方も同じでごじゃるか?」
セイメイの発言を聞いてハンゾウは全員を見まわして確認する。しかし、当たり前だが誰も否定の声を上げない。
「わかったでごじゃる。では僕チンの考えを言うでごじゃるが……僕チンは妲己を先に倒す事は反対でごじゃる。」
!?
全員がその言葉に耳を疑った。正直ハンゾウも同じ考えであり、一応確認をとったに過ぎないと考えていたからだ。当然のことながら、それを聞いたセイメイは鬼の形相でハンゾウに詰め寄る。
「どういう事ですか!! あなたは卑弥呼様をなんと考えているのですか!」
「待てセイメイ! まずはちゃんと話を聞いてからだ。」
俺は興奮するセイメイを無理槍羽交い絞めにして押さえつける。そうでもしないと怒りに染まったセイメイが、ハンゾウに殴りかかりそうだったから。だが俺に抑えられた瞬間、セイメイの体からフッと力が抜け、その体を俺に預けた。
「し、失礼しました。私ともあろう者が……。もう大丈夫でございます。」
どうやら落ち着いてくれたみたいだ。しかし抱きかかえて見てわかったのだが、セイメイの体は女性のように柔らかい。男と知っていても、微妙に下半身が反応してしまったぜ。
「気持ちはわかる。だが落ち着け。それに何をするにしても決めるのは俺達だ。……そうだよな、ハンゾウ?」
俺は少しだけ威圧を込めて尋ねる。確かに俺達はハンゾウのサポートが無ければ正直何もできない。しかしそれでも動くのは俺達なんだから、当然決めるのも俺達だ。
「そうでごじゃる。決めるのは皆さまで良いでごじゃる。」
俺の威圧が効いたのか、ハンゾウの声のトーンが少しだけ落ちた。どうやらちゃんと大事な事は理解しているらしい。それならまずはやはり話を聞くことからだな。
「じゃあ続けてくれ。」
「了解でごじゃる。まず初めに反対した理由は、妲己を倒す手段がないからでごじゃる。サクセス君が強いのは知っているでごじゃるが、それは相手と戦える事が前提でごじゃる。」
「そりゃそうだ。でも魅了スキルさえなんとかなるなら、俺がミラージュでこっそり近づいて殺せばいいだけだろ? そんなに難しい事じゃないはずだ。」
「その通りでごじゃる。しかしそれができるなら、そもそも僕チンは妲己を暗殺しているでごじゃるよ。今回、妲己に近づくことができるようになったので、それは僕チンでも可能でごじゃる。」
(何言ってんだ、こいつ?)
「なら悩む事はなくないか?」
「否。今言った事をよく考えるでごじゃる。」
ハンゾウはいつも紛らわしい事を口にするが、今回は本当に意味がわからない。俺が今まで妲己を殺そうとしなかったのは魔法の鍵の在処がわからなかった事と万が一にでも魅了にかかるのが怖かったからだ。その両方の対策がとれるなら迷うことは無い。そう。例え絶世の美人でも……あれ? 俺殺せるかな? ちょっと自信ない。
「もうまどろっこしいのはいいから教えてくれ。」
「わかったでごじゃる。では率直に言うと、妲己の居場所がわからないでごじゃるよ。つまり戦う事はもちろん、殺す事も不可能という事でごじゃる。」
その言葉に全員が「はぁ?」と言った表情を浮かべる。
それもそのはず。こいつは妲己と面会したって言っていたし、そもそもいる場所は邪魔大国の城以外ありえないのだ。しかし、ハンゾウは続けた。
「城にいる妲己は偽者でごじゃる。今回潜入してはっきりわかったでごじゃる。いや、偽者という表現も違うでごじゃるな。本物であるが、本物ではないという感じでごじゃるか。当然実体はあるし、放つ言葉も妲己の意思のものでごじゃるが、あれを殺したところで妲己は死なないでごじゃる。」
ん?? 変化の術と同じ? いや本物というから違うのか?
そもそもハンゾウも分かってないみたいだけど……なぜか本物ではない事を確信している。
訳が分からない。
俺が頭をちんぷんかんぷんにしていると、セイメイが口を挟んだ。
「そんな虚言が通じると思っているのですか? 何か隠しているのではありませんか?」
ハンゾウからの要領を得ない答えに、セイメイは怒りを滲ませながら追及する。
「僕チンにもわからない故、うまく説明できないのは申し訳ないでごじゃる。だけど隠し事はないでごじゃる。言える事は、やるなら100パーセント成功させなければならないという事でごじゃる。僕チンは1パーセントでも不安があることはしない主義でごじゃるよ。」
セイメイに問い詰められても、言葉を濁すハンゾウ。しかし以前ハンゾウの話を聞いて、俺はこいつは信頼に値すると判断した。であれば、俺達を騙すつもりはないと思う。とはいえ、理解できないのは事実だが。
すると今度はイモコが口を開く。
「わかったでござる。では某から一つ質問してもいいでござるか?」
「どうぞ、大野将軍」
「ハンゾウの考えは最初の提案にあった二つとは違う答えではないでござるか?」
突如口を挟んだイモコであるが、その言葉は更に難解を極める質問だった。
なぜイモコがいきなりそんな事を聞いたのか、多分ここにいる誰一人として理解していない……いや、一人だけ理解している者がいた。
ーーそう、ハンゾウ本人だ。
サイトウを拉致してから丁度一週間後、俺達はいつもの作戦部屋においてハンゾウからの報告を受けている。
ハンゾウは無事サイトウに成り代わることができ、妲己とも面会をし、必要な情報を集めてくれた。
その中でも一番の朗報だったのが、サイトウがウロボロスの封印されし火山の管理を任されていた事である。
実際管理と言っても火山の中に入るとかではなく、火山の前に建てられた関所の管理がメインだ。
通常、その火山近辺に近づく者はいないとされているが、それでも年に数人位が興味本位で近づくため、そう言った輩を追い払うためにできた関所である。
だが実は追い払うだけではなく、そこに来た者の報告も一つの仕事らしい。
それと月に1度だけ火山に眠るウロボロスの封印が解かれていないかの確認もサイトウは命じられている。その為、封印を確認する時だけは妲己から魔法の鍵を貸し与えられるようなので、火山への入山は容易になった。
そしてもう一つ重要な情報として妲己の魅了能力に対する対応策についてだが、これは【光のミサンガ】というアクセサリーを装備すれば防げるとの事。なんでそんな事がわかったかについては教えてくれなかったが、ハンゾウが言うならば信じる価値はある。
という事で、俺達は今一つの選択を迫られていた。
「つまり妲己を倒してから火山に行くか、ウロボロスを再度封印してから妲己を倒すかって事か?」
ハンゾウからの報告を聞いた後、俺は一番大事な事を確認する。
「そうでごじゃる。僕チンの中では答えは決まっているでごじゃるが、一応みんなの意見も聞きたいでごじゃる。」
相変わらず無表情の蛙面なハンゾウ。どうやら答えは決まっているらしいが、それなら先に言ってほしいのものだ。ちなみに俺の答えは当然妲己を先に倒す事。それ以外には考えられない。ウロボロスを倒すにせよ、再封印を施すにせよ、後顧の憂いがあっては不安が残る。
「皆さんに確認するまでもないのではありませんか? 妲己を先に倒し、卑弥呼様に玉座に戻ってもらう事が第一優先でございます。」
すると、やはりセイメイが俺と同じ考えを口にする。当然、他のメンバーもそれを聞いて頷いていた。
「そうでごじゃるか。他の方も同じでごじゃるか?」
セイメイの発言を聞いてハンゾウは全員を見まわして確認する。しかし、当たり前だが誰も否定の声を上げない。
「わかったでごじゃる。では僕チンの考えを言うでごじゃるが……僕チンは妲己を先に倒す事は反対でごじゃる。」
!?
全員がその言葉に耳を疑った。正直ハンゾウも同じ考えであり、一応確認をとったに過ぎないと考えていたからだ。当然のことながら、それを聞いたセイメイは鬼の形相でハンゾウに詰め寄る。
「どういう事ですか!! あなたは卑弥呼様をなんと考えているのですか!」
「待てセイメイ! まずはちゃんと話を聞いてからだ。」
俺は興奮するセイメイを無理槍羽交い絞めにして押さえつける。そうでもしないと怒りに染まったセイメイが、ハンゾウに殴りかかりそうだったから。だが俺に抑えられた瞬間、セイメイの体からフッと力が抜け、その体を俺に預けた。
「し、失礼しました。私ともあろう者が……。もう大丈夫でございます。」
どうやら落ち着いてくれたみたいだ。しかし抱きかかえて見てわかったのだが、セイメイの体は女性のように柔らかい。男と知っていても、微妙に下半身が反応してしまったぜ。
「気持ちはわかる。だが落ち着け。それに何をするにしても決めるのは俺達だ。……そうだよな、ハンゾウ?」
俺は少しだけ威圧を込めて尋ねる。確かに俺達はハンゾウのサポートが無ければ正直何もできない。しかしそれでも動くのは俺達なんだから、当然決めるのも俺達だ。
「そうでごじゃる。決めるのは皆さまで良いでごじゃる。」
俺の威圧が効いたのか、ハンゾウの声のトーンが少しだけ落ちた。どうやらちゃんと大事な事は理解しているらしい。それならまずはやはり話を聞くことからだな。
「じゃあ続けてくれ。」
「了解でごじゃる。まず初めに反対した理由は、妲己を倒す手段がないからでごじゃる。サクセス君が強いのは知っているでごじゃるが、それは相手と戦える事が前提でごじゃる。」
「そりゃそうだ。でも魅了スキルさえなんとかなるなら、俺がミラージュでこっそり近づいて殺せばいいだけだろ? そんなに難しい事じゃないはずだ。」
「その通りでごじゃる。しかしそれができるなら、そもそも僕チンは妲己を暗殺しているでごじゃるよ。今回、妲己に近づくことができるようになったので、それは僕チンでも可能でごじゃる。」
(何言ってんだ、こいつ?)
「なら悩む事はなくないか?」
「否。今言った事をよく考えるでごじゃる。」
ハンゾウはいつも紛らわしい事を口にするが、今回は本当に意味がわからない。俺が今まで妲己を殺そうとしなかったのは魔法の鍵の在処がわからなかった事と万が一にでも魅了にかかるのが怖かったからだ。その両方の対策がとれるなら迷うことは無い。そう。例え絶世の美人でも……あれ? 俺殺せるかな? ちょっと自信ない。
「もうまどろっこしいのはいいから教えてくれ。」
「わかったでごじゃる。では率直に言うと、妲己の居場所がわからないでごじゃるよ。つまり戦う事はもちろん、殺す事も不可能という事でごじゃる。」
その言葉に全員が「はぁ?」と言った表情を浮かべる。
それもそのはず。こいつは妲己と面会したって言っていたし、そもそもいる場所は邪魔大国の城以外ありえないのだ。しかし、ハンゾウは続けた。
「城にいる妲己は偽者でごじゃる。今回潜入してはっきりわかったでごじゃる。いや、偽者という表現も違うでごじゃるな。本物であるが、本物ではないという感じでごじゃるか。当然実体はあるし、放つ言葉も妲己の意思のものでごじゃるが、あれを殺したところで妲己は死なないでごじゃる。」
ん?? 変化の術と同じ? いや本物というから違うのか?
そもそもハンゾウも分かってないみたいだけど……なぜか本物ではない事を確信している。
訳が分からない。
俺が頭をちんぷんかんぷんにしていると、セイメイが口を挟んだ。
「そんな虚言が通じると思っているのですか? 何か隠しているのではありませんか?」
ハンゾウからの要領を得ない答えに、セイメイは怒りを滲ませながら追及する。
「僕チンにもわからない故、うまく説明できないのは申し訳ないでごじゃる。だけど隠し事はないでごじゃる。言える事は、やるなら100パーセント成功させなければならないという事でごじゃる。僕チンは1パーセントでも不安があることはしない主義でごじゃるよ。」
セイメイに問い詰められても、言葉を濁すハンゾウ。しかし以前ハンゾウの話を聞いて、俺はこいつは信頼に値すると判断した。であれば、俺達を騙すつもりはないと思う。とはいえ、理解できないのは事実だが。
すると今度はイモコが口を開く。
「わかったでござる。では某から一つ質問してもいいでござるか?」
「どうぞ、大野将軍」
「ハンゾウの考えは最初の提案にあった二つとは違う答えではないでござるか?」
突如口を挟んだイモコであるが、その言葉は更に難解を極める質問だった。
なぜイモコがいきなりそんな事を聞いたのか、多分ここにいる誰一人として理解していない……いや、一人だけ理解している者がいた。
ーーそう、ハンゾウ本人だ。
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