最弱装備でサクセス〜どうのつるぎとかわの防具しか買えなかった俺だけど【レアリティ777】の効果が凄すぎて最強になってしまった〜

キミちゃん

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第四部 サムスピジャポン編

100 妲己ちゃんのお遊戯②

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「じゃあ、その前にもう少し俺と遊んでくれよ。できるならその体に触らせてくれ」


 それはカリーでなかったら完全に変態発言である。しかし、この世は平等ではない。どんな言葉もそれを向けられた相手の捉え方次第。その為、イケメンのカリーがこんなセリフを吐いても許されるのであった。


「いいでありんすぇ。もしも妾を捕まえられたら、触れさせてあげるでありんす。まだ時間はありんすから、少しペットと遊ぶのも悪くないでありんすぇ」


(おし! まんまと乗ってくれたぜ!)


 いつの間にかペットにされているカリー。
 しかしカリーはそんな事は全く気にせず、内心でガッツポーズをとっていた。
 本当に触れさせてくれるかどうかは別として、これならば時間を稼ぐ事ができると喜ぶ。

 
 チャンスと思ったカリーは、再び妲己に向かってジャンプした。

 しかし、気が付けばそこに妲己はいない。

 いつの間にか少し離れた場所に移動していた。


(何っ!? 見えなかった! シロマちゃんのゲートと同じ魔法か?)


 カリーは間違いなく妲己に触れたと思った。
 カリーが振れる直前まで、妲己は間違いなくそこにいたのだ。

 しかし、カリーの手は空をきる。

 妲己に動くような予備動作もなければ、移動した動きも見えなかった。

 だが現に妲己は、違う場所に移動している。


「コココココ……こっちでありんすよ。あらあら、あっちも面白そうでありんすねぇ。」


 妲己は移動した先で、地上にいるイモコ達を見ていた。

 その言葉を聞いたカリーは視線を妲己に合わせると、そこではイモコが今もなお、ハンゾウを何度も斬り倒している状況が映る。


 イモコの表情は悲しみに溢れていた。


 それでも幾度となく蘇るハンゾウを、イモコは何度も斬り伏せていく。

 二人がどういう関係だったかは詳しく知らないが、裏切ったとはいえ、仲間を斬り続けるのは精神的にかなりキツいだろう。


 すると再び妲己が楽しそうに言葉を発した。


「無様でありんすぇ。その者は妾を殺そうとして逆に操られたでありんす。そして今、その仲間に何度も殺されているでありんす。これは愉快でありんす。コココココッ………」


(操られた……? そうか、ハンゾウは魅了されていたのか。いや、じゃあ何で俺は魅了されていない?)


 カリーは自分の足に巻き付けているミサンガに目を向ける。

 ハンゾウの説明では、このミサンガは一度だけ妲己の魅了に抵抗してくれるというものであり、効果が発動すればミサンガは切れてしまうらしい。

 しかし、カリーのつけているミサンガは未だに切れていなかった。

 実際さっきカリーは頬を触れられた時、少しだけ違和感を感じた。
 今ならわかる。あれはやはり魅了しようとしていたのだ。

 今更ながら、カリーはそれを思い出して背筋を凍らせる。
 
 なぜミサンガが切れていないかはわからないが、もしもあの時魅了されていたならば、次はない。
 だが実際ミサンガは切れていないし、魅了されている感じもない。

 思えばあの瞬間、妲己の表情が少しだけ変わっていた気がする。
 まるで「なぜ効かないのか?」と不思議に思っていた感じだ。

 正直それはカリー自身にもわからない事だが、ミサンガもまだ切れていないし、まだ自分は戦える。

 ならやるだけだ。少しでも時間を稼ぐ。


「妲己ちゃん、そっちばかり見ていると嫉妬しちゃうぜ。」


 カリーは妲己の背後を取ると、そう言って驚かせようとした。
 普通に触れるのは無理でも、もしかしたら感情に反応が出た時に触れられるかもしれない。

 そう思ったカリーだったが、妲己は驚く様子はみせずに、またしても瞬間移動していた。


「今のは少し驚いたでありんすぇ。しょうがない子でありんすね。少し躾が必要でありんす。」


 その言葉を聞いて、カリーは失敗したと後悔する。
 さっきまでなめまくってくれたおかげで、向こうから攻撃される事はなかった。
 しかし、今の言葉は間違いなく攻撃を開始する合図。

 一体どんな攻撃をされるのか焦っていると、突然カリーの周囲にハート型の風船が沢山浮かび上がってきた。


「なっ!? いつの間に!?」


 カリーの周囲はハート風船で包囲されている。
 この魔法がどんな効果であるかはわからないが、ピンチなのは間違いない。

 どうやって切り抜ければいいかカリーは考えるも、その答えが見つかる前に、浮かんでいた風船は、次々と「パンッ!!」という音を立てて破裂した。

 鼓膜が破れるのではないかという程の大音量。

 全身をガードするカリーだが、不思議な事にダメージは感じない。

 本当にうるさいだけであった。


「いいでありんす……いいでありんすぇ、その表情。もっと妾に見せるでありんす。」


 どうやらまだ遊ばれていたらしい。

 さっき驚かされた事に対する意向返しのようだ。

 舐められることは嬉しいが、やはりここまで馬鹿にされるとカリーも少しだけ苛立つ。

 額に青筋を浮かべたカリーは妲己を睨みつけた。


「やってくれるじゃねぇかよ、妲己ちゃん。今のは少し驚いたぜ」

「少しでありんしたか? その割には震えておったぞぇ」

「……ああ、震えたよ。お前を殺せると思ったら嬉しくてな!!」


 再度妲己に接近するカリー。
 しかし、今度はただ接近するだけではない。
 カリーは手の中に「フレアボム」を隠し持っていた。

 直接的な属性攻撃はできないが、属性を付与した生成アイテムなら使える。
 故に、カリーは予め妲己の周囲にそれを一斉に投げつけて接近した。
 今までの瞬間移動の距離は短い。
 それならば先に移動先を潰しておけばいいだけ。


 カリーは再び上段に大剣を構えると、渾身の一撃を妲己に放つ。


 その瞬間、妲己の周囲が大きな爆発に飲まれた。


 カリーの大剣はやはり空を切ってしまったが、付近に妲己の姿は見当たらない。
 つまり、今の爆発に巻き込まれた可能性が高い。

 とはいえ、全ての攻撃を無効化するのであればそれも意味はないと思うが、妲己は捕まえられたら触れさせるといっていた。つまり、今もまだ舐めてくれていたならば、あの無敵な状態は解除されている可能性は高い。

 そんな望みを抱いたカリーであったが、煙が晴れた先を見て、淡い希望が無に消える。

 妲己は予想通りカリーの放ったフレアボムの爆発圏内に移動していた。

 しかし、それでも体どころか、その衣服すら爆発の影響を感じさせないまま、そこに立っていたのである。


「今のはよかったでありんすぇ。中々楽しませてもらったでありんす。」

「お前ズルじゃねぇかよ。触らせてくれるんじゃなかったのか?」

「ズルではないでありんす。爆発ではなく、直接その手でなら触らせてあげたでありんすぇ。」


 やはりどう足掻いてもカリーの攻撃が妲己に届くことは無い。
 もはや妲己を倒すは諦めよう。

 そう思った瞬間だった。

 カリーはその目を疑う。

 なんと妲己の背中には……


ーーハンゾウがくっついていた。

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