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第三章
28 二人の献身
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遡ること、シルク達がダークマドウに襲われるより一時間前。
カリーとバンバーラは、魔物の大群に完全に包囲されていた。
カリーはシルク達が駆け出したのを見て攻撃を中断すると、シルクの方にいる敵を引きつけるべく走り出す。
バンバーラもまた、シルクの方に向かう敵を片っ端から魔法で攻撃すると、シルク達への追撃を許さない。
その甲斐がありシルク達に向かう敵はいなくなると、シルク達は順調に森の奥へ進んでいった。
だがその代償は大きい。
多くの魔物をカリー達に引き付けた上、周囲の魔物を放置していたことから二人は完全に囲まれてしまう。
「はぁはぁはぁ……なんとか上手くいったようだな。」
「そうね……でもここからが本番かしら? まだやれるわよね?」
「当たり前だろ、こんなところでくたばるわけにはいかねぇよ。でも姉さんはもう精神力が限界じゃねぇのか? 俺が隙を作るから、先にローズ達を追って逃げてくれよ。」
「馬鹿ね。あんたを置いて行けるわけないでしょ。それに、私はまだまだやれるわ!」
カリーの言葉にバンバーラは強がって見せたが、実際には既に精神力は尽きかけている。
その目は若干虚ろとなっており、正直今すぐに気絶してもおかしくはない状態だ。
精神力が完全に尽きればそのまま気絶してしまい、後は殺されるだけ。
そしてカリーもまた、長時間の全力戦闘でスタミナはほとんど残っていない。
それどころか剣を持つのでさえ、苦しい状況だった。
「そう言うと思ったぜ、でも流石にこれはどうにもなんねぇかもしれねぇな。」
「でもやるしか無いわね。」
「あぁ最後に一花……咲かせてやるか!」
カリーとバンバーラは、魔物の大群に完全に包囲されていた。
カリーはシルク達が駆け出したのを見て攻撃を中断すると、シルクの方にいる敵を引きつけるべく走り出す。
バンバーラもまた、シルクの方に向かう敵を片っ端から魔法で攻撃すると、シルク達への追撃を許さない。
その甲斐がありシルク達に向かう敵はいなくなると、シルク達は順調に森の奥へ進んでいった。
だがその代償は大きい。
多くの魔物をカリー達に引き付けた上、周囲の魔物を放置していたことから二人は完全に囲まれてしまう。
「はぁはぁはぁ……なんとか上手くいったようだな。」
「そうね……でもここからが本番かしら? まだやれるわよね?」
「当たり前だろ、こんなところでくたばるわけにはいかねぇよ。でも姉さんはもう精神力が限界じゃねぇのか? 俺が隙を作るから、先にローズ達を追って逃げてくれよ。」
「馬鹿ね。あんたを置いて行けるわけないでしょ。それに、私はまだまだやれるわ!」
カリーの言葉にバンバーラは強がって見せたが、実際には既に精神力は尽きかけている。
その目は若干虚ろとなっており、正直今すぐに気絶してもおかしくはない状態だ。
精神力が完全に尽きればそのまま気絶してしまい、後は殺されるだけ。
そしてカリーもまた、長時間の全力戦闘でスタミナはほとんど残っていない。
それどころか剣を持つのでさえ、苦しい状況だった。
「そう言うと思ったぜ、でも流石にこれはどうにもなんねぇかもしれねぇな。」
「でもやるしか無いわね。」
「あぁ最後に一花……咲かせてやるか!」
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