堕ちて逝った塊

佐野絹子

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「何だ………これ………」

厳つい男の発言で
その場にいる者が一斉に
厳つい男が見てる物に
目線が集まる

そこには
巨大なモニターがあった

「………」

俺は驚きのあまり
空いた口が
塞がらなかった

こんなにも
大きなモニターがあれば
直ぐに気付くはずなのに
何故、今の今まで
誰1人として
気づかなかった?
…………それとも
いきなり音もなく現れた?

そんな……まさか……

モニターに電源が入った
モニターに
ここにいる人数分の数字と
名前 年齢 性別が
表示されていた
━━━━━━━━━━━━━━━
01  生存
姓名【芹澤・珠凛(せりざわ・じゅり)  】
年齢【16歳】
性別【女】
02  生存
姓名【藤原・龍(ふじはら・りゅう) 】
年齢【18歳】
性別【男】
03  生存
姓名【山田・太郎(やまだ・たろう)】
年齢【20歳】 
性別【男】
04 生存
姓名【佐藤・利子(さとう・りこ)】
年齢【23歳】
性別【女】
05  生存
姓名【神宮寺・秀一(じんぐうじ・しゅういち)】
年齢【27歳】
性別【男】
06  生存
姓名【不明】
年齢【不明】
性別【男】アルビノの男
━━━━━━━━━━━━━━━
首に着けられている首輪に  
数字が表れた

俺は……03……

この表示は
個人情報だろう

数字の隣の【生存】と言う文字が
気になる所だが…
今は確かめる方法がない

「自己紹介をしませんか?」

眼鏡をかけた男が
皆に提案した

「私は賛成です」

少女の傍にいた女性が  
眼鏡をかけている男に賛同した

「僕はどっちでもいいかな」

アルビノの男は
興味無さげに答えた

「私…も…さ賛成です」

少女が控えめに言う

「あ?なんで
てめぇが仕切ってんだ?」

厳つい男が
眼鏡をかけた男に
眉間に皺を寄せて
難癖を付けてきた

「僕は提案しただけです」

眼鏡をかけた男は
淡々と答えた

「チッ、気に食わねぇ
てめぇの提案に乗ってやるよ」

「ありがとうございます」

厳つい男は
不機嫌な態度だったが
眼鏡をかけた男は
微笑んで対応した
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