堕ちて逝った塊

佐野絹子

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死 肆

01 芹澤 珠凛 Ⅰ

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幼い頃から
私は周囲から
恐れられていた

暴君として?  

あんなチンピラと
一緒にしないで欲しいね
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私は他人が 
苦しんでる姿を
見るのが大好きなの

虫や動物を
殺しても
つまらない
あいつら
直ぐに死ぬんだもん……

はぁ……

人間を
拷問して
殺害したい

でも
この人間世界で
人を殺めたら
私が抹消されちゃう

それじゃあ意味がない

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両親は
私の異変に
気が付いた

人間は
自分の子の
異変に直ぐに
気が付くから
めんどくさい

【もっと細心の注意をしないと】

そう思った時には
既に遅かった
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私は政府に飼われていた

私は社会にいたら
危険なんだと

気がついた時には
国に管理されていた

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13歳になった私は
ある場所に
連れてこられた 

目の前には
中の様子が伺えない 
暗い空間が広がっていた

通常なら
その空間に入る事に
躊躇(ちゅうちょ)
するであろう 
その空間に
私は胸の高鳴りを覚えた

ここに連れ来たであろう
黒服スーツ姿の男が
傍にいた

その男は
私に言葉を発した

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お前の欲望のままに
動いて良い

ここでは
法律は適用しない

【全滅させて来い】
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そう男に言われ
そこに置いてかれた

…………

笑みが止まらない


この時の私は
気分が最高潮に
達していた

ここは私の天国だ!!
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