【完結】無自覚腐男子の僕ですが何故か推しBL神絵師に溺愛されすぎてしんどいので誰か謎解きしてください。

僕、本誌デビューす。

BL漫画の刊行頻度について。

　かなり脱線したものの、ようやく僕はデジャヴさんから本題（４巻はいつでるのか）についての答えを聞くことができた。

「え？」

　でも僕は、あまりの衝撃的な事実に、しばらく頭がフリーズ状態になってしまった。

「２年後…‥‥‥ですか？」

　デジャヴさんから言われたことが、にわかには信じられない。

「だって先月、３巻出たばっかだからな」

　デジャヴさんから教えてもらって僕がドハマリしたBL漫画の最新刊は、まだ発売直後だったらしい。

　それにしても……。僕は思わず眉まゆをしかめてしまう。

　いくらなんでも、漫画の単行本の次巻の発売予定が２年も先だなんて、おかしいじゃないか。

　さてはデジャヴさん、例のごとく、僕のことをからかってるんじゃないかな。

「でも少年誌の漫画は、数ヶ月とかで単行本出てますよね？」

「うわー」

　そうつぶやいたきり、デジャヴさんのツイートが止まってしまうと、僕はソワソワして何か言い訳めいたことを言いたくなったけれど、必死に堪こらえた。


「お前な、BL誌がどれくらいの頻度ひんどで刊行されてるか知ってる？」

「知りません」

「お前の好きな漫画が連載されてる雑誌は２ヶ月ごとの発刊な。あとは、だいたい月刊が多くて、季節ごとに刊行してる雑誌もある」

　ええーっ。……ぜんぜん知らなかった。

　僕は、週刊誌しか読んで来なかったから、BL漫画の単行本が発売されるのも、てっきり少年漫画のそれと同じ感覚でいた。

　２年後かあー。

　僕は、ちょうど気になるところで終わってしまった最新刊のラストのシーンを思い出して、思わずため息をついた。

「……僕、26です」

「なにが？」

「2年経ったら、26歳になってます」

「あ、そう」

　これはもう仕方がない。

　漫画なんて描いたことなど、もちろん一度もないけれど、あんなに面白いストーリーの漫画を描いてくださってることに、ただただ感謝して待ち続けるしかない。

「待ちます！」

「そんなに早く読みたきゃ雑誌買えばいいじゃん」

「雑誌とは……」

「だから本誌だよ」

　本誌とは、少年漫画でいうところの、単行本ではなくて、刊行されている雑誌のことだ。

　つまり本誌とは、最新情報なのである。

　ちなみに、単行本にまとまる前の雑誌連載でストーリーを追っている人たちは、通称こう呼ばれている。

「僕が、本誌派に……！？」