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第一章(謎解きのはじまり)
ヘタレの僕、間宮に尽くすぞの巻。
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大学卒業後、特に目ぼしい就職先が見つからなかった僕は、ギリギリ採用された人材派遣会社の窓口で働くこととなった。
慣れない接客業が、どうにかそれなりに板についてきた頃、久しぶりに間宮から連絡が入った。
間宮は、広告代理店で働いていた。大手の子会社だとかで、小さな会社ながらも業界セオリーに洩れず多忙を極めているようだった。
電話で間宮は、初めて自分の担当案件を得られたのだと話していた。新卒で働き始めて間もないのに、もう会社から評価されていると知って、僕は羨ましいながらも誇らしい気持ちだった。
僕なんて、定年するまでずっと窓口業務だけやらされる気がする。
間宮が言うには、その担当になったというのが、ファッションブランドであるらしく、そのCMに起用するためのモデルを絶賛探しているところらしい。そこで、服の販売員なども取り扱っている僕の派遣会社に登録している人の中で、誰かモデルになってくれそうな子がいるかどうか、知りたいのだそうだ。
なにやら世間に周知されている女性タレントよりも、素人感がある子を探しているとのことだったが、まあ要するに、そこは予算の都合上なのだろう。
僕も僕とて、自分の仕事を覚えるので精一杯で、正直まだ余裕はなかった。でも、声を掛ける相手なんて、それこそ、たくさんいるだろうに、わざわざ高校の親友枠だった僕に連絡をしてきてくれたのだ。そんな間宮の好意に、ぜひとも応えたかった。
そこで僕は、販売員の登録者の女の子たちに、モデルに興味があるかどうか、まず声を掛けてみた。すると、やはり人前に立つ仕事を選ぶ女の子たちには、華やかな舞台への憧れが強いのか、驚くくらい大勢の子たちが手を上げてくれた。
その候補者の簡単な顔写真データを、間宮に送って、最終的に写真選考で10人までに絞った。
そして、その選ばれし女の子たちと、軽く面接を兼ねて、ちょうどクリスマスの日に、間宮との会食を開くことになった。
食事会の店は、間宮の方で全て手配をしてくれた。そこは、チェーン店ではない、食◯ログにも載っていない、個人経営で、おしのびで芸能人が来るような小料理屋だった。さすがは広告マンである。
しかも食事代は全て、間宮の会社側で負担すると言われたので、今回の件で完全に部外者である僕は、一度は参加を辞退したのだが、
「どうせ経費なんだから、気にすんなって!」
と、半ば、間宮に押し切られる形で、同席することになってしまった。
指定された店に到着すると、その料理屋の店構えやインテリアのセンスの良さにすでに、店内に入る前から、女の子たちは、「きゃあきゃあ」テンションが上がっていた。
当の主役の間宮は、初担当になったことでの激励会に引っ張り出されており、少し到着が遅れるとのことだった。
店先で大勢でたむろしているのも、失礼なので、僕たちは一足先に乾杯させてもらうことにした。
人数が多いため、個室のドアを取り外して、2つの個室を1つの部屋として、使わせてもらえるらしかった。きっと、普段はこんな団体の客が入ることは無いのだろう。なんだか申し訳なくなってしまう。
その上、拡張したとは言え、造りが個室であることには変わりないので、僕を含めて11名もの人間が着座すると、ぎゅうぎゅうになってしまった。人生で、こんなにも多くの女性に囲まれたのなんて初めてのことで、どうしたってドキドキしてしまう。
もたもたしている僕をよそに、テキパキと女の子たちはドリンクを頼み、スムーズに乾杯する運びとなった。僕なんかが居合わせてしまい、本当に面目なさすぎる。
乾杯が済んで、みんながメニューを見ながら何を頼むか夢中になっているところで、突然、勢いよく個室の扉が開かれた。
「悪い、遅れた!」
思わず全員の視線が入り口に向かったが、そこに立っていたのは、キレイめの淡いベージュのツーピース姿の女の子だった。僕たちは、思わず目を見合わせてしまう。
女の子はもう全員、ここに着席しているはずなのに。
そんな僕たちの、ポカンとした表情を見て、何かに気がついたのか、その綺麗なスーツ姿の女の子は、突然、片手で頭頂部の髪の毛を掴むと、そのまま長いウェーブした綺麗な髪の毛ごと、むしり取った。
むしり取った、だって?
僕を含めた全員が、唖然とする中、ニヤリと笑みを浮かべた女の子の口からは、綺麗な八重歯が2本覗いていた。
慣れない接客業が、どうにかそれなりに板についてきた頃、久しぶりに間宮から連絡が入った。
間宮は、広告代理店で働いていた。大手の子会社だとかで、小さな会社ながらも業界セオリーに洩れず多忙を極めているようだった。
電話で間宮は、初めて自分の担当案件を得られたのだと話していた。新卒で働き始めて間もないのに、もう会社から評価されていると知って、僕は羨ましいながらも誇らしい気持ちだった。
僕なんて、定年するまでずっと窓口業務だけやらされる気がする。
間宮が言うには、その担当になったというのが、ファッションブランドであるらしく、そのCMに起用するためのモデルを絶賛探しているところらしい。そこで、服の販売員なども取り扱っている僕の派遣会社に登録している人の中で、誰かモデルになってくれそうな子がいるかどうか、知りたいのだそうだ。
なにやら世間に周知されている女性タレントよりも、素人感がある子を探しているとのことだったが、まあ要するに、そこは予算の都合上なのだろう。
僕も僕とて、自分の仕事を覚えるので精一杯で、正直まだ余裕はなかった。でも、声を掛ける相手なんて、それこそ、たくさんいるだろうに、わざわざ高校の親友枠だった僕に連絡をしてきてくれたのだ。そんな間宮の好意に、ぜひとも応えたかった。
そこで僕は、販売員の登録者の女の子たちに、モデルに興味があるかどうか、まず声を掛けてみた。すると、やはり人前に立つ仕事を選ぶ女の子たちには、華やかな舞台への憧れが強いのか、驚くくらい大勢の子たちが手を上げてくれた。
その候補者の簡単な顔写真データを、間宮に送って、最終的に写真選考で10人までに絞った。
そして、その選ばれし女の子たちと、軽く面接を兼ねて、ちょうどクリスマスの日に、間宮との会食を開くことになった。
食事会の店は、間宮の方で全て手配をしてくれた。そこは、チェーン店ではない、食◯ログにも載っていない、個人経営で、おしのびで芸能人が来るような小料理屋だった。さすがは広告マンである。
しかも食事代は全て、間宮の会社側で負担すると言われたので、今回の件で完全に部外者である僕は、一度は参加を辞退したのだが、
「どうせ経費なんだから、気にすんなって!」
と、半ば、間宮に押し切られる形で、同席することになってしまった。
指定された店に到着すると、その料理屋の店構えやインテリアのセンスの良さにすでに、店内に入る前から、女の子たちは、「きゃあきゃあ」テンションが上がっていた。
当の主役の間宮は、初担当になったことでの激励会に引っ張り出されており、少し到着が遅れるとのことだった。
店先で大勢でたむろしているのも、失礼なので、僕たちは一足先に乾杯させてもらうことにした。
人数が多いため、個室のドアを取り外して、2つの個室を1つの部屋として、使わせてもらえるらしかった。きっと、普段はこんな団体の客が入ることは無いのだろう。なんだか申し訳なくなってしまう。
その上、拡張したとは言え、造りが個室であることには変わりないので、僕を含めて11名もの人間が着座すると、ぎゅうぎゅうになってしまった。人生で、こんなにも多くの女性に囲まれたのなんて初めてのことで、どうしたってドキドキしてしまう。
もたもたしている僕をよそに、テキパキと女の子たちはドリンクを頼み、スムーズに乾杯する運びとなった。僕なんかが居合わせてしまい、本当に面目なさすぎる。
乾杯が済んで、みんながメニューを見ながら何を頼むか夢中になっているところで、突然、勢いよく個室の扉が開かれた。
「悪い、遅れた!」
思わず全員の視線が入り口に向かったが、そこに立っていたのは、キレイめの淡いベージュのツーピース姿の女の子だった。僕たちは、思わず目を見合わせてしまう。
女の子はもう全員、ここに着席しているはずなのに。
そんな僕たちの、ポカンとした表情を見て、何かに気がついたのか、その綺麗なスーツ姿の女の子は、突然、片手で頭頂部の髪の毛を掴むと、そのまま長いウェーブした綺麗な髪の毛ごと、むしり取った。
むしり取った、だって?
僕を含めた全員が、唖然とする中、ニヤリと笑みを浮かべた女の子の口からは、綺麗な八重歯が2本覗いていた。
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