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第二章(謎解きのおわり)
太ももの呪い。
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僕は、少しずつ調子が狂い始めていた。
間宮にL◯NEすることは、もうとうに辞めていたけれど、元々、友人がいないせいで、僕のL◯NEの一番上は、ずっと間宮のままだった。
高校時代の親友だったとはいえ、大学のときには、すでに疎遠に近かったというのに、連絡を拒否られるくらいで、これほどまでにダメージを食らうことになるとは……。
僕にとって、間宮がそこまで大きな存在だったとは、思ってもみなかった。
なりゆきで青春時代を楽しく過ごした思い出の1ページくらいに思っていた。
僕は、間宮のことを、こんなにも好きだったのか。
「……好き」
でも、それは、口に出してみれば、あまりにも違和感でしかない感情だった。
その日、職場で定期的に開催されている飲み会に、僕にも声が掛かった。僕の直属の上司が主催しているのだが、今まで一度も参加したことはない。
上司の方も、断られるのが前提で、もはや一種のマナーとしての声掛けだったのだろう。僕が、すんなり参加する旨を伝えると、目を丸くしていて、可笑しかった。
上司が選んだ店は、全国にチェーン店のある、いわゆる大衆居酒屋だった。
安くて旨くて、若者中心に人気のある店だが、ついつい先日の間宮の選んだ店と比較してしまう。
やっぱり、お前はスゴイよ。出来ることならば、そう、本人に伝えてやりたかった。
失って初めて、その失ったものの大きさに気がつくって、こういうことを言うのだろうか。
きっと、間宮は、僕にとって、ささやかだけれども、キラキラと輝いていた時代の勲章のような存在なのだろう。
冴えない僕が、笑って過ごしていたあの日々が、確かな現実のものであるという……証。
その唯一のよすがを失った今、僕の過去にも未来にも、もはや道しるべは無く、どこを目指して歩いていけばいいのかも分からず、ただただ星1つ無い暗闇を、やみくもに一人で歩いていかねばならないような、恐怖と不安に包まれていた。
そんなとき、僕の左隣りに座っている女の子の白い太ももが、ふと目についた。
僕たちは、十数名の大人数だったこともあり、座敷へと案内されていた。
女の子も、何人か来ていたが、仕事帰りのスーツでスカートを履いているため、みんなきちんと正座をしている。
勤務時間外とはいえ、やはり職場の上司が同席している場で、足を崩すわけにもいかないのだろう。
しかし、スーツのスカートで正座をすると、思った以上にスカートが上に捲り上がってしまうものだ。そのことを知ったのは、まあ、つい先日のことだけれど……。
自分でも信じがたいことなのだが、僕は、まだ酔ってさえいないというのに、我慢ができず、その彼女の太ももに触れてしまった。
正確に言えば、上の方に引きつれて捲り上がってしまったスカートを、少しでも下に降ろしたかった。露わになった太ももの肌色を、どうにかして隠したくてたまらなかったのだ。
でも、女の子にしてみれば、いきなり無言で僕に太ももを触られたということになる。
「キャアッ!」
彼女は、条件反射のように、そう叫んだ。無理もない。僕は、その声で、ようやくハッと我に返り、触れた手を慌てて離した。
でも、遅かった。
彼女は、上司の恋人だったのだ。
間宮にL◯NEすることは、もうとうに辞めていたけれど、元々、友人がいないせいで、僕のL◯NEの一番上は、ずっと間宮のままだった。
高校時代の親友だったとはいえ、大学のときには、すでに疎遠に近かったというのに、連絡を拒否られるくらいで、これほどまでにダメージを食らうことになるとは……。
僕にとって、間宮がそこまで大きな存在だったとは、思ってもみなかった。
なりゆきで青春時代を楽しく過ごした思い出の1ページくらいに思っていた。
僕は、間宮のことを、こんなにも好きだったのか。
「……好き」
でも、それは、口に出してみれば、あまりにも違和感でしかない感情だった。
その日、職場で定期的に開催されている飲み会に、僕にも声が掛かった。僕の直属の上司が主催しているのだが、今まで一度も参加したことはない。
上司の方も、断られるのが前提で、もはや一種のマナーとしての声掛けだったのだろう。僕が、すんなり参加する旨を伝えると、目を丸くしていて、可笑しかった。
上司が選んだ店は、全国にチェーン店のある、いわゆる大衆居酒屋だった。
安くて旨くて、若者中心に人気のある店だが、ついつい先日の間宮の選んだ店と比較してしまう。
やっぱり、お前はスゴイよ。出来ることならば、そう、本人に伝えてやりたかった。
失って初めて、その失ったものの大きさに気がつくって、こういうことを言うのだろうか。
きっと、間宮は、僕にとって、ささやかだけれども、キラキラと輝いていた時代の勲章のような存在なのだろう。
冴えない僕が、笑って過ごしていたあの日々が、確かな現実のものであるという……証。
その唯一のよすがを失った今、僕の過去にも未来にも、もはや道しるべは無く、どこを目指して歩いていけばいいのかも分からず、ただただ星1つ無い暗闇を、やみくもに一人で歩いていかねばならないような、恐怖と不安に包まれていた。
そんなとき、僕の左隣りに座っている女の子の白い太ももが、ふと目についた。
僕たちは、十数名の大人数だったこともあり、座敷へと案内されていた。
女の子も、何人か来ていたが、仕事帰りのスーツでスカートを履いているため、みんなきちんと正座をしている。
勤務時間外とはいえ、やはり職場の上司が同席している場で、足を崩すわけにもいかないのだろう。
しかし、スーツのスカートで正座をすると、思った以上にスカートが上に捲り上がってしまうものだ。そのことを知ったのは、まあ、つい先日のことだけれど……。
自分でも信じがたいことなのだが、僕は、まだ酔ってさえいないというのに、我慢ができず、その彼女の太ももに触れてしまった。
正確に言えば、上の方に引きつれて捲り上がってしまったスカートを、少しでも下に降ろしたかった。露わになった太ももの肌色を、どうにかして隠したくてたまらなかったのだ。
でも、女の子にしてみれば、いきなり無言で僕に太ももを触られたということになる。
「キャアッ!」
彼女は、条件反射のように、そう叫んだ。無理もない。僕は、その声で、ようやくハッと我に返り、触れた手を慌てて離した。
でも、遅かった。
彼女は、上司の恋人だったのだ。
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