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翔大

翔大①

住宅街



陽菜と2人で歩いている裕太。裕太の隣を歩く奏太。陽菜には奏太は見えていない。陽菜と裕太が楽しそうに歩いてるのを見て奏太は偶に裕太を弄っていた




陽菜｢裕太君は迷子の翔ちゃんって怪談知ってる？｣
裕太｢なにそれ？｣
奏太｢おいおい!!いきなり怪談話はやめろよ!!眠れなくなるだろ!!｣
陽菜｢私も友達から聞いたから詳しくないんだけどね｣
奏太｢裕太!!今日泊めてくれよ!!絶対眠れないやつだよ!!友達の友達から聞いた話は!!｣


吹き出す裕太に首を傾げる陽菜


裕太｢・・・どんなの？｣
奏太｢馬鹿!!絶対今日は寝かせないからな!!｣
陽菜｢あのね、駅前広場あるでしょう？時計の｣
裕太｢あーあそこ｣
陽菜｢そう。そこでね夕方1人で居ると男の子が話掛けてくるんだって、そしてその男の子の｣
奏太｢きゃーーーーーーーーー!!!!｣
裕太｢うるさい!!｣
陽菜｢えっ!?ごめん｣
裕太｢あ、いやごめん!!上野さんじゃないから!!｣
陽菜｢本当？怖いの苦手だった？｣
裕太｢全然。耳元でハエがうるさかったから｣
陽菜｢大丈夫？｣
裕太｢追っ払ったから大丈夫。続き教えて｣
奏太｢おい!!｣



奏太は耳を塞ぎながらあーあーと言って居る。裕太はそれを見て笑いを耐えている







陽菜｢あのね。あそこの時計台の前で夕方1人で居ると、男の子が話掛けて来てこういうの。僕をお家に連れて行ってって｣
裕太｢それは何処の家の事？｣
陽菜｢男の子の家だよ。そして最初に行き方を教えてくれるんだけど、途中で分からなくなっても教えてくれないの。そして迷ってしまったら｣
裕太｢迷ったら？｣
陽菜｢あの世に連れて行かれるんだって｣
裕太｢へー・・・｣
陽菜｢怖かった？｣
裕太｢まーありきたりな都市伝説だよね｣
陽菜｢残念。裕太君あまり表情変わらないから、びっくり顔見たかった｣
裕太｢なにそれ｣






裕太は陽菜に笑いかける。その笑顔を見て顔を赤くさせる陽菜。裕太にバレない様に下を向く




裕太｢上野さん？どうしたの？｣
陽菜｢やっぱりダメ｣
裕太｢え？｣
陽菜｢裕太君は私以外に笑ったらダメ｣
裕太｢はい？｣
陽菜｢そんな顔私以外に見せたらダメ!!｣
裕太｢・・・・・・｣
陽菜｢じゃあ私こっちだから、また明日ねー｣






陽菜は分かれ道で走って去る。裕太は陽菜の言葉にショックを受けている。






裕太｢なー俺の顔ってやっぱり変なのかな・・・｣
奏太｢聞こえない聞こえない｣
裕太｢・・・お前・・・｣