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勘弁してください 1
しおりを挟む……また来たよ。
高らかに「ご機嫌よう!」と登場した美女に思わず抱いた感想はそれだった。
多分、俺だけじゃない。
「また来ましたの?」
あ、ほら。
アイリーンが呆れた様子でズバリ指摘したし。
「ラン様は?」
アイリーンの呆れなど何のその、キョロキョロとお目当ての姿を探すアイーシャの問いに仕事で外に出てることを伝えれば、あからさまにガッカリされた。
「会えない時間がまた愛を燃え上がらせるのですね」
切なげに呟きながらちゃっかりソファへ着席。
哀しいかな、俺の渾身のツッコミは届かず、恋する乙女と化したアイーシャはあれから時間を見つけては訪れる。ランが居れば頬を染め恥じらつつ話しかけたり、居なくても俺や周囲から少しでも情報をゲットしようと貪欲だ。
おっとり接するランの方にその気があるのかは不明。
体型的には好みど真ん中のナイスバディな筈だが、特に喜ぶでも拒むでもなく至って普通に接している。
まぁ、お互いいい大人だし、人の恋愛にとやかく首突っ込む気もないんだけど問題だけは起こさないでほしい。
相手は仮にも王族の一員、国際問題とかシャレにならん。
「でも、これで全てが解決すればいいわね」
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二人を攫ったのは手下の突発的な行動だったけど、監禁にはバッチリ関わってるから言い逃れはできない。
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さらには集落に毒をバラまいた件についても追及を受けてるし、ジュエラルに手駒を頻繁に行き来させてた履歴などから障害事件への関与も濃厚。
アイリーンが言うようにあのオッサンが捕まったことで色んなことが早期解決してくれれば有難い。
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