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233話 人はそれを天然という
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その後、格別に記すほどの事件もなく、ただ徒然(つれづれ)に夜が明け、ドラクロワ一行を乗せたカミラーの黒馬車は、紡績(ぼうせき)と仕立ての工場町イヅキを出立した。
その悪夢に出てきそうな、完全に"悪い意味"で荘重なる四頭立ての暗黒馬車は、程近い南部最大の軍事拠点ブルカノンを、まるで嫌忌するかのようにして素通りし、一路、大陸最南端の港街"カイリ"を目指す。
例のごとく、こちら側の我々の世界にてよく知る、あの鉄道の一車両に酷似した造りの馬車内では、到着まで各々が思い思いの優雅な時を過ごすこととなる。
つまり──
騎兵を馬ごと斬り伏せそうなほどに巨大な剣をひたすら研磨し、それに砥石(とぎいし)の粉と油とを混ぜたものを丹念に塗布する者──
誰がどう見ても、光の勇者の英雄然とした装備とはかけ離れた、剣呑極まりない暗器の群、また猛毒薬の小瓶をテーブルに並べ、それらの変質劣化具合を、恐ろしく開ききった瞳孔の眼で確認する者──
同乗する若干二名の魔族等が迷惑千万とするのに目もくれず、聖歌を高らかに合唱し、七大女神達に篤く祈る三名の女神官位達──
豪奢なジャガードのシートにふんぞり返り、飽きもせず、ただただ葡萄酒を水のようにあおる者──
前述の、この高品位で壮麗なる車内という場をわきまえず、無遠慮かつ、いやさ、むしろ誇らしげに大剣を研いでは、一級品の絨毯に砥石の粉を撒く女戦士の顔面(ツラ)に向かって、女児のごとき身体を大きく振りかぶり、全力で雑巾を投げつける者──
等々、これらは適当に旅仲間らしく談笑したり、一部揉めたりしつつ、時折街道沿いに点在する、冒険者ギルド管理の仮宿場に所用などに留まりながらも、並みの馬力では考えられない速度で、ただひたすらに疾駆を続けた。
そうして、それらの筆頭であるドラクロワが、ウム、そろそろ熱い湯に浸かりたいぞと、そう、ぼやくかぼやかないかの頃合いで、遂に一行は大陸最南端のカイリに到着した。
そして、幽(かす)かな疲れも、消耗も、その片鱗すら見せぬ、巨大な四頭の不死黒馬(アンデッドホース)らと馬車が、ほぼ同時に完全な静物となって停止した。
すると、車両最後部、その殆(ほとん)ど地獄門のような、悪趣味全開なる馬車のドアの閂(かんぬき)が、その質量からはおよそ連想し難い様子で以(もっ)て、不気味に滑(ぬめ)るようにして自ら動き、大扉がまた無音で解錠された。
と、それを待ちかねていたような厳寒の雪風に載って、各々の鼻腔へと漂い寄せる一杯の潮の香りがあった。
ドラクロワ達は、その若干のヘドロ臭と、ワカメの吸い物とを想わせる薫りを堪能しつつ、この辺境漁師町の雪を踏んだのである──
「ウム、大陸の南ともなれば、それなりに、もう少し暖かいかとも思ったが、そうでもなかったな」
港らしい風情のある、堂々たる灯台や防波堤、また静かな水面に浮かんで停泊する、無数の大型漁船群の雪化粧を睨んだドラクロワが、例のごとく極めて淡々と言った。
「ひゃっ! ホントだ! 寒い寒いー!」
後続の、自らのビキニアーマーの身体を抱いたマリーナが、滑らかな肌も露(あらわ)な長い脚を内股にして喚いた。
「うん、最早温暖な南部地域は、かなり前に通過したからな。
ここは北の果てと同様、逆に寒くなるのは必定だ」
恐ろしく高い襟の戦闘ジャケットのシャンが、幽(かす)かな里帰り顔で説明した。
「あ! ホントですね! 見て見て! 雪ですよ雪! つ、冷たいですぅ!」
ソバカスの鼻の先で雪の粒を溶かしたユリアが、白い吐息を上げてはしゃいだ。
いつものお澄まし顔で闇色のタラップを降りるアンとビスも、雪で濡れた足下を気にしながら、見慣れぬ白銀景色に眼を細める。
「ウム、では一先ず、このカイリで一番の宿を探すか」
煌々(こうこう)たる銀月光を浴び、いよいよ冴え渡る闇の美貌のドラクロワが、大きな港街をグルリと取り囲む、見るからに堅固な魔物避けバリケード、その大門に白い顎をしゃくった。
だが、生憎と時刻は、まさに草木も眠る丑三(うしみ)つ時。
高い建築物や鉄塔等の各所にて、まるで明滅する蛍のように、いくつかの灯火が点(とも)ってはあるものの、シンと静まりかえった深更の町である。
故に無論、ドラクロワの所望する温泉宿も御多分に洩れず、とっくに寝静まっていると思われ、魔王の期待に色好い即答を返しそうにもなかった──
「うん、このカイリこそは、私の出身の隠れ里最寄りの町。
まぁなんだ、私からすれば、ここは慣れ親しんだ庭みたいなものだ。
マリーナがどこか具合を悪くする前に、早速めぼしい宿をあたって、心底気の毒だが、そこの番頭を叩き起こしてみせよう」
シャンが町並みと同様な東洋的美貌を上げ、皆を誘(いざな)うように、颯爽と自警団の屯所(とんしょ)である、見るからに物々しいセキュリティゲートへと歩み始めた。
そして、その頼もしいエスコートの言葉尻を乱暴に吹っ消すような、実(げ)にけたたましいマリーナのくしゃみが鳴り渡り、しんしんと雪を落とす冬空に高く木霊した。
だが、仲間たちも慣れたもので──
「寒いなら、何か着れば?」
と今更に、あえて口にする者などなく、一行は屋根のある場所を求めて、ただ足早に雪道を進むのみだった。
「んー? あーんだあ? まあったく、こんな時刻に冒険者か…………。
んほっ! そ、そ、そりゃ、まさか、あの大陸王様が交付したとかっつう、あの勇者認定証の青星か!?
っはぁー。んじゃ、アンタ方、正真正銘、あの光の勇者様だか!!?
お、おーい! こりゃてぇへんだ!! 寝惚けてねぇでこっちさこい!! おうい! おーいってばよ!!
ふひゃあッ! こらたまげた! こりゃまたとんでもねえ破廉恥、あいや、ご立派な女戦士様の御開帳じゃあ!!
あ、ありがたやありがたや! っておい! お前も早うこっちさ来て、手え合わせてから拝まんか!!」
といった、最早どの町でも聞き慣れたといってもよい、一連の常套句などを聞き流しながら、短期在留手続き等を済ませる勇者団であった。
そして、そこからあまり時をおかずして、シャンの合目的な案内により導かれた旅籠とは、豪奢な三階建てで、どこか巨大施設を想わせるような木造の合掌造りの宿であり、確かに、そこの一階の水平煙筒からは、なにやら硫黄臭い湯気が白々と吹いてあった。
「ウム。苦しゅうない」
ご満悦のドラクロワが、ちっとも白くない吐息の声でシャンを誉め、ピンッとプラチナ硬貨を弾いて投げた。
こうして、また例のごとく、まったく金に糸目を付けぬ光の勇者団は、この「海竜亭」の極上の部屋を借り、そこに手荷物等を適当に投げ込んでから、和気藹々と大浴場へ駆け、久方ぶりの湯船での湯浴みを満喫するのだった。
そうして、そこらかまた一晩が明け、皆は早朝に一階の大食堂へと招かれた。
と、朱塗りの調度品群が特徴的なそこの空間には、既に大陸各地より集まった、この町が誇る、格別なる一級の海産物のご馳走目当ての宿泊客らが群れており、豪勢で賑やかな朝食の風景があった。
その金持ち客等の殆どは、宿貸し出しの恐ろしくきらびやかな寝間着のままであり、揉み手で指紋が消えそうな宿の番頭から、最奥の特別席に通されるドラクロワが着込んだ、荒れる炎を固めて黒くしたような鰭(ひれ)の立つ、禍々しい暗黒鎧に、一瞬ギョッとしては、仲間内でヒソヒソと陰口をもらすのだった。
「フフフ。マリーナ、そんなに焦って頬張らなくとも、その蟹も海老も一度料理になっているからには、何処へも逃げたりはしないぞ」
シャンは、右手に握った二本の木の棒を器用に駆使し、魚の乾物焼きを丹念に解体しつつ、素手で海産物を引っ掴んでは、バリバリと殻ごと貪り食らうマリーナに微笑んだ。
「はぁ、この無駄乳ときたら、何処へ行っても見苦しい無作法、低俗振りを曝(さら)しおってからに。
一緒におるこっちが恥ずかしゅうなるわ。
まったく、こんな風に育てた親の顔が見てみたいわい、あ、見たか」
カミラーもマリーナの行儀の悪さにほとほと呆れ果て、その父親の無骨な丸坊主頭を想起しては、女児のように小さな肩を竦(すく)めた。
「ホント、いつもながらマリーナさんの旺盛な食欲には驚かされますよね。
あ、あの、それよりシャンさん──」
ちんまりとした手で、蜂蜜の煌めくホットケーキを切っていたユリアが、サッと用向きを変えるようにシャンへと向き直った。
「うん、なんだ? あぁ、私の故郷の隠れ里に皆を招待することは出来ん、といった、あの件か?」
隣席で激しく噎(む)せるマリーナにエールジョッキを手渡してやるシャンが、先日の馬車内での話の続きだな、と察してから返す。
「はい。そ、そうです! あのー、とーっても不躾だとは思いますが、その、折角こうして大陸の最南端まで来たのに、伝説の銀狼さん達の隠れ里をこの目で見れないというのが、やっぱり、どーしても残念で……」
この生真面目なユリアとしては、一応、仲間の抱える特殊な事情に無理強いをしてまで、己の狂おしき好奇心、探究心が充たされるのを優先すべきではない、と頭では理解している。
だが、数千年前に滅んだとされる、この星最強のライカンスロープと位置づけられた、幻の銀狼一族。
それが少数ではあるが、実は現存しており、尚且つ、それらが闊歩するという隠れ里がこの近場にあるともなれば、これはもう意地でもそこを見てみたい、いや、この眼で確(しか)と見届けるまでは、もう死んでも死にきれない、といった強烈なる渇望的欲求には、どうにも抗い難きモノがあった、とか。
「うん。この短くない旅で、お前の烈(はげ)しき珍品趣味の性情、重々分かってはいるつもりだ。
だが、な──」
また連れないことを言ってすまぬ、と語尾を濁すシャンとて、無論つむじ曲がりでも、あえて勿体をつけている訳でもないのだ。
「フン、またぞろ、あのカビの生えた"暗黒戦役"を持ち出そうてか。
あれは、このわらわの父が当主であった時代までで、とうに終わった話じゃと、そう言うたであろうが」
陶磁器のごとき白き額に、キッと縦の皺を走らせたカミラーが、つい煙たがるような語気で言い放った。
この「暗黒戦役」とは、一般に、血筋の元を辿れば同じ始祖に行き着くとされる、ウルフマンとバンパイアという、二つの種族間における、まさに血で血を洗うような古(いにしえ)からの大敵対関係を指す。
だが、カミラーの主張通り、数千年前、バンパイア一族により、ウルフマン、またその原始的血統種とされる、幻の銀狼一族の最後の一人が滅ぼされたことを以て、辛くも勝利した側のバンパイア氏族より、魔界全土から大陸の魔族層に至るまで、乱は永劫に終結されたと、あまねく公布をされた歴史がある。
しかし、今、此処(ここ)に居る、歴(れっき)とした銀狼一族のシャン、またそれらの隠れ里が存在する、ともなれば、無論、ウルフマンの「殲滅(せんめつ)」という、乱の終結の根拠は破綻したことになる──
のだが、そのバンパイア貴族の最大の長たる、大公爵カミラーが「とうに終わった話」と位置付ける限り、今更に「暗黒戦役」が再燃されることは考え難い。
だが無論、このカミラーの公の見解と、歴史的な乱に敗北を喫し、まさに落人(おちうど)となった銀狼の一族が、大仇敵である、憎さも憎しバンパイア一族に遺恨を残しているかどうかはまったくの別問題だ。
しかも、よりにもよって、バンパイア貴族の現当主ラヴド=カミラーその人が、惨めな戦敗者らが隠遁する銀狼の隠れ里に堂々と来訪して分け入る、ともなれば、これはこれは、こんな何もない里までよういらっしゃった、ささ、まぁお茶でもどうぞ、とはならないのである。
「ウンウン。まーまーユリア、アンタがシャンの実家を一回くらいは見ときたい、ってーのは、このアタシも同(おんな)じさ、その気持ち、よーく分かるよ(解ってない)。
でもね、どこの誰でもさ、他人ン家(ち)にゃー、他人ン家のジジョーてのがあんだよ。
そーそー、このアタシの育った家だって、どーだ!って、ミンナにいばって見せられるよーな、ゴリッパなゴーテーなんかじゃないしねー。
アッハ! ウンウン、分かる分かる(解ってない)」
と、腕を組んで分別顔で頷(うなず)くマリーナだったが、無論、誰も耳を貸す者はいない。
さて、この一連のやり取りを、露骨につまらなさそうに静観していたドラクロワだったが、既に移動中に出た一応の結論である──
「ならば、禍根の元となりそうな、このカミラーだけはカイリに残し、お前達だけで勝手に出向いて、好きなだけ見物でもなんでもしてくればよかろうが。
ウム、この俺も、多少珍しいだけのライカンの巣穴などどうでもよいから、町で適当に待つ」
という"別行動案"を再度発しようとした。
尤(もっと)も、移動中の馬車内では、この提案はユリアから即座に反対をされ、既に却下をされてはいた。
曰く──
「あえ? あの、カミラーさんはそれで良いんですか?
まぁドラクロワさんがそう言うなら、そうしてもいいかも、ですね。
あー、でもでも、えーと、その、今までの経験からしてですね、何かの理由で私達が別行動をとった結果、大体いつも決まりきったように難事件に巻き込まれてるよーな気がするんですよねー、はい。
うーん、だから、やっぱりちょーっと別行動は避けたいんですよね……」
といった先日のやり取りを思い出したドラクロワは、空の葡萄酒瓶をテーブルに、カンと置いて、ただ
「なら、ライカンの巣穴見物など、きっぱり諦めろ」
と、もう知らん、とばかりに小さく呟(つぶや)いただけだった。
「うん。確かに、私の里では、あの闇の戦役やバンパイアについては、話すことさえ禁忌だったからな。
あぁ、それと、もうひとつ……」
と、さも意味あり気に口ごもるシャン。
「はえ? な、なんですか、そのもうひとつって?」
「うん。その私の里なのだが、さて、なんと表現すべきか──
うん、ああ、そこはだな、ある意味まともな社会通念、いや基本的な常識に類するモノが大いに欠落しているところでな。
無論、それでいて、傍若無人、悪逆非道が横行する場所でもないんだが。
まぁなんだ、兎に角なんでもかんでも、ただただ"強いかどうか"を最大の価値基準とする気風があってな。
うん、なにをもっても、例えば毒物から始まり、武器、武具の類から格闘の武力、人の内奥(ないおう)にある意志の力、果ては服飾から玩具、一般的な調理用品にいたるまで、まず強いかどうかがすべてであり、殆どそれだけを崇敬の基準としている。
特に、里の若い奴等ときたら節操がなくてな、極端に幼稚というか、浅はかといおうか、なんと、あの魔王でさえ尊崇の対象とする者も少なくないのだ。
だから、この傑物大器のドラクロワなどが、一度(ひとたび)その爪を隠さず、本来の屈強さを露(あらわ)にしたならば、まず驚嘆してからの狂喜乱舞、その挙げ句に、それにあやかるべく、昼夜を問わず崇め奉(たてまつ)らんと、大挙して押し寄せることは間違いないだろうな。
となれば、隠れ里はいきおい乱れ、まさに騒然としてしまい、その秘匿の特異性すら危うくなるだろう。それは私も困る。
し──そうなれば、ユリアの望むところの里の物見など、到底まともには出来なくなる、ということだ」
所謂(いわゆる)、正攻法などというモノには一切拘らず、卑怯、高潔にも縛られない、極端な結果主義で、ただただ強(したた)かに生きるアサシンの里で育ったシャンは、呆れ顔で新事実を吐露した。
無論、これに聞き及んだドラクロワは、覚醒の極みとばかりに、カッと開眼して、すっくと席から屹立した。
「あえ? 急にどうしたんですか? ドラクロワさん……」
不意を突かれたようなユリアが、ついポカンとし、見上げて言った。
「ん戯(たわ)けーい! どうしたもこうしたもあるか。
俺達、光の勇者団のシャンが生まれ故郷、それが直ぐ近場にあると聞いておいて、団の筆頭たるこの俺が、あのぅ、なにか込み入った事情があるみたいなので、誠に残念ですが、挨拶はまたの機会にしておきますねーと、無作法にも素通りなど出来ると思うか!」
と、まさしく手のひらを返すとはこのこと、とばかりに、一気に捲(まく)し立てたドラクロワだった。
無論この論及に、私、魔王様の行かれるところなら、どんな地の果てまでも随伴致します、といった、すがるような哀願の眼で見上げるカミラーに気付いたドラクロワは、まぁ一応、拍手喝采の先導約も身内に確保しておくか、として、幽(かす)かに首肯した。
「ウム、心配せんでも、このカミラーのことなら、まぁなんだ、例の桃色兜か頭巾でも引っ被らせてから、隅っこで静かに、独りあやとりでもなんでもさせておればよいわ。
まぁ、あえて問う者でもあれば、この極度の成長障害、あいや童女ですか? はぁ、その辺で拾ってきた不憫な孤児でして、今は勇者団のお茶汲み禿(かむろ)として召し抱えてやっております。
生来救いようのない陰気にして、面相に酷い創(キズ)があって内気なので、あんまり構わんでやってください、とか何とか言っておけばどうにでもなろうが。
ウム。では貴様ら、馬鹿面で俺の顔を眺めるのに飽きたなら、直ぐに出立の準備をせい!」
と、最近のシリアス展開に飽き飽きしていたドラクロワと作者が、今、決然と奮い起ったのである。
こうして、ドラクロワの鶴の一声にて総意が定まり、本音としては、銀狼の隠れ里に興味津々だった皆が、「賛成!」と喝采をあげる中、只独り、シャンだけは額をおさえて俯(うつむ)いていたという。
その悪夢に出てきそうな、完全に"悪い意味"で荘重なる四頭立ての暗黒馬車は、程近い南部最大の軍事拠点ブルカノンを、まるで嫌忌するかのようにして素通りし、一路、大陸最南端の港街"カイリ"を目指す。
例のごとく、こちら側の我々の世界にてよく知る、あの鉄道の一車両に酷似した造りの馬車内では、到着まで各々が思い思いの優雅な時を過ごすこととなる。
つまり──
騎兵を馬ごと斬り伏せそうなほどに巨大な剣をひたすら研磨し、それに砥石(とぎいし)の粉と油とを混ぜたものを丹念に塗布する者──
誰がどう見ても、光の勇者の英雄然とした装備とはかけ離れた、剣呑極まりない暗器の群、また猛毒薬の小瓶をテーブルに並べ、それらの変質劣化具合を、恐ろしく開ききった瞳孔の眼で確認する者──
同乗する若干二名の魔族等が迷惑千万とするのに目もくれず、聖歌を高らかに合唱し、七大女神達に篤く祈る三名の女神官位達──
豪奢なジャガードのシートにふんぞり返り、飽きもせず、ただただ葡萄酒を水のようにあおる者──
前述の、この高品位で壮麗なる車内という場をわきまえず、無遠慮かつ、いやさ、むしろ誇らしげに大剣を研いでは、一級品の絨毯に砥石の粉を撒く女戦士の顔面(ツラ)に向かって、女児のごとき身体を大きく振りかぶり、全力で雑巾を投げつける者──
等々、これらは適当に旅仲間らしく談笑したり、一部揉めたりしつつ、時折街道沿いに点在する、冒険者ギルド管理の仮宿場に所用などに留まりながらも、並みの馬力では考えられない速度で、ただひたすらに疾駆を続けた。
そうして、それらの筆頭であるドラクロワが、ウム、そろそろ熱い湯に浸かりたいぞと、そう、ぼやくかぼやかないかの頃合いで、遂に一行は大陸最南端のカイリに到着した。
そして、幽(かす)かな疲れも、消耗も、その片鱗すら見せぬ、巨大な四頭の不死黒馬(アンデッドホース)らと馬車が、ほぼ同時に完全な静物となって停止した。
すると、車両最後部、その殆(ほとん)ど地獄門のような、悪趣味全開なる馬車のドアの閂(かんぬき)が、その質量からはおよそ連想し難い様子で以(もっ)て、不気味に滑(ぬめ)るようにして自ら動き、大扉がまた無音で解錠された。
と、それを待ちかねていたような厳寒の雪風に載って、各々の鼻腔へと漂い寄せる一杯の潮の香りがあった。
ドラクロワ達は、その若干のヘドロ臭と、ワカメの吸い物とを想わせる薫りを堪能しつつ、この辺境漁師町の雪を踏んだのである──
「ウム、大陸の南ともなれば、それなりに、もう少し暖かいかとも思ったが、そうでもなかったな」
港らしい風情のある、堂々たる灯台や防波堤、また静かな水面に浮かんで停泊する、無数の大型漁船群の雪化粧を睨んだドラクロワが、例のごとく極めて淡々と言った。
「ひゃっ! ホントだ! 寒い寒いー!」
後続の、自らのビキニアーマーの身体を抱いたマリーナが、滑らかな肌も露(あらわ)な長い脚を内股にして喚いた。
「うん、最早温暖な南部地域は、かなり前に通過したからな。
ここは北の果てと同様、逆に寒くなるのは必定だ」
恐ろしく高い襟の戦闘ジャケットのシャンが、幽(かす)かな里帰り顔で説明した。
「あ! ホントですね! 見て見て! 雪ですよ雪! つ、冷たいですぅ!」
ソバカスの鼻の先で雪の粒を溶かしたユリアが、白い吐息を上げてはしゃいだ。
いつものお澄まし顔で闇色のタラップを降りるアンとビスも、雪で濡れた足下を気にしながら、見慣れぬ白銀景色に眼を細める。
「ウム、では一先ず、このカイリで一番の宿を探すか」
煌々(こうこう)たる銀月光を浴び、いよいよ冴え渡る闇の美貌のドラクロワが、大きな港街をグルリと取り囲む、見るからに堅固な魔物避けバリケード、その大門に白い顎をしゃくった。
だが、生憎と時刻は、まさに草木も眠る丑三(うしみ)つ時。
高い建築物や鉄塔等の各所にて、まるで明滅する蛍のように、いくつかの灯火が点(とも)ってはあるものの、シンと静まりかえった深更の町である。
故に無論、ドラクロワの所望する温泉宿も御多分に洩れず、とっくに寝静まっていると思われ、魔王の期待に色好い即答を返しそうにもなかった──
「うん、このカイリこそは、私の出身の隠れ里最寄りの町。
まぁなんだ、私からすれば、ここは慣れ親しんだ庭みたいなものだ。
マリーナがどこか具合を悪くする前に、早速めぼしい宿をあたって、心底気の毒だが、そこの番頭を叩き起こしてみせよう」
シャンが町並みと同様な東洋的美貌を上げ、皆を誘(いざな)うように、颯爽と自警団の屯所(とんしょ)である、見るからに物々しいセキュリティゲートへと歩み始めた。
そして、その頼もしいエスコートの言葉尻を乱暴に吹っ消すような、実(げ)にけたたましいマリーナのくしゃみが鳴り渡り、しんしんと雪を落とす冬空に高く木霊した。
だが、仲間たちも慣れたもので──
「寒いなら、何か着れば?」
と今更に、あえて口にする者などなく、一行は屋根のある場所を求めて、ただ足早に雪道を進むのみだった。
「んー? あーんだあ? まあったく、こんな時刻に冒険者か…………。
んほっ! そ、そ、そりゃ、まさか、あの大陸王様が交付したとかっつう、あの勇者認定証の青星か!?
っはぁー。んじゃ、アンタ方、正真正銘、あの光の勇者様だか!!?
お、おーい! こりゃてぇへんだ!! 寝惚けてねぇでこっちさこい!! おうい! おーいってばよ!!
ふひゃあッ! こらたまげた! こりゃまたとんでもねえ破廉恥、あいや、ご立派な女戦士様の御開帳じゃあ!!
あ、ありがたやありがたや! っておい! お前も早うこっちさ来て、手え合わせてから拝まんか!!」
といった、最早どの町でも聞き慣れたといってもよい、一連の常套句などを聞き流しながら、短期在留手続き等を済ませる勇者団であった。
そして、そこからあまり時をおかずして、シャンの合目的な案内により導かれた旅籠とは、豪奢な三階建てで、どこか巨大施設を想わせるような木造の合掌造りの宿であり、確かに、そこの一階の水平煙筒からは、なにやら硫黄臭い湯気が白々と吹いてあった。
「ウム。苦しゅうない」
ご満悦のドラクロワが、ちっとも白くない吐息の声でシャンを誉め、ピンッとプラチナ硬貨を弾いて投げた。
こうして、また例のごとく、まったく金に糸目を付けぬ光の勇者団は、この「海竜亭」の極上の部屋を借り、そこに手荷物等を適当に投げ込んでから、和気藹々と大浴場へ駆け、久方ぶりの湯船での湯浴みを満喫するのだった。
そうして、そこらかまた一晩が明け、皆は早朝に一階の大食堂へと招かれた。
と、朱塗りの調度品群が特徴的なそこの空間には、既に大陸各地より集まった、この町が誇る、格別なる一級の海産物のご馳走目当ての宿泊客らが群れており、豪勢で賑やかな朝食の風景があった。
その金持ち客等の殆どは、宿貸し出しの恐ろしくきらびやかな寝間着のままであり、揉み手で指紋が消えそうな宿の番頭から、最奥の特別席に通されるドラクロワが着込んだ、荒れる炎を固めて黒くしたような鰭(ひれ)の立つ、禍々しい暗黒鎧に、一瞬ギョッとしては、仲間内でヒソヒソと陰口をもらすのだった。
「フフフ。マリーナ、そんなに焦って頬張らなくとも、その蟹も海老も一度料理になっているからには、何処へも逃げたりはしないぞ」
シャンは、右手に握った二本の木の棒を器用に駆使し、魚の乾物焼きを丹念に解体しつつ、素手で海産物を引っ掴んでは、バリバリと殻ごと貪り食らうマリーナに微笑んだ。
「はぁ、この無駄乳ときたら、何処へ行っても見苦しい無作法、低俗振りを曝(さら)しおってからに。
一緒におるこっちが恥ずかしゅうなるわ。
まったく、こんな風に育てた親の顔が見てみたいわい、あ、見たか」
カミラーもマリーナの行儀の悪さにほとほと呆れ果て、その父親の無骨な丸坊主頭を想起しては、女児のように小さな肩を竦(すく)めた。
「ホント、いつもながらマリーナさんの旺盛な食欲には驚かされますよね。
あ、あの、それよりシャンさん──」
ちんまりとした手で、蜂蜜の煌めくホットケーキを切っていたユリアが、サッと用向きを変えるようにシャンへと向き直った。
「うん、なんだ? あぁ、私の故郷の隠れ里に皆を招待することは出来ん、といった、あの件か?」
隣席で激しく噎(む)せるマリーナにエールジョッキを手渡してやるシャンが、先日の馬車内での話の続きだな、と察してから返す。
「はい。そ、そうです! あのー、とーっても不躾だとは思いますが、その、折角こうして大陸の最南端まで来たのに、伝説の銀狼さん達の隠れ里をこの目で見れないというのが、やっぱり、どーしても残念で……」
この生真面目なユリアとしては、一応、仲間の抱える特殊な事情に無理強いをしてまで、己の狂おしき好奇心、探究心が充たされるのを優先すべきではない、と頭では理解している。
だが、数千年前に滅んだとされる、この星最強のライカンスロープと位置づけられた、幻の銀狼一族。
それが少数ではあるが、実は現存しており、尚且つ、それらが闊歩するという隠れ里がこの近場にあるともなれば、これはもう意地でもそこを見てみたい、いや、この眼で確(しか)と見届けるまでは、もう死んでも死にきれない、といった強烈なる渇望的欲求には、どうにも抗い難きモノがあった、とか。
「うん。この短くない旅で、お前の烈(はげ)しき珍品趣味の性情、重々分かってはいるつもりだ。
だが、な──」
また連れないことを言ってすまぬ、と語尾を濁すシャンとて、無論つむじ曲がりでも、あえて勿体をつけている訳でもないのだ。
「フン、またぞろ、あのカビの生えた"暗黒戦役"を持ち出そうてか。
あれは、このわらわの父が当主であった時代までで、とうに終わった話じゃと、そう言うたであろうが」
陶磁器のごとき白き額に、キッと縦の皺を走らせたカミラーが、つい煙たがるような語気で言い放った。
この「暗黒戦役」とは、一般に、血筋の元を辿れば同じ始祖に行き着くとされる、ウルフマンとバンパイアという、二つの種族間における、まさに血で血を洗うような古(いにしえ)からの大敵対関係を指す。
だが、カミラーの主張通り、数千年前、バンパイア一族により、ウルフマン、またその原始的血統種とされる、幻の銀狼一族の最後の一人が滅ぼされたことを以て、辛くも勝利した側のバンパイア氏族より、魔界全土から大陸の魔族層に至るまで、乱は永劫に終結されたと、あまねく公布をされた歴史がある。
しかし、今、此処(ここ)に居る、歴(れっき)とした銀狼一族のシャン、またそれらの隠れ里が存在する、ともなれば、無論、ウルフマンの「殲滅(せんめつ)」という、乱の終結の根拠は破綻したことになる──
のだが、そのバンパイア貴族の最大の長たる、大公爵カミラーが「とうに終わった話」と位置付ける限り、今更に「暗黒戦役」が再燃されることは考え難い。
だが無論、このカミラーの公の見解と、歴史的な乱に敗北を喫し、まさに落人(おちうど)となった銀狼の一族が、大仇敵である、憎さも憎しバンパイア一族に遺恨を残しているかどうかはまったくの別問題だ。
しかも、よりにもよって、バンパイア貴族の現当主ラヴド=カミラーその人が、惨めな戦敗者らが隠遁する銀狼の隠れ里に堂々と来訪して分け入る、ともなれば、これはこれは、こんな何もない里までよういらっしゃった、ささ、まぁお茶でもどうぞ、とはならないのである。
「ウンウン。まーまーユリア、アンタがシャンの実家を一回くらいは見ときたい、ってーのは、このアタシも同(おんな)じさ、その気持ち、よーく分かるよ(解ってない)。
でもね、どこの誰でもさ、他人ン家(ち)にゃー、他人ン家のジジョーてのがあんだよ。
そーそー、このアタシの育った家だって、どーだ!って、ミンナにいばって見せられるよーな、ゴリッパなゴーテーなんかじゃないしねー。
アッハ! ウンウン、分かる分かる(解ってない)」
と、腕を組んで分別顔で頷(うなず)くマリーナだったが、無論、誰も耳を貸す者はいない。
さて、この一連のやり取りを、露骨につまらなさそうに静観していたドラクロワだったが、既に移動中に出た一応の結論である──
「ならば、禍根の元となりそうな、このカミラーだけはカイリに残し、お前達だけで勝手に出向いて、好きなだけ見物でもなんでもしてくればよかろうが。
ウム、この俺も、多少珍しいだけのライカンの巣穴などどうでもよいから、町で適当に待つ」
という"別行動案"を再度発しようとした。
尤(もっと)も、移動中の馬車内では、この提案はユリアから即座に反対をされ、既に却下をされてはいた。
曰く──
「あえ? あの、カミラーさんはそれで良いんですか?
まぁドラクロワさんがそう言うなら、そうしてもいいかも、ですね。
あー、でもでも、えーと、その、今までの経験からしてですね、何かの理由で私達が別行動をとった結果、大体いつも決まりきったように難事件に巻き込まれてるよーな気がするんですよねー、はい。
うーん、だから、やっぱりちょーっと別行動は避けたいんですよね……」
といった先日のやり取りを思い出したドラクロワは、空の葡萄酒瓶をテーブルに、カンと置いて、ただ
「なら、ライカンの巣穴見物など、きっぱり諦めろ」
と、もう知らん、とばかりに小さく呟(つぶや)いただけだった。
「うん。確かに、私の里では、あの闇の戦役やバンパイアについては、話すことさえ禁忌だったからな。
あぁ、それと、もうひとつ……」
と、さも意味あり気に口ごもるシャン。
「はえ? な、なんですか、そのもうひとつって?」
「うん。その私の里なのだが、さて、なんと表現すべきか──
うん、ああ、そこはだな、ある意味まともな社会通念、いや基本的な常識に類するモノが大いに欠落しているところでな。
無論、それでいて、傍若無人、悪逆非道が横行する場所でもないんだが。
まぁなんだ、兎に角なんでもかんでも、ただただ"強いかどうか"を最大の価値基準とする気風があってな。
うん、なにをもっても、例えば毒物から始まり、武器、武具の類から格闘の武力、人の内奥(ないおう)にある意志の力、果ては服飾から玩具、一般的な調理用品にいたるまで、まず強いかどうかがすべてであり、殆どそれだけを崇敬の基準としている。
特に、里の若い奴等ときたら節操がなくてな、極端に幼稚というか、浅はかといおうか、なんと、あの魔王でさえ尊崇の対象とする者も少なくないのだ。
だから、この傑物大器のドラクロワなどが、一度(ひとたび)その爪を隠さず、本来の屈強さを露(あらわ)にしたならば、まず驚嘆してからの狂喜乱舞、その挙げ句に、それにあやかるべく、昼夜を問わず崇め奉(たてまつ)らんと、大挙して押し寄せることは間違いないだろうな。
となれば、隠れ里はいきおい乱れ、まさに騒然としてしまい、その秘匿の特異性すら危うくなるだろう。それは私も困る。
し──そうなれば、ユリアの望むところの里の物見など、到底まともには出来なくなる、ということだ」
所謂(いわゆる)、正攻法などというモノには一切拘らず、卑怯、高潔にも縛られない、極端な結果主義で、ただただ強(したた)かに生きるアサシンの里で育ったシャンは、呆れ顔で新事実を吐露した。
無論、これに聞き及んだドラクロワは、覚醒の極みとばかりに、カッと開眼して、すっくと席から屹立した。
「あえ? 急にどうしたんですか? ドラクロワさん……」
不意を突かれたようなユリアが、ついポカンとし、見上げて言った。
「ん戯(たわ)けーい! どうしたもこうしたもあるか。
俺達、光の勇者団のシャンが生まれ故郷、それが直ぐ近場にあると聞いておいて、団の筆頭たるこの俺が、あのぅ、なにか込み入った事情があるみたいなので、誠に残念ですが、挨拶はまたの機会にしておきますねーと、無作法にも素通りなど出来ると思うか!」
と、まさしく手のひらを返すとはこのこと、とばかりに、一気に捲(まく)し立てたドラクロワだった。
無論この論及に、私、魔王様の行かれるところなら、どんな地の果てまでも随伴致します、といった、すがるような哀願の眼で見上げるカミラーに気付いたドラクロワは、まぁ一応、拍手喝采の先導約も身内に確保しておくか、として、幽(かす)かに首肯した。
「ウム、心配せんでも、このカミラーのことなら、まぁなんだ、例の桃色兜か頭巾でも引っ被らせてから、隅っこで静かに、独りあやとりでもなんでもさせておればよいわ。
まぁ、あえて問う者でもあれば、この極度の成長障害、あいや童女ですか? はぁ、その辺で拾ってきた不憫な孤児でして、今は勇者団のお茶汲み禿(かむろ)として召し抱えてやっております。
生来救いようのない陰気にして、面相に酷い創(キズ)があって内気なので、あんまり構わんでやってください、とか何とか言っておけばどうにでもなろうが。
ウム。では貴様ら、馬鹿面で俺の顔を眺めるのに飽きたなら、直ぐに出立の準備をせい!」
と、最近のシリアス展開に飽き飽きしていたドラクロワと作者が、今、決然と奮い起ったのである。
こうして、ドラクロワの鶴の一声にて総意が定まり、本音としては、銀狼の隠れ里に興味津々だった皆が、「賛成!」と喝采をあげる中、只独り、シャンだけは額をおさえて俯(うつむ)いていたという。
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