11 / 30
第11話 家族への効果
しおりを挟む
フリージアは屋敷へ戻ると、そのままピアノの練習室へと向かう。
ファビウスとの過ごした時間が楽しかったので、その余韻をもう少し1人で味わっていたかったのだ。
ピアノの前に座ると同時に、簡単なワルツを弾く。
願う理由も相手もいないので、能力を使わずに、ただピアノを弾きながらワルツのメロディーを口ずさむ。
「ラララン~ラーラーラー」
「ずいぶんご機嫌ね、フリージア」
練習室の壁によりかかるようにして、ダリアが立っていた。
「ダリア、いつからいたの…。気がつかなかったわ」
「少し前よ。ピアノに夢中だったものね」
ダリアはゆっくりとフリージアの方に近寄ると、ピアノに手を置きフリージアを見る。
「何かいいことでもあったの?」
いつものダリアとは違い、ピリピリしているような、言葉の端々に何か含みを感じる。
それに、フリージアに向けられた視線も心なしか冷たく感じる。
「特にないわよ…どうして?」
今のダリアに正直に話すべきではないかも、と思ったフリージアは言うのをやめておいた。
「街で何かいいことでもあった?」
「どうして、街に行ったことを…」
「知っているのか?セバスチャンに聞いたのよ。今朝、朝食室で依頼を受けたウィン公爵の子供の誕生日会の件で話したいことがあるって、フリージア言ってたじゃない。急遽マリア夫人の所へ行くことになったから話せなかったし、帰ってきたら疲れてるからフリージア休んだじゃない?眠りから覚めたら、改めてウィン公爵の件で話を聞こうと思って、部屋を尋ねたのにいないんだもの。セバスチャンはあまり言いたくなさそうだったけど、しつこく問い詰めたらフリージアが街に出て行ったことを教えてくれたわ」
(セバスチャン、すぐには話そうとしたかったのね)
フリージアは、セバスチャンに申し訳ない気持ちと感謝の気持ちと半々になる。
「ねぇ、フリージア、街で何してたの?」
「お店を見たりしていただけよ…なぜ?」
「なぜ、って、フリージアからウィン公爵の件で話があるって言ってきたのに、それより優先させるほどに、街で何か楽しみなことがあったのでしょう?しかもウィン公爵の依頼は急に今週末にって入った話で、本番まで時間がないのに。よっぽどのことでしょ?」
「ごめんなさい、そうだったわね…私から話を振っておいて悪かったわ、ごめんね」
「別にいいわ」
「そしたらダリア、当日ウィン公爵家で弾く曲を教えるから、夕食までにまだ時間があるし今から練習しない…?」
「えぇ、いいわよ」
(なんだか最近はダリアとの仲が、うまくいかない日ばかりだわ…)
フリージアは養女としてシード公爵家に引き取られてから最近まで、ダリアとは一度も喧嘩をしたこともなく、周りからも評判なほどに仲の良い2人だった。
(いつから、こんな関係になってしまったんだっけ…)
フリージアは自分に向けられるダリアの態度に、本当は寂しかったし、以前の様な仲に戻りたかった。
「そしたらダリア、ウィン公爵の誕生会の件だけれど、訪ねてみたらちょっと複雑だったの。ウィン公爵は再婚されていて、今回の依頼はそのお相手との間で生まれた子供の誕生会なの。でもね、その子以外に、前妻との子もいるんだけれど、ウィン公爵としては後妻との子だけをお祝いをしたいみたいなの」
「あら、真の兄弟じゃないって、なんだか私とフリージアに似てるわね」
「……そうね。でも前妻との子、長男のクラウス様は次男のロード様を可愛がってらして、兄弟仲は良さそうだったわ。それでね、ウィン公爵は下の子の成長だけを願われていたんだけれど、当日はクラウス様ロード様2人に向けて願いたいなって」
「気持ちは分かるけど、でも、それってウィン公爵の依頼内容に反するんじゃない?フリージアの気持ちだけでそうしたいって、それって良くないんじゃかいかしら」
「やっぱりそうかな…」
「自分と重なって、ウィン公爵家の長男に同情でもしちゃった?」
「そういうわけじゃないんだけど。…ねぇダリア、最近なんだかちょっと言い方が意地悪よ…。私、何かあなたの気に触ることでもした?」
「そう?私はいつも通りのつもりだけど。フリージアが、ちょっと敏感になり過ぎてるだけじゃない?」
「前のダリアは、そんな嫌な言い方はしなかったわ。私が何かしたんだったら教えて。謝るから…」
「じゃあ言うわ。ウィン公爵が依頼しに来たとき、公爵は私じゃ話にならないって態度だったの。私だって自分の知識が乏しいのは分かってるけど、私だって精一杯頑張ってるの。それなのに…この前のお母様だって、マリア夫人のお礼をフリージアに向けて言ってたし、フリージアは1人でコソコソ街に行って何か楽しんでいて…!皆んな、私のことちゃんと見えてるの!?なんだか、まるで…私がフリージアのただのお飾りみたいじゃない!フリージアが私のゴースト役で、私がシード公爵家の真の娘なのよ!」
「ダリア…」
捲し立てるように話した後、涙を浮かべるダリア。
「私の能力のせいで、そこまでダリアを追い詰めてるとは思わなかったわ…気が付かなくてごめんね」
「…いいの…別に自分でも分かってるの…私は、フリージアの能力に嫉妬してるだけだって…」
「……」
「ねぇ、フリージア…お願いがあるの。今、私に演奏で願いの効果をかけてくれない?私は才能があって、家族からも愛されてるって」
「ダリア、何を…そんな願いをかけなくても、家族からは愛されているし、本番では音無しで弾いているけど、本来はピアノも上手だわ…!」
「ありがと、でも今は自信がないの。こんな状態じゃ、フリージアと今後うまく演奏できるか分からないわ…お願い」
「でもっ…、分かってると思うけど、効果は長くは続かないわよ、効果が解けたときに、また嫌な思いにとらわれたりするかもしれないし、それにお父様お母様に、あなたに効果をかけたことが知れたら、きっと激怒するわ…」
「いいの。今のこの気持ちのままじゃ、私フリージアと演奏を続けられないかもしれない。でも、依頼は入っているしそれをもし断れば、シード家の威厳に関わるわ…。だから、効果をかけて!それで、私の調子が良さそうなら私にウィン公爵の件を話してみて、お願い」
「…分かったわ…それじゃ、いくわよ…」
ダリアが頷うなずき目を閉じたのを見て、フリージアはピアノを弾き始める。
切ない旋律から鋭い音に変わっていき半音階ですすむその旋律は、フリージアの葛藤する今の気持ちを表しているようだった。
(才能豊かなダリア…これからも、家族から深く愛され続けますように…そして、自信を取り戻せますように…)
フリージアは、ダリアからの願いに加え、もう1つ願いを付け、願いをこめて演奏する。
フリージアの願いは音に込められ、ダリアへと届いていく。
通常どおり10分ほどで演奏を終えると、ダリアはそっと目を開けた。
「どうかしら…効果はかかってる感じする…?」
ぼーっと1点を見つめているダリアに、フリージアは恐る恐る尋ねる。
「効果がかかると、こんな感じになるのね…」
「変な感じ…?」
「…何言ってるのよっ…!!最、高よっ!!私、こんなに幸せで魅力溢れる存在なのに、さっきまでなんであんなにネガティブだったのかしら!?もうっ、あんなウジウジ泣いて私ったら、本当良くないわね!」
「気持ちが上向きになったのなら良かったわ。ダリア、ウィン公爵の件だけれど、約束通り、早速話すわね」
「もちろんっ!いいわっ!あなたの言う通りをなんでもきくわっ!」
テンション高めのダリアに、フリージアは大丈夫なのかと心配になる。
「そしたら、まず何の願いをかけるか、なんだけれど、兄弟2人が健やかに仲良く暮らして行けますように、あとは、家族全員が仲良く幸せでありますように。こうしようと思うんだけれど、どうかしら…?」
「いいんじゃない!素敵な願いっ!フリージアは本当優しいわねえ」
「…ねぇ、ダリア。本当に真剣にそう思ってる?さっきまで、私の考える願いに反対だったのに…、なんだか私がかけた効果のせいで、ちょっと興奮気味でなんでも良くなってるんじゃない?」
「何言ってるの、フリージア!私は大丈夫よ~」
ずっと笑顔のダリアに、フリージアはこの後の夕食の場がとてつもなく不安になる。
「ねぇ、ダリア。効果をかけたこと、お父様達には言った方がいいんじゃないかしら」
「だめっ!言ったら、きっと怒られるわ!」
「でも、その感じ…絶対不審に思われるわよ…」
「いいのっ!フリージアったら、ほんと心配性なんだからぁ」
コンコン
練習室のドアが叩かれた音がする。
「はーい。どなたかしらぁ?」
「セバスチャンでございます。ご夕食のご準備ができました」
「わかったわぁ、今から行くわぁ」
「そちらに、フリージア様もいらっしゃいますか?」
「いるわよぉ」
「お2人に、お伝えしたいことがございます。旦那様と奥様お2人とも、先ほどドレス専門店へ向かわれました。そのため、本日の夕食はお2人のみになります。それでは、食事室でお待ちしております」
セバスチャンが去った頃合いを見計らい、2人は喜びの声をあげ、安堵し笑顔になる。
「良かった~!!これで、問題なくなったわね!」
「でもなんでこんな遅い時間に、急にドレス専門店に行ったのかしら??」
フリージアとダリアは顔を見合わせる。
ファビウスとの過ごした時間が楽しかったので、その余韻をもう少し1人で味わっていたかったのだ。
ピアノの前に座ると同時に、簡単なワルツを弾く。
願う理由も相手もいないので、能力を使わずに、ただピアノを弾きながらワルツのメロディーを口ずさむ。
「ラララン~ラーラーラー」
「ずいぶんご機嫌ね、フリージア」
練習室の壁によりかかるようにして、ダリアが立っていた。
「ダリア、いつからいたの…。気がつかなかったわ」
「少し前よ。ピアノに夢中だったものね」
ダリアはゆっくりとフリージアの方に近寄ると、ピアノに手を置きフリージアを見る。
「何かいいことでもあったの?」
いつものダリアとは違い、ピリピリしているような、言葉の端々に何か含みを感じる。
それに、フリージアに向けられた視線も心なしか冷たく感じる。
「特にないわよ…どうして?」
今のダリアに正直に話すべきではないかも、と思ったフリージアは言うのをやめておいた。
「街で何かいいことでもあった?」
「どうして、街に行ったことを…」
「知っているのか?セバスチャンに聞いたのよ。今朝、朝食室で依頼を受けたウィン公爵の子供の誕生日会の件で話したいことがあるって、フリージア言ってたじゃない。急遽マリア夫人の所へ行くことになったから話せなかったし、帰ってきたら疲れてるからフリージア休んだじゃない?眠りから覚めたら、改めてウィン公爵の件で話を聞こうと思って、部屋を尋ねたのにいないんだもの。セバスチャンはあまり言いたくなさそうだったけど、しつこく問い詰めたらフリージアが街に出て行ったことを教えてくれたわ」
(セバスチャン、すぐには話そうとしたかったのね)
フリージアは、セバスチャンに申し訳ない気持ちと感謝の気持ちと半々になる。
「ねぇ、フリージア、街で何してたの?」
「お店を見たりしていただけよ…なぜ?」
「なぜ、って、フリージアからウィン公爵の件で話があるって言ってきたのに、それより優先させるほどに、街で何か楽しみなことがあったのでしょう?しかもウィン公爵の依頼は急に今週末にって入った話で、本番まで時間がないのに。よっぽどのことでしょ?」
「ごめんなさい、そうだったわね…私から話を振っておいて悪かったわ、ごめんね」
「別にいいわ」
「そしたらダリア、当日ウィン公爵家で弾く曲を教えるから、夕食までにまだ時間があるし今から練習しない…?」
「えぇ、いいわよ」
(なんだか最近はダリアとの仲が、うまくいかない日ばかりだわ…)
フリージアは養女としてシード公爵家に引き取られてから最近まで、ダリアとは一度も喧嘩をしたこともなく、周りからも評判なほどに仲の良い2人だった。
(いつから、こんな関係になってしまったんだっけ…)
フリージアは自分に向けられるダリアの態度に、本当は寂しかったし、以前の様な仲に戻りたかった。
「そしたらダリア、ウィン公爵の誕生会の件だけれど、訪ねてみたらちょっと複雑だったの。ウィン公爵は再婚されていて、今回の依頼はそのお相手との間で生まれた子供の誕生会なの。でもね、その子以外に、前妻との子もいるんだけれど、ウィン公爵としては後妻との子だけをお祝いをしたいみたいなの」
「あら、真の兄弟じゃないって、なんだか私とフリージアに似てるわね」
「……そうね。でも前妻との子、長男のクラウス様は次男のロード様を可愛がってらして、兄弟仲は良さそうだったわ。それでね、ウィン公爵は下の子の成長だけを願われていたんだけれど、当日はクラウス様ロード様2人に向けて願いたいなって」
「気持ちは分かるけど、でも、それってウィン公爵の依頼内容に反するんじゃない?フリージアの気持ちだけでそうしたいって、それって良くないんじゃかいかしら」
「やっぱりそうかな…」
「自分と重なって、ウィン公爵家の長男に同情でもしちゃった?」
「そういうわけじゃないんだけど。…ねぇダリア、最近なんだかちょっと言い方が意地悪よ…。私、何かあなたの気に触ることでもした?」
「そう?私はいつも通りのつもりだけど。フリージアが、ちょっと敏感になり過ぎてるだけじゃない?」
「前のダリアは、そんな嫌な言い方はしなかったわ。私が何かしたんだったら教えて。謝るから…」
「じゃあ言うわ。ウィン公爵が依頼しに来たとき、公爵は私じゃ話にならないって態度だったの。私だって自分の知識が乏しいのは分かってるけど、私だって精一杯頑張ってるの。それなのに…この前のお母様だって、マリア夫人のお礼をフリージアに向けて言ってたし、フリージアは1人でコソコソ街に行って何か楽しんでいて…!皆んな、私のことちゃんと見えてるの!?なんだか、まるで…私がフリージアのただのお飾りみたいじゃない!フリージアが私のゴースト役で、私がシード公爵家の真の娘なのよ!」
「ダリア…」
捲し立てるように話した後、涙を浮かべるダリア。
「私の能力のせいで、そこまでダリアを追い詰めてるとは思わなかったわ…気が付かなくてごめんね」
「…いいの…別に自分でも分かってるの…私は、フリージアの能力に嫉妬してるだけだって…」
「……」
「ねぇ、フリージア…お願いがあるの。今、私に演奏で願いの効果をかけてくれない?私は才能があって、家族からも愛されてるって」
「ダリア、何を…そんな願いをかけなくても、家族からは愛されているし、本番では音無しで弾いているけど、本来はピアノも上手だわ…!」
「ありがと、でも今は自信がないの。こんな状態じゃ、フリージアと今後うまく演奏できるか分からないわ…お願い」
「でもっ…、分かってると思うけど、効果は長くは続かないわよ、効果が解けたときに、また嫌な思いにとらわれたりするかもしれないし、それにお父様お母様に、あなたに効果をかけたことが知れたら、きっと激怒するわ…」
「いいの。今のこの気持ちのままじゃ、私フリージアと演奏を続けられないかもしれない。でも、依頼は入っているしそれをもし断れば、シード家の威厳に関わるわ…。だから、効果をかけて!それで、私の調子が良さそうなら私にウィン公爵の件を話してみて、お願い」
「…分かったわ…それじゃ、いくわよ…」
ダリアが頷うなずき目を閉じたのを見て、フリージアはピアノを弾き始める。
切ない旋律から鋭い音に変わっていき半音階ですすむその旋律は、フリージアの葛藤する今の気持ちを表しているようだった。
(才能豊かなダリア…これからも、家族から深く愛され続けますように…そして、自信を取り戻せますように…)
フリージアは、ダリアからの願いに加え、もう1つ願いを付け、願いをこめて演奏する。
フリージアの願いは音に込められ、ダリアへと届いていく。
通常どおり10分ほどで演奏を終えると、ダリアはそっと目を開けた。
「どうかしら…効果はかかってる感じする…?」
ぼーっと1点を見つめているダリアに、フリージアは恐る恐る尋ねる。
「効果がかかると、こんな感じになるのね…」
「変な感じ…?」
「…何言ってるのよっ…!!最、高よっ!!私、こんなに幸せで魅力溢れる存在なのに、さっきまでなんであんなにネガティブだったのかしら!?もうっ、あんなウジウジ泣いて私ったら、本当良くないわね!」
「気持ちが上向きになったのなら良かったわ。ダリア、ウィン公爵の件だけれど、約束通り、早速話すわね」
「もちろんっ!いいわっ!あなたの言う通りをなんでもきくわっ!」
テンション高めのダリアに、フリージアは大丈夫なのかと心配になる。
「そしたら、まず何の願いをかけるか、なんだけれど、兄弟2人が健やかに仲良く暮らして行けますように、あとは、家族全員が仲良く幸せでありますように。こうしようと思うんだけれど、どうかしら…?」
「いいんじゃない!素敵な願いっ!フリージアは本当優しいわねえ」
「…ねぇ、ダリア。本当に真剣にそう思ってる?さっきまで、私の考える願いに反対だったのに…、なんだか私がかけた効果のせいで、ちょっと興奮気味でなんでも良くなってるんじゃない?」
「何言ってるの、フリージア!私は大丈夫よ~」
ずっと笑顔のダリアに、フリージアはこの後の夕食の場がとてつもなく不安になる。
「ねぇ、ダリア。効果をかけたこと、お父様達には言った方がいいんじゃないかしら」
「だめっ!言ったら、きっと怒られるわ!」
「でも、その感じ…絶対不審に思われるわよ…」
「いいのっ!フリージアったら、ほんと心配性なんだからぁ」
コンコン
練習室のドアが叩かれた音がする。
「はーい。どなたかしらぁ?」
「セバスチャンでございます。ご夕食のご準備ができました」
「わかったわぁ、今から行くわぁ」
「そちらに、フリージア様もいらっしゃいますか?」
「いるわよぉ」
「お2人に、お伝えしたいことがございます。旦那様と奥様お2人とも、先ほどドレス専門店へ向かわれました。そのため、本日の夕食はお2人のみになります。それでは、食事室でお待ちしております」
セバスチャンが去った頃合いを見計らい、2人は喜びの声をあげ、安堵し笑顔になる。
「良かった~!!これで、問題なくなったわね!」
「でもなんでこんな遅い時間に、急にドレス専門店に行ったのかしら??」
フリージアとダリアは顔を見合わせる。
0
あなたにおすすめの小説
二十年以上無視してきた夫が、今さら文通を申し込んできました
小豆缶
恋愛
「お願いです。文通から始めてもらえませんか?」
二十年以上会話もなかった夫――この国の王が、ある日突然そう言ってきた。
第一王妃マリアは、公爵家出身の正妃。だが夫はかつて、寵愛する第三王妃の話のみを信じ、彼女を殴ったことがある。その事件が原因で、マリアは男性恐怖症が悪化して、夫と二人きりでは会話すらできなくなっていた。
それから二十年。
第三王妃はとある事故で亡くなり、夫は反省したらしい。だからといって――今さら夫婦関係をやり直したいと言われても遅すぎる。
なのに王は諦めない。毎日の手紙。花を一輪。夜食の差し入れ。
不器用すぎる求愛に振り回されるうち、マリアの中で止まっていた感情が少しずつ動き始める。
これは、冷えきった政略夫婦が「文通」からやり直す恋の話。
※本作は「存在されていないことにされていた管理ギフトの少女王宮で真の家族に出会う」のスピンオフですが、単体で読めます。
冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?
由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。
皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。
ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。
「誰が、お前を愛していないと言った」
守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。
これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。
婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。
桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。
「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」
「はい、喜んで!」
……えっ? 喜んじゃうの?
※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。
※1ページの文字数は少な目です。
☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」
セルビオとミュリアの出会いの物語。
※10/1から連載し、10/7に完結します。
※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません
由香
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。
破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。
しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。
外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!?
さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、
静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。
「恋をすると破滅する」
そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、
断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
なりゆきで妻になった割に大事にされている……と思ったら溺愛されてた
たぬきち25番
恋愛
男爵家の三女イリスに転生した七海は、貴族の夜会で相手を見つけることができずに女官になった。
女官として認められ、夜会を仕切る部署に配属された。
そして今回、既婚者しか入れない夜会の責任者を任せられた。
夜会当日、伯爵家のリカルドがどうしても公爵に会う必要があるので夜会会場に入れてほしいと懇願された。
だが、会場に入るためには結婚をしている必要があり……?
※本当に申し訳ないです、感想の返信できないかもしれません……
※他サイト様にも掲載始めました!
妹の身代わりだった私に「本命は君だ」――王宮前で王子に抱き潰され、溺愛がバレました。~私が虐げられるきっかけになった少年が、私と王子を結び付
唯崎りいち
恋愛
妹の身代わりとして王子とデートすることになった私。でも王子の本命は最初から私で――。長年虐げられ、地味でみすぼらしい私が、王子の愛と溺愛に包まれ、ついに幸せを掴む甘々ラブファンタジー。妹や家族との誤解、影武者の存在も絡み、ハラハラと胸キュンが止まらない物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる