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27.熱*①
しおりを挟むキスをしながらがばりとノアの膝裏に手を入れたブラムウェルに今度は抱っこされ、すたすたと歩きながら唇にまた吸い付かれた。
少しでも離れたくないと荒々しく求められ、ノアの身体も熱くなる。
ベッドにそっと下ろされ、どさりと覆いかぶさられわかりやすく高ぶったもので下半身をこすりつけられた。
その動作よりも、その大きさにびくっとなる。
若干顔を引きつらせていると、ブラムウェルの胸板を反射的に押したがびくともしなくてさらにぐりっと押し付けられた。
「はっ、なぁん……おっき」
「……っ。ノア。それ反則」
ぴたりと動きを止めたブラムウェルははぁっと熱っぽい息をつくと、がぶりと噛みくように深いキスをされた。
たまらないと焦った手つきで服の下に手を入れて、腹をまさぐられ官能をくすぐるように絡まる舌に煽られる。
「んんっ…、んぅ、ブラム……」
「んっ、ノア」
苦しい。けど心地いい。
甘いキスに酔わされていると、手際よく服を脱がされる。ズボンを手にかけたブラムウェルが嬉しそうに声を弾ませた。
「勃ってる」
「それはこれだけ触られれば」
「それだけ?」
外の空気にふるんと揺れる自身のものを掴まれて、びくりと身体が竦んだ。
その反応さえも嬉しそうにのぞきこまれ、ノアはブラムウェルを睨んだ。
「楽しそうだね」
「そりゃもう。ノアを思う存分貪れるし、反応あるのは嬉しいに決まってる」
「一度したことあるのに」
一度というにはかなり濃かった出会いを思い出し今さらではと問うと、唇をはむっと咥えられそのまま引っ張られる。
それが楽しかったのか上唇と下唇を交互に何度か食まれた後、ようやく満足したらしいブラムウェルが応えた。
「あれは流されてくれたからでしょう? 気持ちがともなってするのは初めてだから、いろんな反応が見たい」
するりと下の袋から揉み込むように指を動かしていたが、ゆっくりとつつつっと上に向かって滑らせた。
一度弾くように手が離れたがすぐに鈴口をほじるように爪を立て、ノアの上向いたものを指を動かし撫でられ同時に擦り付けられ硬度が増す。
卑猥な動きに顔が熱くなる。
そんなノアの様子を手と腰を動かしながら観察していたブラムウェルは、愉悦な笑みを浮かべると首筋を舐めそのままノアの唇を奪った。
「ふぅっ、んんっ」
うまく呼吸ができなくて、鼻から甘ったるい声が出る。
指の動きと舌の動き。なにより熱い視線に高ぶって自らも舌を動かした。
「それで、どうしてこうなってるの?」
「うっ。ブラムが好きだから。もう。それ、わかってて聞いているでしょ?」
「何度でも聞きたい。ずっとノアを失ったかと思って自暴自棄になっていたんだ。気持ちが通じた今、もう止められない」
ブラムウェルの手がそのまま後ろのすぼみに回り、やわやわと撫でられる。
一度は経験があるとはいえ、慣れない感触に身体が固まる。すると、ブラムウェルもぴたっとノアの様子をうかがう。
熱烈に押し進めるくせにものすごくノアの反応を気にしているとわかる仕草に、ノアは力を抜いた。
それに安堵したのかほっと小さく息を吐いたブラムウェルは、つぷっと指先を入れた。
「固い。ここは俺だけの」
「……いちいち口に出さない」
「だって、ノアってば前は経験あるでしょ? 俺だけのものは俺だけのものだと噛みしめたい」
そんなこといちいち宣言しなくてもと眉をしかめると、眉間に唇を落とされた。
恥ずかしいし、動きは完全にこれからすることを示し、甘ったるい空気は依然とあるのに、どうしてもそれだけに没頭する空気にならないのは、ブラムウェルの拗れた執着のせいなのか。
「それを言うならブラムもでしょ?」
執着はそれだけ求められている証だ。
困ったなと思いながらも、心の奥は歓喜していてどうしても口元が緩む。
それと同時に遠く離れた場所にいても聞こえてきた数々の噂は無視できない。
独占欲はいいのだけれど自分のことを棚に上げすぎではないかと視線をやると、ブラムウェルはへにょりと眉尻を下げ唇を引き結んだ。
それからちゅっとキスをすると鼻と鼻を擦り合わせて、訴えるように覗き込んできた。
「……でも、キスは誰ともしたことはない。初めてだ。なんなら、唇以外も誰にも触れたことはない」
「…………えっ?」
えっ?
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