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誰かこの人達を止めて下さい!
何故かヤバい状況です!
走る馬車から移りゆく景色をただ呆然と見ている。私は今、重い足取りで実家であるウィーンズトン家に向かっていた。この縁談を凄く喜んでくれた両親に何と説明したら良いのか⋯。この国では昔から黒髪は不吉として良く思われない風潮があるが、でも家族は私を心から愛してくれている。この髪では結婚が出来ないと落ち込む私を心配して縁談を見つけてきてくれた優しい両親と二人の兄。
「お嬢様、そんなに落ち込まないで下さい。お嬢様は何も悪いことなどしていません。全てはあの下等なオーウェン・ハミルトンと卑しいメアリー・ルークスが悪いのです!」
怒りに満ちたベルから殺気が溢れだし、走る馬が怖がり出したので失意中の私が何故かベルと馬を落ち着かせてる内にウィーンズトン家の屋敷に到着した。だが何故か門番もいなければいつも門の前で出迎えてくれる“あの子”もいない。嫌な予感を感じつつも玄関のベルを鳴らす。だがいくら待てども誰も出迎えにこないので怪しいほど冷静なベルと共に2人で恐る恐る玄関を開けた。
玄関を開けると広いエントランスがある。そこに何故か執事のセバスやメイド達、そして料理人から庭師まで勢揃いして何かの準備をしている。私はそれが何かすぐに分かり止めようとした時、セバスがアンジェリーナに気付いた。彼は目に涙を溜めてアンジェリーナの元へ走って来る。
「あぁ!お嬢様!ご気分はいかがですか?あのオーウェン・ハミルトンめは私がすぐに始末致します!」
「お嬢様!私はメアリー・ルークスを仕留めます!」「私も!」
「いやいや!物騒にも程があるわよ!」焦って止める私。
そう、セバスやメイド達は武器を持ち今にも屋敷を飛び出して行きそうだった。この人達がいったら多分オーウェンどころかこの国が無くなるだろう。
「しかしお嬢様がここまで侮辱されて黙っていられますか!!」
「いや、お願いだから今は黙ってて。まずはお父様達に報告に行かなければ⋯」
「旦那様達なら先程出て行かれました」
「えっ⋯何処に行ったの!?」
何故か嫌な予感しかしない私。
セバスやメイド達の目があからさまに泳ぎだす。料理人や庭師は気配を消して自然といなくなった。怪しい⋯まさかもうオーウェン様はこの世にいないかもしれない!
「正直に答えて!お父様達は何処に行ったの!まさかもう始末したの!?」
オーウェン様との初めての出会いは、10歳の時だった。黒髪で嫌な思いをしていた私に彼だけは笑顔を向けてくれた。私はそれだけで救われる思いがした。家族や一族以外の周りからは恐怖や蔑む対象で見られていたので素直に嬉しかった。だが、学園に入学してから彼は私と距離をとり始め、メアリー・ルークス令嬢と一緒にいる事が多くなった。正直言うと彼の事を好きだったかは分からないがショックだったのは事実だ。
ウィーンズトン一族は家族愛が凄まじく、一族の誰かに何かあった時は一族総出で動く。一族の中で特に溺愛されているアンジェリーナの今回の件は大事件になりそうだ。オーウェンやメアリーはウィーンズトン家の本当の恐ろしさを知らないのだ。
「セバス、お願いよ!何処に行ったか教えて!」
アンジェリーナの必殺技“上目遣いの懇願”攻撃を受けて見事に落ちたセバスから恐ろしい事を聞いてしまう。
「旦那様達は王宮に向かいました」
「王宮ですってー!?もしかしてあの子も一緒に行ったの?」
「はい、クロ様もご一緒です。相当お怒りで…でも気持ちは分かります!ですから我々も行....「行かなくていいから!」
家族だけなら良かったがクロまで一緒なんて!急いで王宮に行かないと!
国が無くなるだけで済めば良いけど!
「お嬢様、そんなに落ち込まないで下さい。お嬢様は何も悪いことなどしていません。全てはあの下等なオーウェン・ハミルトンと卑しいメアリー・ルークスが悪いのです!」
怒りに満ちたベルから殺気が溢れだし、走る馬が怖がり出したので失意中の私が何故かベルと馬を落ち着かせてる内にウィーンズトン家の屋敷に到着した。だが何故か門番もいなければいつも門の前で出迎えてくれる“あの子”もいない。嫌な予感を感じつつも玄関のベルを鳴らす。だがいくら待てども誰も出迎えにこないので怪しいほど冷静なベルと共に2人で恐る恐る玄関を開けた。
玄関を開けると広いエントランスがある。そこに何故か執事のセバスやメイド達、そして料理人から庭師まで勢揃いして何かの準備をしている。私はそれが何かすぐに分かり止めようとした時、セバスがアンジェリーナに気付いた。彼は目に涙を溜めてアンジェリーナの元へ走って来る。
「あぁ!お嬢様!ご気分はいかがですか?あのオーウェン・ハミルトンめは私がすぐに始末致します!」
「お嬢様!私はメアリー・ルークスを仕留めます!」「私も!」
「いやいや!物騒にも程があるわよ!」焦って止める私。
そう、セバスやメイド達は武器を持ち今にも屋敷を飛び出して行きそうだった。この人達がいったら多分オーウェンどころかこの国が無くなるだろう。
「しかしお嬢様がここまで侮辱されて黙っていられますか!!」
「いや、お願いだから今は黙ってて。まずはお父様達に報告に行かなければ⋯」
「旦那様達なら先程出て行かれました」
「えっ⋯何処に行ったの!?」
何故か嫌な予感しかしない私。
セバスやメイド達の目があからさまに泳ぎだす。料理人や庭師は気配を消して自然といなくなった。怪しい⋯まさかもうオーウェン様はこの世にいないかもしれない!
「正直に答えて!お父様達は何処に行ったの!まさかもう始末したの!?」
オーウェン様との初めての出会いは、10歳の時だった。黒髪で嫌な思いをしていた私に彼だけは笑顔を向けてくれた。私はそれだけで救われる思いがした。家族や一族以外の周りからは恐怖や蔑む対象で見られていたので素直に嬉しかった。だが、学園に入学してから彼は私と距離をとり始め、メアリー・ルークス令嬢と一緒にいる事が多くなった。正直言うと彼の事を好きだったかは分からないがショックだったのは事実だ。
ウィーンズトン一族は家族愛が凄まじく、一族の誰かに何かあった時は一族総出で動く。一族の中で特に溺愛されているアンジェリーナの今回の件は大事件になりそうだ。オーウェンやメアリーはウィーンズトン家の本当の恐ろしさを知らないのだ。
「セバス、お願いよ!何処に行ったか教えて!」
アンジェリーナの必殺技“上目遣いの懇願”攻撃を受けて見事に落ちたセバスから恐ろしい事を聞いてしまう。
「旦那様達は王宮に向かいました」
「王宮ですってー!?もしかしてあの子も一緒に行ったの?」
「はい、クロ様もご一緒です。相当お怒りで…でも気持ちは分かります!ですから我々も行....「行かなくていいから!」
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