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5章 旅立つ日はいつ?

おちびの気持ち

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「ルルーにぇむくなくなったー」


リクが背中に乗り、チロを抱っこするルルは歩くことに精一杯だ。エドワードはアンリと手を繋ぎ嬉しそうだ。


リクは眠気がなくなり元気そうだ。だが、リクと話をする為に食堂に向かう。リク達を椅子に座らせて、正面にルルとアンリが座る。


「ねーね、のどかわいたー!」とチロが言う


ルルは苦笑いしながら、コップに果実水を入れて持ってくる。


「「「わーーい!」」」


ごくごくと美味しそうに飲んでいるおちび達。


「…あんた達に聞いてほしい話があるの」


「にゃーにー?」チロが首をかしげる


リクもルルを見る。


「チロもリクも、家族に会えたでしょう?お父さんやお母さんと一緒に暮らしたくないの?」


「チロは…ここがしゅきなの…でもかーしゃんととーしゃんもしゅき」


チロはここが好きで離れたくないが、両親とは一緒にいたいと複雑な心境を語る3歳。


「リクもここがしゅき…ルルがしゅきなの!」


まさかの告白に驚くルルと、爆笑するアンリ。


「リクからの告白…ブーッ」


「じゅるいー!チロもねーねがだいしゅき!」


「リクもルルがだいしゅき!」


「ルルモテモテだね~ブーッ!」アンリは笑い転げている


「うちにょねーしゃんがすみまちぇん」謝るエドワード


「苦労するね、エドワード」


「あい」


苦労人のルルとエドワードは握手する。それを見ていたチロとリクは我先にルルと握手しようとする。


「いいから、話を聞いて!」


二人のほっぺをツンツンするルル、二人は何故か嬉しそうだ。


「あのね、私も家に帰ろうと考えてるの」


「「………」」黙ってしまう二人


「二人には幸せになってもらいたいから、ここに残るなら残ってもいいと思うよ」


「ねーねはいにゃいんでしょ…」目に涙が溜まっていくチロ


「ルルがいにゃいのやだ!」ぽろぽろ涙が流れていくリク


「まぁ、でも王宮だから会えるかもよ?チロとリクのお父さんは王宮で働いているからね」


ぽろぽろ泣いていた二人は、お互い顔を見合わせる。


「すん…ねーねとあえりゅの…?」


「すん…おちろ…ならとーしゃん…にょあとをちゅいていけば…」


「一緒に行けよ!」苦笑いするアンリ


「うん。ねーねはお城に住むことになるから、あんた達の家も近いから会いに行けるしね!」


チロとリクはこそこそ話し始めたが、丸聞こえだ。


「チロ…どうちゅる?」


「チロは…かーしゃんととーしゃんといっちょにいたいでしゅ」


「リクも…ルルにあえりゅなら…かじょくとくらしゅ」


「チロ…ここにもいたいでしゅ」


「リクも…ここがしゅきなの」


「振り出しに戻った!」笑うルル


取り敢えず二人の気持ちはわかったから、もう少し様子を見ようと思う。二人の家族に今の二人の気持ちを教えてあげようと思うルルだった。
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