転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

akechi

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10章 アレクシアと愉快な仲間2

みんなで楽しくが一番です!!①

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“最強トリオ”

アレクシアが険悪なのか仲が良いのか分からない三人にそう名付けたのだ。一人はアレクシアの実の父親であり、このアウラード大帝国の皇帝陛下でもあるルシアード、そして世界中から恐れられている未知の国“魔国”の国王陛下であるデズモンド。最後の一人は人族に神として崇められている竜族の族長であり、アレクシアの前世であるアリアナの育ての親のゼストだ。

彼らは毎日のようにアレクシアを奪い合い、そしてその度にアレクシアに鉄拳をお見舞いされていた。だがまだその頃の方が良かったのかも知れないと思うほど今は危機感を覚えていた。何故なら初代竜族族長であるミルキルズを始め、初代魔国国王デイルズや魔国の大賢者ポーポトス、そして神獣ガイアなどのイケイケの爺達の登場で、最強トリオの存在感が薄くなっているからだ。

今回はアレクシアと共に夕食会を楽しもうと意気込んでいた三人だが、やはり意地の張り合いになり、気づいた時にはよちよち歩きのアレクシアを抜かしてしまい先に夕食会の会場までやって来てしまったのだった。

「「「⋯⋯」」」

三人の間には気まずい沈黙が続いている中、周りで忙しく準備する者達はというと当然だが生きた心地がしないでいた。冷酷皇帝陛下と未知の国である魔国の国王、そしてもう一人は人族が崇めている黄金竜ゼストなのだ。その三人がいきなり会場に姿を現したので異様な緊張感がありなかなか準備が進まないのだった。

「アレクシアを迎えに行ってくる」

先に口を開いたルシアードがそう言うと会場から出て行こうとした。

「“お義父さん”はここにいて下さい。婚約者である俺が迎えに行って来ますので大丈夫です」

デズモンドは不敵な笑みを浮かべながらルシアードの前に立ちはだかる。

「む。“お義父さん”だと?⋯アレクシアがここにくる前にお前を灰にしてやる」

「おい止めろ!ここであまり魔力を垂れ流すな!!」

ゼストが会場にいる者達を指さしながら二人に注意する。あまりに強力な魔力に耐えられなかった会場にいる女官や執事達が冷や汗を流して崩れ落ちていた。

「あいつが来たら怒られるぞ!?俺を巻き込むなよ!!」

怒られると言われたルシアードとデズモンドは魔力を抑え込み、怒りを鎮める為に深呼吸をしていた。

「全く!お前らにはあいつを任せられないな!あいつが小さい頃は俺がおしめを取り替えてたんだぞ!?」

「む。だから何だ?今は俺の娘だ。俺がおしめを取り替える!」

「⋯⋯今はさすがに必要ないだろ?」

自分が言った事に真顔で答えるルシアードにドン引きするゼスト。

「俺だってあいつが魔国に泊まりに来た時、おねしょをしたあいつの面倒を見たりしたぞ?」

ドヤ顔でルシアードとゼストに話し出すデズモンド。

「⋯⋯。面倒だと?そのおねしょした布団を隠蔽する為に燃やして大規模なボヤ騒ぎを起こしたよな?」

ゼストがジト目でデズモンドを見るが、何故か涼しい顔のままのデズモンド。

「フッ⋯。あんなの日常茶飯事だ。あいつが泊まりにくると魔王宮が壊されるとよく魔高官達が頭を抱えていた」

「俺も修繕費をかなり払わされた!!」ゼストは苦虫を噛み潰した顔になる。

「む。今のアレクシアも“元気”だぞ?」

「おい、だいぶオブラートに包んだ言い方だな?あいつの“元気”は何かをやらかしたと解釈出来るぞ!?」

愛娘のアレクシアに甘々なルシアードはあまり気にしていないが、皇宮でのやらかしは有名だった。修繕費がかかるやらかしはロインが自ら現場監督になり、アレクシアに修繕させていた。三歳の幼子でましてや皇女に壁の修理や床掃除をやらせるロインに反感を覚え抗議する者もいたが、アレクシアがあまりにも皇宮を破壊しまくるので、最終的にはロインに対して誰も文句を言わなくなっていた。

「まぁ今も昔も可愛らしいという事だな」

デズモンドがそう言うと、ルシアードが深く頷いた。呆れていたゼストも結局は頷くのだった。

「おーー!仲良く並んで待ってたんでしゅね?えらいえらい!!」

エルフの女王エルメニアと手を繋いでやって来たアレクシアが、三人に向かい大袈裟に拍手をした。

「む。仲良くはないぞ?」

ルシアードはアレクシアをエルメニアから奪うといち早く抱っこした。

「はいはい。それよりシアはお腹ペッコペッコでしゅ!!」そう言いながらポッコリお腹を摩るアレクシア。

「ガハハハ!ペッコペッコじゃなくてペコペコじゃ!相変わらず面白い言い方をするのう!!」

大笑いするのは初代魔国国王のデイルズだ。

「うるさい爺でしゅね!!」

ルシアードはプンスカと怒る愛娘をデイルズの元に連れて行く。アレクシアはデイルズをパンチしながらも目線だけは会場に並べられた豪華な料理に釘付けだ。そしてアレクシアの従魔である五匹の子犬達には最高級の魔物肉が山のように準備されていた。

『キャンキャン!!(しゅごいーー!!)』

白玉は涎を流しながらフラフラと吸い寄せられるように肉に食い付いた。黒蜜も、みたらしやきなこも急いで肉に齧り付くが、案の定だがあんこだけ遅れてしまった。悲しそうなあんこを見かねたアランカルトが肉を皿に乗せてあんこの元に持って行った。

『キャンキャン!(肉ー!)』

あんこが嬉しそうに肉に齧り付いた。

周りに女官がいたので、白玉達は可愛い鳴き声で嬉しさをアピールしていた。

肉料理から魚料理、色鮮やかなサラダなど数十種類の料理がズラーッと並び、デザートやフルーツも色とりどりに並んでいた。嬉しそうに小躍りするアレクシアと、興味深く料理を見ているガイアやエルメニアにナナーサ。エルフはあまり肉料理を好まないので魚料理をチェックしている。ミルキルズやアランカルトも豪華すぎる料理に驚いていた。魔国でもあまり見かけない肉料理があるので特にデイルズが興味深そうだ。小鳥ウロボロスも興奮してパタパタと飛び回っていた。

「おいおい⋯本当にとんでもないメンバーだな!」

そんな賑やかな会場に入って来たのは、アレクシアの母方の祖父であるローランド・キネガー公爵とアレクシアの異母兄姉であるシェイン皇太子、ジェニファー第一皇女、ドミニク第二皇子であった。







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