転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

akechi

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10章 アレクシアと愉快な仲間2

アレクシア、久しぶりの狩りへ行く。④

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「アレクシアはもう何か狩ったのかい?」

ニコニコしながら可愛いひ孫に話しかけるのは初代竜族族長であるミルキルズだ。

「ふ⋯ふん!!シアは化け物級の魔物を狩りまちた!優勝はシアのものでしゅ!!」

威勢よく宣言したアレクシアだが、それが全部嘘だと知ってるウロボロスは呆れていた。

「おお!わしも負けてはおれんぞ!バジリスクなんて小物と遊んでおっては負けてしまうわい!」

「⋯⋯」

『やる気にさせてどうするんだ⋯プッ』

ウロボロスに笑われたアレクシアは、ミルキルズに向かい“負けましぇん!!このボケ!”と暴言を吐きまくり先に進み出すのだった。



ミルキルズと別れたアレクシアは焦っていた。

「バジリスクを小物でしゅと!?あの爺は次元が違いましゅ!」

『奥深くに行けばもっと大物がいるんじゃないか?』

「そうでしゅね!打倒!爺&婆でしゅ!」

やる気満々のアレクシアが浮遊魔法で先に進んでいると、今度は紫色の髪を靡かせた美しい青年が立ってるのが見えてきた。

「ん?あれは見た目詐欺代表取締役のポポ爺でしゅ!」

アレクシアの発言にピイピイ言いながら爆笑する小鳥ウロボロス。また草むらに隠れて様子を見る事にしたアレクシアは、魔国の大賢者であり師匠でもあるポーポトスの行動に注視する。

「おお、これはマンティコアの変異種か!漆黒のマンティコアとは見たことがないわい!」

ポーポトスの目の前にいるのは不気味なくらい静かなマンティコアだった。マンティコアは人の顔を待ち、さそりの尾を持つ獰猛な魔物だ。普通のマンティコアでもS級なのに、今回のマンティコアは全身が黒く、翼まで生えている。そして更に恐ろしいのは⋯

【この森に人族がいるとは、早く立ち去れ】

そう、話せるのだ。ポーポトスを見下ろしていた漆黒のマンティコアは、相手にもならないと森の奥に戻ろうとしていた。

「わしは魔族じゃ。少しは遊べるかもしれんぞ?」

【魔族?あの後ろでこちらを見ている赤子はお前の子か?】

漆黒のマンティコアの視線がアレクシアを捉えた。ポーポトスも気付いていたのか、振り返って焦っているアレクシアを見た。

「お前と言う奴は、また何か企んでいるのか!?」

「まだ考えていましぇん!って言うかそこの黒いおっさん!誰が赤子でしゅか!!」

アレクシアの発言に呆れるポーポトスだが、巨大な漆黒のマンティコアは自分の足元でブーブー文句を言う赤子をジッと見ていた。

【黒いおっさんとはわしのことかい?】

「そうでしゅよ!こっちは紫のじーさんでしゅから⋯⋯いで!」

アレクシアは頭を摩りながら拳骨を落としたポーポトスに向かい猛抗議を始めた。

「ポポ爺!シアがこれ以上馬鹿ちんになったらどうするんでしゅか!!」

「おお、お馬鹿という自覚はあるんじゃな。少し安心したわい」

「ぐぬぬ⋯ああ言えばこう言うじーさんでしゅ!黒いおっさん!この爺をボコボコにして下しゃいな!」

「何じゃと!師匠に向かって何たる態度じゃ!」

自分を無視して言い合うポーポトスとアレクシアを見て何とも言えない気分になる漆黒のマンティコア。

【ポポ爺とやら、相手はまだ赤子じゃ。よしよし、ここは危ない場所じゃ。こっちにおいで】

「だからシアは赤子じゃないでしゅ!もう三歳でもうすぐ四歳になるんでしゅ!」

【何と!生まれたてではないか!何故このような危険な森へ連れてきたのだ!】

漆黒のマンティコアはポーポトスへ説教を始めた。魔物に怒られる大賢者という面白い光景をアレクシアとウロボロスは間近で見ていたが、また大きな地響きがして、それがこちらに迫ってきていた。

そして姿を見せたのは見覚えのある巨大な白銀の狼だった。これに一番驚いたのは漆黒のマンティコアだ。この森では見たこともない白銀の狼から感じられる神聖な魔力に、急いで跪いた。

【まさかこの森に神獣様が⋯あの神々しいお姿。長生きはするもんじゃ】

感動する漆黒のマンティコアだが、それを見事にぶち壊す者が現れたのだ。

「爺!何でその姿なんでしゅか?間違って狩るところでちたよ!そしたらシアが優勝でしゅ!」

信じられない赤子の発言に、漆黒のマンティコアは焦り出す。

【これ!大人しくしてなさい!あとで森の入り口まで送ってあげるから、ね?】

赤子を懸命に宥めている魔物というあり得ない光景に、今度はポーポトスが大笑いしていた。

「この姿の方が動きやすいからのう。まだ長生きしたいから狩らんでおくれ」

アレクシアにお願いする神獣ガイアだが、それに驚くのは漆黒のマンティコアだ。

【神獣様、この赤子をご存知なのですか?】

「ああ、この子はわしの孫のようなものじゃ」

【何と!だからこんなに神々しい赤子なのですね】

「ふふ!シアは神々しい赤子⋯⋯って誰が赤子でしゅか!立派な美少女に向かって失礼な魔物でしゅね!」

赤子扱いが気に入らないアレクシアは漆黒のマンティコアと神獣ガイアへ猛抗議をして説教すら始めた。

「ホホホ。あのマンティコアは恐らく聖獣じゃ。聖獣と神獣に説教するとは小さいくせに大物じゃのう!」

『大物というか大馬鹿というのか』

ポーポトスとウロボロスは呆れながらも、その光景を微笑ましく見ていた。







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