1 / 1
貸し切りの行先掲示板
しおりを挟む
パスケースを家に忘れてしまったため、久しぶりに券売機で切符を買うことにした。
モニタにタッチして行先の金額を選ぼうとしたら、「オプション」という項目があることに気が付いた。
興味本位で押してみる。
オプションはいくつかあった。
「貸し切り」「目覚まし」「行先掲示板」「必着」……。
私はよく分からないまま「貸し切り」と「行先掲示板」を選択した。
料金は少し高くなってしまうが、物は試しで私は購入した。
ホームに降りたが、まだ電車は来ていない。
後何分で電車が来るか、確認しようと電光掲示板を見た。
『三分後、線路に飛び込め』
そこには命令が書かれていた。
私への命令だ。
間違いない。オプションを買った私への命令だ。
今は7時27分。
7時30分。
私は線路に飛び込んだ。
男も線路に飛び込んできた。
「貸し切り」になっていない。
文句を言ってやる。
私は切符を握り締めた。
電車がやってくる。
モニタにタッチして行先の金額を選ぼうとしたら、「オプション」という項目があることに気が付いた。
興味本位で押してみる。
オプションはいくつかあった。
「貸し切り」「目覚まし」「行先掲示板」「必着」……。
私はよく分からないまま「貸し切り」と「行先掲示板」を選択した。
料金は少し高くなってしまうが、物は試しで私は購入した。
ホームに降りたが、まだ電車は来ていない。
後何分で電車が来るか、確認しようと電光掲示板を見た。
『三分後、線路に飛び込め』
そこには命令が書かれていた。
私への命令だ。
間違いない。オプションを買った私への命令だ。
今は7時27分。
7時30分。
私は線路に飛び込んだ。
男も線路に飛び込んできた。
「貸し切り」になっていない。
文句を言ってやる。
私は切符を握り締めた。
電車がやってくる。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども
神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」
と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。
大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。
文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる