記憶がない結婚式

undoodnu

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記憶がない結婚式

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「ただいま」

誰もいない部屋へ虚しくこだまする、ただいまの声……。

「おかえり、パパ!」
「おかえりなさい、あなた」

なんだ。誰もいないはずなのに声がする。

「パパ、一緒に遊ぼうよ!」
「駄目よ、晩ご飯を食べなきゃ。晩ご飯の後に遊んでもらいなさい」
「うん、そうする!」

子どもの方が顔をぱーっと明るくさせて、部屋の方へ戻っていった。
部屋。
ワンルームの狭い部屋。
そのはずだった。
おかしい。
廊下がある。リビングがある。

「あなた、どうしたの? 今日はずいぶんとお疲れのようね。お仕事大変なの?」

女の方が私に話しかけてくる。
仕事。
俺の仕事。
俺は学生だ。
まだ働いていないし、そこまで疲れることもない。
それなのに、何だこの疲労感は。体の重さは。

「あなたの好きなハンバーグを作ったから、元気出してね」
「うん!」

ハンバーグは良い。ハンバーグは全てを忘れさせてくれる。
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