15 / 47
2st監禁
2st監禁ーその2-
しおりを挟む
『落ち着いたかしら?』
「……すみませんでした」
微笑んだアリアにレインは頬を染める。
いくら安心したからとは言え、アリアの前で泣いたのに羞恥心が込み上げてくるが、アリアは恥ずかしがるレインの顔を上げさせ、泣いた事により腫れ上がったその目元を心配そうに透ける指で撫でる仕草をした。
『あんなに泣いては貴方の綺麗な紫色の瞳が溶けてしまうわよ』
決して触れる事はできないのにくすぐったさを覚えたレインは思わず笑顔になる。
「ふふ、可笑しな事を言いますね。泣いても目は溶けないですよ」
『そうそう、笑って頂戴』
微笑むアリアにふと今は無き母親の姿が重なった。
「……母上が生きていた頃、アリアと同じように僕の瞳を綺麗だとよく褒めて下さったんです。この瞳の色は王族にしか現れない色なんだって、母上の一番好きな色なんだって」
『そうなの。それは良かったわね』
「アリアの一番好きな色は何ですか?」
『私は榛色が好きよ』
「榛色、ですか?」
『そう、ヴァンの目の色なの。初めて会った時にその色に目を奪われたわ』
そう言ってヴァンを思い浮かべたのか幸せそうに微笑むアリアにレインの心にどろりと妬ましい気持ちが湧いた。
羨ましい、僕も貴女の目を奪う色になりたい。
あいつの目を奪ってしまえば彼女は僕を見てくれるのだろうか。
そんな物騒な事を考えているとアリアが訝し気に殿下を見る。
『どうかした?』
「え、いえ、なんでもないです」
少し前まで自分が考えていた恐ろしい行動に愕然とし、首を振る事でその考えを振り払った。
そんなレインをいざ知らず、レインも落ち着いた事だしとアリアは当初の目的であった話をする事にした。
『レイン、貴方精霊と契約してみない?』
「!! アリア!ついに僕と契約してくれるんですか!?」
『ふふ、お馬鹿さんねぇ。私ではなく他の精霊と契約してみないかって事よ』
「……アリア以外の精霊と契約するつもりはありません」
『……あのね、レイン。前にも伝えたけれども霊眼を持つ人は何人もの精霊と』『契約はできるけれど契約者がいる精霊とは契約はできないのよ』『それに貴方の周りもそろそろ少し落ち着く頃だから今が良い機会なの』『これから霊眼持ちである貴方は今までよりも身の危険が増える可能性が高いの』『私もいつまでも貴方の傍に居られるとは限らないのだから今の内に貴方の』『身の安全を確保したいの。だから分かって頂戴』
頬を膨らませ、不貞腐れるレインの頭を撫でるアリアの困った様な表情を見てレインはしばらく思慮し、やがてこくりと頷いた。
「わかりました。精霊と契約します」
『良かった! じゃあその為にも早速、精霊について勉強しましょう』
ぱあっと輝かんばかりの笑顔を浮かべるアリアを複雑そうな面持ちで見つめるレインに一切気付かず、アリアは善は急げとばかりにいそいそと紙とペンを出し勉強の支度を始める。
その様子にレインは首を傾げた。
「今日もアリアが講師をしてくれるのですか?」
『いいえ、講師はこれから来るわ。そろそろ来る頃合いだとおもうのだけれど……』
二人の話を聞いていたかの様に侍女により来客を告げる声が外からかけられた。
「初めましてレイン様、儂はアバ。宮廷精霊術師の一人お勤めておりまする」
「アバ様って国に五人しかいない宮廷精霊術師の中でも最高峰と言われているあのアバ様ですか?」
「そのアバじゃ。最高峰とは照れるのう」
「本当にアバ様なのですか? 御年八十を超えていらっしゃると聞いていたのですが……」
頬に手を当て照れた様に微笑むのはアバと名乗る妙齢の女性だ。
とてもではないが八十代には見えない。
『アバは時空の精霊と契約しているから老化が遅いのよ』
「時空の精霊ですか? 初めて聞きました」
「滅多に人の前に姿を現す精霊ではないからのう、知らぬのも仕方がない。 ノーア、姿をお見せしてあげなさい」
空間が歪むとそこから豊かな黒髪を持った美丈夫が現れる。
アリアと同じく薄い布を何枚も重ねた様な服を身に纏った彼は片手を胸に当て、レインへと礼をとった。
〔こんにちはノーア、久しぶりね〕
〔やあ、アリア。息災そうで何より、最近の君とヴァン君の活躍は耳にしているよ〕
〔ふふん、私の契約者だもの。ヴァンは凄いのよ!〕
親し気に話す精霊二人だが、レインには声が聞こえない為ただ口を開閉しているだけにしか見えない。
暫く二人を交互に見た後、頬を膨らませるレインにアバは笑い声をあげる。
「ほっほっほ、殿下は本当にアリアさんを慕っておるのですねぇ。大好きな人に自分よりも親しい人がいたら妬いてしまうのは分かりますよ」
「アバ様も嫉妬することがあるのですか?」
「ええ、こんなナリですが儂も人ですから殿下と同じ様に怒りもすれば泣きも致しますわい。もちろん、嫉妬もね」
悪戯な笑みを浮かべながらそう話すアバにレインも警戒を緩める。
「では緊張も解れた様じゃし、席に着くとしようかのう」
「はい」
机の上にノーアがどこからか取り出した数冊の本を置くのを見てレインは目を丸くした。
「ノーア様は物に触れる事ができるのですか!?」
アリアが風を操りノーアの言葉を空中に代筆する。
『? 何を驚いているんだい?』
「だってアリアは物体をすり抜けるから風で物を浮かして運ぶんですよ。同じ精霊なのにどうしてノーア様は触れる事ができるのですか?」
『ああ、そう言う事か』『俺は時空の精霊だから物の時間に自在に干渉できるんだ』『だからアバに手渡して貰えれば』『物体の時間に干渉して落下させないで運ぶ事ができる』『ただし、あくまでも運ぶだけでアリアみたいな』『自由度はない。だから彼女にこうやって言葉を』『代筆して貰っているんだよ』
「この文字はノーア様が出していたのではないのですね。
落下に干渉、それなら上下にしか移動できないのでは?
それに何もない所から物を取り出すのはその理屈では説明できないです。
時空と言うと空間にも干渉できるのですか?」
〔おっとそこに気が付くのか〕
感心した様にそうにノーアは呟いた。
『勿論、時空の精霊なのだから空間にも干渉できる』『移動に関しても普通は上下にしかできないが』『少し工夫を加えれば横移動もできるようになる』
「工夫? どうするのですか?」
「それをお教えするのが儂の存在じゃよ。本日から儂がレイン殿下に精霊術についてお教え致しますのでな、どうぞ良しなに」
「はい! よろしくお願い致します!」
元気よくレインが挨拶する様子を後ろで嬉しそうに見守るアリア。
レインがアバの講義に集中しているのを見たノーアがアリアの声をかける。
〔なあ、アリア。殿下はお前にとってどんな存在だ?〕
〔あら、いきなり何かしら?〕
〔どうなんだ?〕
〔そうねぇ、レインは私にとっては慈しみ、守るべき存在ね。あの子の母親にも頼まれたし、勿論頼まれていなくてもそのつもりだったわよ〕
〔じゃあ聞くが、ヴァンとレインこの二人の内でどちらが一番大切だ?〕
〔随分と意地の悪い事を聞くのね〕
〔いいから、どっちだ?〕
〔……ヴァンよ。確かにレインは大切な存在ではあるけれどもヴァンと比べ物にならないわ〕
〔そうか、なら俺から一つ忠告だ〕
ノーアは真剣な表情でアリアの目をひたりと見据える。
〔優劣を間違えるな。他の何を置いてでも大切で特別な存在から決して目を離してはならない〕
〔それは一体?〕
〔俺から言える事はここまでだ、後は自分で考えるんだな〕
それっきり口を噤んでしまったノーアに不穏な物を感じるが本人がこれ以上は語らないと言うのであれば聞き出すのは難しいと知っているアリアは首を傾げた。
時空の精霊であるノーアが忠告を告げるのはほとんどない。
それは彼の忠告が未来を変える事に繋がる事があるからだ。
時の流れを尊ぶ時の精霊は確定した未来や過去を変えるのを何よりも嫌がる。
そんな彼が態々忠告だと宣言してアリアに言葉を贈った。
それが一体どういうことなのか。
至る未来への一抹の不安はアリアの胸中にこびりつく事となる。
「……すみませんでした」
微笑んだアリアにレインは頬を染める。
いくら安心したからとは言え、アリアの前で泣いたのに羞恥心が込み上げてくるが、アリアは恥ずかしがるレインの顔を上げさせ、泣いた事により腫れ上がったその目元を心配そうに透ける指で撫でる仕草をした。
『あんなに泣いては貴方の綺麗な紫色の瞳が溶けてしまうわよ』
決して触れる事はできないのにくすぐったさを覚えたレインは思わず笑顔になる。
「ふふ、可笑しな事を言いますね。泣いても目は溶けないですよ」
『そうそう、笑って頂戴』
微笑むアリアにふと今は無き母親の姿が重なった。
「……母上が生きていた頃、アリアと同じように僕の瞳を綺麗だとよく褒めて下さったんです。この瞳の色は王族にしか現れない色なんだって、母上の一番好きな色なんだって」
『そうなの。それは良かったわね』
「アリアの一番好きな色は何ですか?」
『私は榛色が好きよ』
「榛色、ですか?」
『そう、ヴァンの目の色なの。初めて会った時にその色に目を奪われたわ』
そう言ってヴァンを思い浮かべたのか幸せそうに微笑むアリアにレインの心にどろりと妬ましい気持ちが湧いた。
羨ましい、僕も貴女の目を奪う色になりたい。
あいつの目を奪ってしまえば彼女は僕を見てくれるのだろうか。
そんな物騒な事を考えているとアリアが訝し気に殿下を見る。
『どうかした?』
「え、いえ、なんでもないです」
少し前まで自分が考えていた恐ろしい行動に愕然とし、首を振る事でその考えを振り払った。
そんなレインをいざ知らず、レインも落ち着いた事だしとアリアは当初の目的であった話をする事にした。
『レイン、貴方精霊と契約してみない?』
「!! アリア!ついに僕と契約してくれるんですか!?」
『ふふ、お馬鹿さんねぇ。私ではなく他の精霊と契約してみないかって事よ』
「……アリア以外の精霊と契約するつもりはありません」
『……あのね、レイン。前にも伝えたけれども霊眼を持つ人は何人もの精霊と』『契約はできるけれど契約者がいる精霊とは契約はできないのよ』『それに貴方の周りもそろそろ少し落ち着く頃だから今が良い機会なの』『これから霊眼持ちである貴方は今までよりも身の危険が増える可能性が高いの』『私もいつまでも貴方の傍に居られるとは限らないのだから今の内に貴方の』『身の安全を確保したいの。だから分かって頂戴』
頬を膨らませ、不貞腐れるレインの頭を撫でるアリアの困った様な表情を見てレインはしばらく思慮し、やがてこくりと頷いた。
「わかりました。精霊と契約します」
『良かった! じゃあその為にも早速、精霊について勉強しましょう』
ぱあっと輝かんばかりの笑顔を浮かべるアリアを複雑そうな面持ちで見つめるレインに一切気付かず、アリアは善は急げとばかりにいそいそと紙とペンを出し勉強の支度を始める。
その様子にレインは首を傾げた。
「今日もアリアが講師をしてくれるのですか?」
『いいえ、講師はこれから来るわ。そろそろ来る頃合いだとおもうのだけれど……』
二人の話を聞いていたかの様に侍女により来客を告げる声が外からかけられた。
「初めましてレイン様、儂はアバ。宮廷精霊術師の一人お勤めておりまする」
「アバ様って国に五人しかいない宮廷精霊術師の中でも最高峰と言われているあのアバ様ですか?」
「そのアバじゃ。最高峰とは照れるのう」
「本当にアバ様なのですか? 御年八十を超えていらっしゃると聞いていたのですが……」
頬に手を当て照れた様に微笑むのはアバと名乗る妙齢の女性だ。
とてもではないが八十代には見えない。
『アバは時空の精霊と契約しているから老化が遅いのよ』
「時空の精霊ですか? 初めて聞きました」
「滅多に人の前に姿を現す精霊ではないからのう、知らぬのも仕方がない。 ノーア、姿をお見せしてあげなさい」
空間が歪むとそこから豊かな黒髪を持った美丈夫が現れる。
アリアと同じく薄い布を何枚も重ねた様な服を身に纏った彼は片手を胸に当て、レインへと礼をとった。
〔こんにちはノーア、久しぶりね〕
〔やあ、アリア。息災そうで何より、最近の君とヴァン君の活躍は耳にしているよ〕
〔ふふん、私の契約者だもの。ヴァンは凄いのよ!〕
親し気に話す精霊二人だが、レインには声が聞こえない為ただ口を開閉しているだけにしか見えない。
暫く二人を交互に見た後、頬を膨らませるレインにアバは笑い声をあげる。
「ほっほっほ、殿下は本当にアリアさんを慕っておるのですねぇ。大好きな人に自分よりも親しい人がいたら妬いてしまうのは分かりますよ」
「アバ様も嫉妬することがあるのですか?」
「ええ、こんなナリですが儂も人ですから殿下と同じ様に怒りもすれば泣きも致しますわい。もちろん、嫉妬もね」
悪戯な笑みを浮かべながらそう話すアバにレインも警戒を緩める。
「では緊張も解れた様じゃし、席に着くとしようかのう」
「はい」
机の上にノーアがどこからか取り出した数冊の本を置くのを見てレインは目を丸くした。
「ノーア様は物に触れる事ができるのですか!?」
アリアが風を操りノーアの言葉を空中に代筆する。
『? 何を驚いているんだい?』
「だってアリアは物体をすり抜けるから風で物を浮かして運ぶんですよ。同じ精霊なのにどうしてノーア様は触れる事ができるのですか?」
『ああ、そう言う事か』『俺は時空の精霊だから物の時間に自在に干渉できるんだ』『だからアバに手渡して貰えれば』『物体の時間に干渉して落下させないで運ぶ事ができる』『ただし、あくまでも運ぶだけでアリアみたいな』『自由度はない。だから彼女にこうやって言葉を』『代筆して貰っているんだよ』
「この文字はノーア様が出していたのではないのですね。
落下に干渉、それなら上下にしか移動できないのでは?
それに何もない所から物を取り出すのはその理屈では説明できないです。
時空と言うと空間にも干渉できるのですか?」
〔おっとそこに気が付くのか〕
感心した様にそうにノーアは呟いた。
『勿論、時空の精霊なのだから空間にも干渉できる』『移動に関しても普通は上下にしかできないが』『少し工夫を加えれば横移動もできるようになる』
「工夫? どうするのですか?」
「それをお教えするのが儂の存在じゃよ。本日から儂がレイン殿下に精霊術についてお教え致しますのでな、どうぞ良しなに」
「はい! よろしくお願い致します!」
元気よくレインが挨拶する様子を後ろで嬉しそうに見守るアリア。
レインがアバの講義に集中しているのを見たノーアがアリアの声をかける。
〔なあ、アリア。殿下はお前にとってどんな存在だ?〕
〔あら、いきなり何かしら?〕
〔どうなんだ?〕
〔そうねぇ、レインは私にとっては慈しみ、守るべき存在ね。あの子の母親にも頼まれたし、勿論頼まれていなくてもそのつもりだったわよ〕
〔じゃあ聞くが、ヴァンとレインこの二人の内でどちらが一番大切だ?〕
〔随分と意地の悪い事を聞くのね〕
〔いいから、どっちだ?〕
〔……ヴァンよ。確かにレインは大切な存在ではあるけれどもヴァンと比べ物にならないわ〕
〔そうか、なら俺から一つ忠告だ〕
ノーアは真剣な表情でアリアの目をひたりと見据える。
〔優劣を間違えるな。他の何を置いてでも大切で特別な存在から決して目を離してはならない〕
〔それは一体?〕
〔俺から言える事はここまでだ、後は自分で考えるんだな〕
それっきり口を噤んでしまったノーアに不穏な物を感じるが本人がこれ以上は語らないと言うのであれば聞き出すのは難しいと知っているアリアは首を傾げた。
時空の精霊であるノーアが忠告を告げるのはほとんどない。
それは彼の忠告が未来を変える事に繋がる事があるからだ。
時の流れを尊ぶ時の精霊は確定した未来や過去を変えるのを何よりも嫌がる。
そんな彼が態々忠告だと宣言してアリアに言葉を贈った。
それが一体どういうことなのか。
至る未来への一抹の不安はアリアの胸中にこびりつく事となる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる