29 / 47
3st監禁
3st監禁ーその3-
しおりを挟む
最初にアリアにフーイが話し掛けてから半年の月日が経った。
その間にフーイは足しげくアリアの元へと足を運び、二人は共にお茶をしながら雑談をしたり買い物に出かけたりする仲になった。
親しくなるとフーイは気位は高いながらも面倒見が良く、意外にもアリアと話が合った。
人間界での事を引き摺って邪険にしていた事を申し訳なく思ったアリアが謝罪すると、彼女は自分だって悪かったのだからお互い様だし、自分は気にしていないのだから貴女も気にしなくていいと朗らかに笑いながら言った。
「気になっていたのだけれど、人間界に居た時にフーイはどうしてあそこまでレインに心酔していたの?」
ある日、二人でカフェでお茶をしながら雑談をしている時にふと思い浮かんだ事をフーイに聞いてみた。
「……ああ、うん、一言でいうとそうねぇ……とにかくレイン様にはカリスマ性があったって事かしら。
国内どころか近隣諸国随一の魔力量と精霊術のセンスを持っている上に、将来有望なあの美貌の持ち主じゃない?
それに、貴方は知らなかったかもしれないけれども、権謀能力も高いのよ。
高位精霊が仕える相手としてはこれ以上ないくらい素晴らしい主人としての素質の持ち主なのだから、契約を結んだ私の目に狂いは無かったって、鼻が高いなんて物じゃないわよ」
「権謀能力……」
アリアとヴァンを引き剥がす為に裏で色々とやっていた事を思い出し、何とも言えない苦い気持ちが湧きあがる。
「仕え甲斐がありすぎるのよねぇ。
無茶な要求をされてもそれをやり切った時の達成感と成果をあの方に認められた満足感が物凄い多幸感を与えてくれるのよ。
難易度の高い要求であれば、それだけ私がそれをこなせるだけの能力を有しているって信頼されているって思えるもの、信頼に応えたくなっちゃうじゃない。
貴女はそういうのなかったのかしら?」
フーイからの問いかけにアリアは確かにと頷く。
確かに、自分も最初にヴァンから制約により能力制限を掛けられた時、その不自由さに不満を覚えた。
しかも、その状態で任務を与えられた時には少しの怒りを覚えたが、その状態で如何に工夫して任務をこなすか、と考え練習、実践していく内に己の能力の限界を超える事にやりがいと達成感を味わうようになっていた。
仕える甲斐があったら心酔していくのは精霊の性とも言えよう。
レインは結構、我が儘なところもあったものね。
そうかつての無邪気な姿を思い出し、何故こうなってしまったのかとやるせない思いに気落ちする。
「貴女達を狙った時も、いかに貴女の主人にこちらの動きを気取られないか、いかに根回しをするかとか結構頭も力も使ったのよ?
レイン様には到底能力的には劣っていたけれども、その分道具や人脈を駆使してこちらの動きを阻害、妨害したりしてくれてたしね。
それさえなければ事はもっと早く進んでいたのよ」
「そうだったの」
「それに、最後の最後での精霊具を使った阻害、あれは完全に想定外だったもの。
あそこでああなるのはレイン様の予想を遥かに上回っていたし、悔しいけれど感心したわ」
「そう……」
寝る間も惜しんで作業をしていたヴァンの姿を思い出す。
いつだって自分の事は二の次でアリアの事を気にかけてくれていた。
だからアリアもヴァンの事を守りたくて身を守るための精霊具を贈ったのだ。
とても嬉しそうな表情で受け取り、いつも肌身離さず身に付けていてくれていたそれがまさかアリアとヴァンの身体を守ってくれるとは予想だにしていなかった。
「アリアデーレがいつも腕に着けているのってもしかしてあの時の精霊具かしら?
ちょっと見せて頂戴な」
そう言うとアリアが反応するよりも早く精霊具ごとフーイがアリアの腕を取った。
余りの早業に直ぐには反応できなかったアリアだが、ハッと我に返ると腕を引くがしっかりと握られているため全く外れない。
「離して頂戴」
「何よ、少しぐらい良いじゃない」
「それに触るな、離せ」
鋭い声でそう言うアリアに驚いたフーイの腕が緩んだ隙にアリアは腕を抜き取った。
精霊具ごと手首を握り荒れそうになる呼吸を整える。
「……これは、私の大切な物なの。勝手に触らないで頂戴」
「え、ええ、そうよね、貴女の主人との思い出の品だものね、勝手に触ってごめんなさい」
気まずい沈黙が二人の間に落ちる。
自分の行動が原因だからとしばらく黙っていたフーイだが、沈黙に耐え切れずにそうだと両手を打った。
「あ、そうだわ!お詫びに今度、私の家に遊びに来ない?
全力で歓迎するわ」
「フーイの家?」
「ええ」
そう言えばどの辺りに住んでいるとかを聞いた事が無かったなとアリアは思い至る。
よくよく考えてみれば、彼女がアリアと会う以外の時間の私生活をどう過ごしているのかも知らない。
知っている事と言えば彼女の好きな物や嫌いな物、趣味、最近あった出来事くらいだろうか。
彼女の真名に関しても聞いても「アリアが当ててみて」といたずら気に笑うだけで未だに当てる事が出来ていないため知らずにいる。
そんな彼女の私生活を垣間見る初めての機会に沈みかけていた気分が浮上した。
「少し辺鄙な場所にあるのだけれども、我ながらセンスのある素晴らしい家なのよ」
「そうなの?……うーん、それじゃあ、お邪魔しようかしら」
「本当?! 嬉しいわ!!」
フーイは今まで見た事のある中で一番の満面の笑みで嬉しそうに両手でアリアの手を取ってぶんぶんと上下に振るが、ハッと我に返り慌てて手を離した。
「ごめんなさい、さっきあんなに嫌がられたのにまた触ってしまったわ!」
「……ふふ、精霊具に触らなければ全然気にしないわ。私こそさっきはごめんなさい突然怒ったりして、気を悪くしたわよね」
「いいえ、元はと言えば私の無神経さが原因だものこちらこそ謝らなくては」
「いやいや、そんなこと」
二人で頭を下げあっているうちに何だか馬鹿らしくなりどちらからともなくクスクスと笑いだす。
さっき迄の重苦しい雰囲気は完全に霧散し、和やかな空気が戻った。
「じゃあ、早速招待したいわね!善は急げと言うし明日なんてどうかしら?」
「明日? 随分と急ね」
「それだけ嬉しいって事よ」
バチリとウインクをするフーイに訪問する事をそれだけ喜んでくれるのならアリアも悪い気はしない。
頬を緩ませながら首を縦に振る。
「フーイが迷惑でないのならそうするわ」
「迷惑なんかじゃないわよ!むしろ大歓迎!!じゃあ、明日家まで迎えに行くわね」
「ええ、そんな悪いわよ。住所さえ教えてくれたらこっちから伺うわ」
「ううん、私がそうしたいの。その、家に着くまでに途中で二人で美味しい物をお買い物して行きたいなと思ったのよ、どう?」
「いいわねそれ!楽しそう」
フーイからの提案にアリアは目を輝かせる。
ヴァンと共に人間界に居た時は香りを楽しむ事は出来ても食事をする事は出来なかったし、そもそも人間界では魔力供給が食事のかわりだった為、いつもみんなが美味しそうに食べるのを羨ましい気持ちで見ているだけだった。
その我慢した反動か、精霊界に戻ってからは色んな美味しいお店の情報を入手しては食べ歩く様になった。
人間界帰りの精霊はそうなる者が多く、食関連のお店が多く、また、長い寿命を持つ種族故に熟練の腕と技術を持ち合わせる者も多いため美味しいお店が多いのだ。
高位精霊御用達の彼女たちしか知らないお店もあると聞いた事がる。
もしかしたらそういうお店に行けるかもしれない。
「すっごく楽しみだわ!」
にこにことそう言うアリアにフーイも笑顔を返した。
「ええ、私も楽しみ」
その間にフーイは足しげくアリアの元へと足を運び、二人は共にお茶をしながら雑談をしたり買い物に出かけたりする仲になった。
親しくなるとフーイは気位は高いながらも面倒見が良く、意外にもアリアと話が合った。
人間界での事を引き摺って邪険にしていた事を申し訳なく思ったアリアが謝罪すると、彼女は自分だって悪かったのだからお互い様だし、自分は気にしていないのだから貴女も気にしなくていいと朗らかに笑いながら言った。
「気になっていたのだけれど、人間界に居た時にフーイはどうしてあそこまでレインに心酔していたの?」
ある日、二人でカフェでお茶をしながら雑談をしている時にふと思い浮かんだ事をフーイに聞いてみた。
「……ああ、うん、一言でいうとそうねぇ……とにかくレイン様にはカリスマ性があったって事かしら。
国内どころか近隣諸国随一の魔力量と精霊術のセンスを持っている上に、将来有望なあの美貌の持ち主じゃない?
それに、貴方は知らなかったかもしれないけれども、権謀能力も高いのよ。
高位精霊が仕える相手としてはこれ以上ないくらい素晴らしい主人としての素質の持ち主なのだから、契約を結んだ私の目に狂いは無かったって、鼻が高いなんて物じゃないわよ」
「権謀能力……」
アリアとヴァンを引き剥がす為に裏で色々とやっていた事を思い出し、何とも言えない苦い気持ちが湧きあがる。
「仕え甲斐がありすぎるのよねぇ。
無茶な要求をされてもそれをやり切った時の達成感と成果をあの方に認められた満足感が物凄い多幸感を与えてくれるのよ。
難易度の高い要求であれば、それだけ私がそれをこなせるだけの能力を有しているって信頼されているって思えるもの、信頼に応えたくなっちゃうじゃない。
貴女はそういうのなかったのかしら?」
フーイからの問いかけにアリアは確かにと頷く。
確かに、自分も最初にヴァンから制約により能力制限を掛けられた時、その不自由さに不満を覚えた。
しかも、その状態で任務を与えられた時には少しの怒りを覚えたが、その状態で如何に工夫して任務をこなすか、と考え練習、実践していく内に己の能力の限界を超える事にやりがいと達成感を味わうようになっていた。
仕える甲斐があったら心酔していくのは精霊の性とも言えよう。
レインは結構、我が儘なところもあったものね。
そうかつての無邪気な姿を思い出し、何故こうなってしまったのかとやるせない思いに気落ちする。
「貴女達を狙った時も、いかに貴女の主人にこちらの動きを気取られないか、いかに根回しをするかとか結構頭も力も使ったのよ?
レイン様には到底能力的には劣っていたけれども、その分道具や人脈を駆使してこちらの動きを阻害、妨害したりしてくれてたしね。
それさえなければ事はもっと早く進んでいたのよ」
「そうだったの」
「それに、最後の最後での精霊具を使った阻害、あれは完全に想定外だったもの。
あそこでああなるのはレイン様の予想を遥かに上回っていたし、悔しいけれど感心したわ」
「そう……」
寝る間も惜しんで作業をしていたヴァンの姿を思い出す。
いつだって自分の事は二の次でアリアの事を気にかけてくれていた。
だからアリアもヴァンの事を守りたくて身を守るための精霊具を贈ったのだ。
とても嬉しそうな表情で受け取り、いつも肌身離さず身に付けていてくれていたそれがまさかアリアとヴァンの身体を守ってくれるとは予想だにしていなかった。
「アリアデーレがいつも腕に着けているのってもしかしてあの時の精霊具かしら?
ちょっと見せて頂戴な」
そう言うとアリアが反応するよりも早く精霊具ごとフーイがアリアの腕を取った。
余りの早業に直ぐには反応できなかったアリアだが、ハッと我に返ると腕を引くがしっかりと握られているため全く外れない。
「離して頂戴」
「何よ、少しぐらい良いじゃない」
「それに触るな、離せ」
鋭い声でそう言うアリアに驚いたフーイの腕が緩んだ隙にアリアは腕を抜き取った。
精霊具ごと手首を握り荒れそうになる呼吸を整える。
「……これは、私の大切な物なの。勝手に触らないで頂戴」
「え、ええ、そうよね、貴女の主人との思い出の品だものね、勝手に触ってごめんなさい」
気まずい沈黙が二人の間に落ちる。
自分の行動が原因だからとしばらく黙っていたフーイだが、沈黙に耐え切れずにそうだと両手を打った。
「あ、そうだわ!お詫びに今度、私の家に遊びに来ない?
全力で歓迎するわ」
「フーイの家?」
「ええ」
そう言えばどの辺りに住んでいるとかを聞いた事が無かったなとアリアは思い至る。
よくよく考えてみれば、彼女がアリアと会う以外の時間の私生活をどう過ごしているのかも知らない。
知っている事と言えば彼女の好きな物や嫌いな物、趣味、最近あった出来事くらいだろうか。
彼女の真名に関しても聞いても「アリアが当ててみて」といたずら気に笑うだけで未だに当てる事が出来ていないため知らずにいる。
そんな彼女の私生活を垣間見る初めての機会に沈みかけていた気分が浮上した。
「少し辺鄙な場所にあるのだけれども、我ながらセンスのある素晴らしい家なのよ」
「そうなの?……うーん、それじゃあ、お邪魔しようかしら」
「本当?! 嬉しいわ!!」
フーイは今まで見た事のある中で一番の満面の笑みで嬉しそうに両手でアリアの手を取ってぶんぶんと上下に振るが、ハッと我に返り慌てて手を離した。
「ごめんなさい、さっきあんなに嫌がられたのにまた触ってしまったわ!」
「……ふふ、精霊具に触らなければ全然気にしないわ。私こそさっきはごめんなさい突然怒ったりして、気を悪くしたわよね」
「いいえ、元はと言えば私の無神経さが原因だものこちらこそ謝らなくては」
「いやいや、そんなこと」
二人で頭を下げあっているうちに何だか馬鹿らしくなりどちらからともなくクスクスと笑いだす。
さっき迄の重苦しい雰囲気は完全に霧散し、和やかな空気が戻った。
「じゃあ、早速招待したいわね!善は急げと言うし明日なんてどうかしら?」
「明日? 随分と急ね」
「それだけ嬉しいって事よ」
バチリとウインクをするフーイに訪問する事をそれだけ喜んでくれるのならアリアも悪い気はしない。
頬を緩ませながら首を縦に振る。
「フーイが迷惑でないのならそうするわ」
「迷惑なんかじゃないわよ!むしろ大歓迎!!じゃあ、明日家まで迎えに行くわね」
「ええ、そんな悪いわよ。住所さえ教えてくれたらこっちから伺うわ」
「ううん、私がそうしたいの。その、家に着くまでに途中で二人で美味しい物をお買い物して行きたいなと思ったのよ、どう?」
「いいわねそれ!楽しそう」
フーイからの提案にアリアは目を輝かせる。
ヴァンと共に人間界に居た時は香りを楽しむ事は出来ても食事をする事は出来なかったし、そもそも人間界では魔力供給が食事のかわりだった為、いつもみんなが美味しそうに食べるのを羨ましい気持ちで見ているだけだった。
その我慢した反動か、精霊界に戻ってからは色んな美味しいお店の情報を入手しては食べ歩く様になった。
人間界帰りの精霊はそうなる者が多く、食関連のお店が多く、また、長い寿命を持つ種族故に熟練の腕と技術を持ち合わせる者も多いため美味しいお店が多いのだ。
高位精霊御用達の彼女たちしか知らないお店もあると聞いた事がる。
もしかしたらそういうお店に行けるかもしれない。
「すっごく楽しみだわ!」
にこにことそう言うアリアにフーイも笑顔を返した。
「ええ、私も楽しみ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる