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18.杖ができた
天空の魔女 リプルとペブル
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18.杖ができた
「ほら、マーサもお願いしなさい」
イザベスが、トンとマーサの背を押す。
マーサは、静かに自分の枝をおじいさんに渡した。
おじいさんは、その枝を受け取って、自分のてのひらにはさんで、温めるようなしぐさをした。
しばらく、そのまま祈るように頭をたれていたが、目を開けると、うんとうなずき、マーサに杖を手渡した。
マーサは笑顔で「ありがとうございます」と、杖を受け取ると、そっと胸にあてた。
大げさな表現はしないけれど、ほおが少し赤らんでいて、マーサの喜びがじんわりと伝わってくる。
「最後は、お前さんかな?」
おじいさんがリプルに向かって手を差し出した。
「はい。よろしくお願いします」
リプルが大切そうに自分の枝を渡す。
おじいさんは、リプルの枝を受け取って、じっと見つめると「ほぉ」と感心したような声を出した。
「これは、どうして、なかなかのもんだ」
そう言うと、リプルの枝をボウボウと燃えている暖炉の火の中へ放りこんでしまった。
「ええっ! ちょっと! おじいさん」
と、さけんだペブルをリプルが手でとどめた。
おじいさんは、ペブルの声には見向きもせず、暖炉に向かって、朗々と歌うように呪文を唱える。
するとオレンジ色の火が徐々に黄金色に変わっていき、枝は、炎の中で青い光をおびてひときわまぶしく輝いた。
おじいさんは炎の中に手を入れて枝を取り出した。
ペブルは
「おじいさん、熱さに鈍感すぎる…」
と、つぶやき、リプルに軽くにらまれた。
「ほれ、できたぞ」
「あ、ありがとうございます」
手のひらに置かれた杖を見つめたリプルの顔に笑顔がこぼれる。
それは、手にじっくりとなじむ形と重さだった。
飴色の輝きをまとった杖は、見た目にも気品を感じさせる。
火の中に放り込まれていたのに、不思議なことに枝の先から1/3のところにツヤツヤした若い緑の葉っぱが1枚燃えることなくくっついていた。
「これで、今日のわしの仕事は全て終わったかな。やれやれ」
おじいさんは、そう言いながら、棚から分厚い百科事典のような本を出してくるとテーブルの上に置き、ページを開いた。
そこには、何人かの魔法使いが円になって火を囲んでいる絵が描かれている。
おじいさんが、おもむろに
「善き物は、強き魔法を、悪しき物は、正しき呪いを」
と、声を張り上げると、おじいさんは、たちまちガスみたいに軽いものになって、しゅーっとその本の中へと吸い込まれていった。
吸い込まれる瞬間に
「ごきげんよう」
と、ペプルたちに向かって片手をあげてみせた。
ペプルたちがおじいさんが吸い込まれた絵をのぞき込むと、さっきまで、ここにいたはずのおじいさんが、何食わぬ表情で、他の魔法使いと同じように円に加わっている。
「うわ-、すごい」
ペブルは、自分も本に吸い込まれないかなと、体をくの字に曲げて、頭を本の絵に向かってひょこんと伸ばしてみた。
もちろん、何も起こらなかった。
「何やってるんだ、ペブル。そろそろ帰らないと4時に間に合わないよ」
シズクにうながされて、ペブルは絵の中に入るのをあきらめた。
イザベスが、眉を高くあげ、肩をすくめた。
「まったく、あなたたちと一緒にいると、ふりまわされてばかりですわ」
ペブルは「は? イザベスがそれ言っちゃう?」と鼻にしわをよせた。
「ほら、マーサもお願いしなさい」
イザベスが、トンとマーサの背を押す。
マーサは、静かに自分の枝をおじいさんに渡した。
おじいさんは、その枝を受け取って、自分のてのひらにはさんで、温めるようなしぐさをした。
しばらく、そのまま祈るように頭をたれていたが、目を開けると、うんとうなずき、マーサに杖を手渡した。
マーサは笑顔で「ありがとうございます」と、杖を受け取ると、そっと胸にあてた。
大げさな表現はしないけれど、ほおが少し赤らんでいて、マーサの喜びがじんわりと伝わってくる。
「最後は、お前さんかな?」
おじいさんがリプルに向かって手を差し出した。
「はい。よろしくお願いします」
リプルが大切そうに自分の枝を渡す。
おじいさんは、リプルの枝を受け取って、じっと見つめると「ほぉ」と感心したような声を出した。
「これは、どうして、なかなかのもんだ」
そう言うと、リプルの枝をボウボウと燃えている暖炉の火の中へ放りこんでしまった。
「ええっ! ちょっと! おじいさん」
と、さけんだペブルをリプルが手でとどめた。
おじいさんは、ペブルの声には見向きもせず、暖炉に向かって、朗々と歌うように呪文を唱える。
するとオレンジ色の火が徐々に黄金色に変わっていき、枝は、炎の中で青い光をおびてひときわまぶしく輝いた。
おじいさんは炎の中に手を入れて枝を取り出した。
ペブルは
「おじいさん、熱さに鈍感すぎる…」
と、つぶやき、リプルに軽くにらまれた。
「ほれ、できたぞ」
「あ、ありがとうございます」
手のひらに置かれた杖を見つめたリプルの顔に笑顔がこぼれる。
それは、手にじっくりとなじむ形と重さだった。
飴色の輝きをまとった杖は、見た目にも気品を感じさせる。
火の中に放り込まれていたのに、不思議なことに枝の先から1/3のところにツヤツヤした若い緑の葉っぱが1枚燃えることなくくっついていた。
「これで、今日のわしの仕事は全て終わったかな。やれやれ」
おじいさんは、そう言いながら、棚から分厚い百科事典のような本を出してくるとテーブルの上に置き、ページを開いた。
そこには、何人かの魔法使いが円になって火を囲んでいる絵が描かれている。
おじいさんが、おもむろに
「善き物は、強き魔法を、悪しき物は、正しき呪いを」
と、声を張り上げると、おじいさんは、たちまちガスみたいに軽いものになって、しゅーっとその本の中へと吸い込まれていった。
吸い込まれる瞬間に
「ごきげんよう」
と、ペプルたちに向かって片手をあげてみせた。
ペプルたちがおじいさんが吸い込まれた絵をのぞき込むと、さっきまで、ここにいたはずのおじいさんが、何食わぬ表情で、他の魔法使いと同じように円に加わっている。
「うわ-、すごい」
ペブルは、自分も本に吸い込まれないかなと、体をくの字に曲げて、頭を本の絵に向かってひょこんと伸ばしてみた。
もちろん、何も起こらなかった。
「何やってるんだ、ペブル。そろそろ帰らないと4時に間に合わないよ」
シズクにうながされて、ペブルは絵の中に入るのをあきらめた。
イザベスが、眉を高くあげ、肩をすくめた。
「まったく、あなたたちと一緒にいると、ふりまわされてばかりですわ」
ペブルは「は? イザベスがそれ言っちゃう?」と鼻にしわをよせた。
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