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104.巨大な敵
天空の魔女 リプルとペブル
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104.巨大な敵
「イザベス、覚えてる? この傷を」
マーサの声は震えていた。
「本当は、あなたにこのこと思い出させたくないの。でも、それよりもイザベスに戻って来て欲しい。だからごめんなさい。思い出して」
「うっ」
マーサの腕の傷を目にしたイザベスが頭を抱えこむ。苦しそうだ。
「イザベス、あのクリスマスの夜よ」
「クリ、スマス…暖炉……」
マーサの声にハッと顔をあげたイザベス。でもその顔はまるで紙のように真っ白だった。
イザベスの瞳に一瞬、とまどいが浮かぶ。とまどいは感情の片りん。それは人ならざる者では持ちえない表出。
「マーサ。その傷。ごめんなさい。私のせい。私を守ろうとして」
イザベスが正気に戻った。
間髪入れず、ジールとロッドが両側からイザベスの手を取り押さえる。
「ランドーラ・テニエン・エスト」
正面からリプルとペブル、マーサが「分離」魔法を唱える。イザベスの体から闇の天魔を追い出すためだ。
七色の光がイザベスを包む。
イザベスが、みるみる苦しみはじめた。イザベスの苦しそうな表情に、リプルたちの顔もゆがむ。
でも、いくらイザベスが辛そうでもこの呪文をやめるわけにはいかない。
マーサの目からは涙が流れおちる。声がぶれる。それでも、マーサは勇気を振り絞って呪文を唱え続けた。
やがて、イザベスの頭がガクリと前に垂れた。
同時に、イザベスの背中からもくもくとガスのようなものがわき出てきた。
それは禍々しい気をまとっていた。
ジールとロッドは、そのガスを吸わないよう、空いている方の手で口と鼻を押さえた。
ガスは、建物の天井にまで上がったかと思うと、一度拡散してから、一つに固まった。
これまでリプルたちが戦ってきた、黒ブドウが十個ほどくっついたような大きさだった。
みあげれば天井に付くかという背の高さ。横もまるで壁のように広がっている。
ジールとロッドは、ぐったりしたままのイザベスを自分たちの背後に運んだ。
マーサが、ハンカチでイザベスの顔をふき、ブランケットで彼女の体を包んだ。
ブランケットは、柔らかな光を帯びて優しく光った。
一方、リプルとペブル、ジールとロッドは、イザベスの体から抜け出た巨大な敵との戦いに向けて体勢を整える。
「どうやら、これがここの主みたいね」
リプルの声にも緊張がまじる。
巨大な敵は、シューっという音とともに、黒いガスのようなものをはき出してきた。
「いくぞ」
ジールのかけ声に合わせて、ロッドが敵のふところに飛び込んでいった。
ジールとロッドは、あうんの呼吸で、左右から剣と斧で切りつけていく。
ペブルは、どでかいハンマーを担ぎ上げて、思い切り振り上げる。
そして、その反動でハンマーを敵の張り出したお腹のあたりにたたき込む。めりめりと鈍い音がして、巨大な敵の横っ腹にハンマーがめりこんだ。
「やった」
と、ペブルが思ったのもつかの間、めりこんだハンマーが抜けない。
ペブルは、慌てて力の限りにハンマーの柄を引っ張ったが、びくともしない。
「ペブル、どいて!!」
「イザベス、覚えてる? この傷を」
マーサの声は震えていた。
「本当は、あなたにこのこと思い出させたくないの。でも、それよりもイザベスに戻って来て欲しい。だからごめんなさい。思い出して」
「うっ」
マーサの腕の傷を目にしたイザベスが頭を抱えこむ。苦しそうだ。
「イザベス、あのクリスマスの夜よ」
「クリ、スマス…暖炉……」
マーサの声にハッと顔をあげたイザベス。でもその顔はまるで紙のように真っ白だった。
イザベスの瞳に一瞬、とまどいが浮かぶ。とまどいは感情の片りん。それは人ならざる者では持ちえない表出。
「マーサ。その傷。ごめんなさい。私のせい。私を守ろうとして」
イザベスが正気に戻った。
間髪入れず、ジールとロッドが両側からイザベスの手を取り押さえる。
「ランドーラ・テニエン・エスト」
正面からリプルとペブル、マーサが「分離」魔法を唱える。イザベスの体から闇の天魔を追い出すためだ。
七色の光がイザベスを包む。
イザベスが、みるみる苦しみはじめた。イザベスの苦しそうな表情に、リプルたちの顔もゆがむ。
でも、いくらイザベスが辛そうでもこの呪文をやめるわけにはいかない。
マーサの目からは涙が流れおちる。声がぶれる。それでも、マーサは勇気を振り絞って呪文を唱え続けた。
やがて、イザベスの頭がガクリと前に垂れた。
同時に、イザベスの背中からもくもくとガスのようなものがわき出てきた。
それは禍々しい気をまとっていた。
ジールとロッドは、そのガスを吸わないよう、空いている方の手で口と鼻を押さえた。
ガスは、建物の天井にまで上がったかと思うと、一度拡散してから、一つに固まった。
これまでリプルたちが戦ってきた、黒ブドウが十個ほどくっついたような大きさだった。
みあげれば天井に付くかという背の高さ。横もまるで壁のように広がっている。
ジールとロッドは、ぐったりしたままのイザベスを自分たちの背後に運んだ。
マーサが、ハンカチでイザベスの顔をふき、ブランケットで彼女の体を包んだ。
ブランケットは、柔らかな光を帯びて優しく光った。
一方、リプルとペブル、ジールとロッドは、イザベスの体から抜け出た巨大な敵との戦いに向けて体勢を整える。
「どうやら、これがここの主みたいね」
リプルの声にも緊張がまじる。
巨大な敵は、シューっという音とともに、黒いガスのようなものをはき出してきた。
「いくぞ」
ジールのかけ声に合わせて、ロッドが敵のふところに飛び込んでいった。
ジールとロッドは、あうんの呼吸で、左右から剣と斧で切りつけていく。
ペブルは、どでかいハンマーを担ぎ上げて、思い切り振り上げる。
そして、その反動でハンマーを敵の張り出したお腹のあたりにたたき込む。めりめりと鈍い音がして、巨大な敵の横っ腹にハンマーがめりこんだ。
「やった」
と、ペブルが思ったのもつかの間、めりこんだハンマーが抜けない。
ペブルは、慌てて力の限りにハンマーの柄を引っ張ったが、びくともしない。
「ペブル、どいて!!」
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