魔王の意味

狼姫

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第1章 魔王の誕生

第1話 魔王の誕生

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「あれ…?ここは……?」

辺りは真っ白で何一つない空間が広がっていた

「ちょっと整理しよう、俺は死んだ、確実に
ということは死後の世界なのかな?」

「死後の世界とはちょっと違うのぅ、ここは神界と呼ばれる場所じゃ、勝手ながら用があって呼ばせてもらった」

「んーと、神様?で良いのか??いや、良いのですか?」

「畏まらなくていい、単刀直入に言う

魔王になって欲しい」

「単刀直入過ぎる…」

「まぁ兎に角座れ、ゆっくり話しをしよう」

何時の間にか机と椅子が置いてあった…いやいや、いつ置いた?
謎過ぎる……

「其処はほら、神様パワーでちょちょいのちょいと」

「考えていること分かるんだな」

「神様じゃからの」

スルーだ、スルー 付き合っていたら時間の無駄だ

「所で、魔王になって欲しいということは?」

「スルーは地味に辛いのだがのぅ…まぁいい、魔王には幾つかの役割がある」

「役割?」

どういうことだ?

「今から説明しよう

一つ、文明の後退
二つ、人間の間引き
三つ、人間の団結を促進

要するに、自滅しないように文明を後退させ
食料問題等を解決する為に数を減らし
少しでも平和になるよう団結を促す

巨大な敵、自分達では対処出来ないのなら他人の手を借りるしかないだろう?
魔王という巨大な敵を出現させ、みんなで対処する要に促すのだよ」

「把握、何で俺なんだ?他にもいるだろ」

「其れはな、闇の心を持ち
尚且つ光の心を少なからず持っているからじゃよ」

「な訳あるか、光は敵だ
正義だのなんだのくだらない」

本当に、くだらない

「何でそう思うのかの?」

「正義、悪、これらは立場が変われば違う風に捉えられるからだ
例えば、盗賊がいたとして 強奪したら、された側としては悪だが した側で生きる為に行ったのなら正義だ、やらないと死ぬのだからな
所詮、立場が変われば価値観も違うものだ」

「その通りだ、だからこそ君に頼みたいのじゃよ
君は真っ黒にはなっておらん、普通なら恨みや憎しみで真っ黒なのじゃがの

孤独の苦しみを理解している君に、な?」

「……仕方ない、乗り気ではないのだが」

「感謝する、あっちに送ろう
詳しくは向こうで確認してくれ、ナビゲーターも付けるのでな」


こうして、俺の魔王の生活が始まった…
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