16 / 194
第一章
十六話【儚い思い】
しおりを挟む
通りで聞いた武器屋を目指し、町を歩くふたり。
「私も最初に手に入れた杖で魔法が撃ちづらいと思ってたのだが、奪われてから事実を知り、陣に魔力を送るだけなら、もう少し戦えたはずと、ずっと後悔していたのだ……」
「なんの魔法だったんだ?」
「それも分からず仕舞だ……」
世知辛い……
もし世界が用意していたスワロ用の杖なら、強力な魔法が付与されていた事だろう……
それを知らずスワロは強引に、付与された魔法とは違う得意な魔法を使っていたのだ。
使いこなせない訳だ……
暗い気持ちになるふたりが、武器屋に着く。
大きな店には武具が並び、異世界ならではのデザインに、やや機嫌を取り戻す惣一郎。
どの武具にも陣だろう紋様が刻まれている。
矢を跳ね返す突風を生む鎧。
だが自動では無い、魔力を込めねば発動しない。
火を吹く剣。
ダンジョン産で見た様な紋様だ……
温かい外套。
地球産で十分……
射速を生む弓矢。
う、うん……
水が湧き出す手袋。
何に?
どれも高額だが、パッとしない物ばかりであった。
杖のコーナーでは、多くの木の杖に札がかけられており、雷陣に水陣、炎陣や風陣などが書かれていた。
しかも多くは、惣一郎が持つ杖より遥かに短い。
用途に合わせて数本懐に仕舞えるサイズなのだろう。
大きいのは上級の攻撃魔法かな?
30cm位のは生活魔法が多そうだ。
コレじゃ、厄災なんか討伐出来る訳がない。
それでも杖を持てば…… 魔力さえあれば、誰でも直ぐに魔法が撃てるのだ。
使用回数は、持ち主次第だが……
ガッカリと肩を落とす惣一郎。
違う…… 違うよコレは……
スワロに慰められながら、店を出る惣一郎。
「そう落ち込むな、我が主人よ! どうせ必要無いではないか」
「俺も光剣、撃ちたかったな~」
「さっ、探せば、あるかも知れんぞ、光剣の杖」
「…………」
落ち込む惣一郎が、隣の道具屋でマジックポーチらしい物を見つける。
「へ~ あるじゃんマジックポー……」
金額が金貨23,000枚!
厳重に飾られている訳だ……
「たか! スワロ、強盗に入るか!」
すると店主が笑いながら、
「あっははは、お辞めなさい。それは見せ物のただのポーチですので。本物は別の場所でちゃんと保管してますよ」
「ははは~ 冗談ですよ! 多分…… 主人?」
「ははは、ポーチでこの金額じゃ、バッグはもっと高いのか?」
「ええ、内容量も金額もこの10倍はしますな」
「「「 あははは~ 」」」
店内には、他に薬草や毒消しなど薬関係も様々売っていた。
「回復薬なんかは無いのですか?」
「ございますよ、高額なのでカウンターの向こうに、お求めですか?」
「因みに効果と金額は?」
「回復薬小で骨折や風邪が治ります。金額は金貨120枚で、回復薬中は……」
「いえ、結構です! すいません高すぎる」
「まぁ、命には変えられませんからね~」
「えっ、瀕死からも回復出来る感じ?」
「ええ、回復薬大なら、生きていれば概ね回復しますよ、四肢の欠損なんかは無理ですがね」
ほぉ~ 前の超回復薬みたいな感じか……
万が一の為に、持ってはおきたいよな~ スワロもいるし。
「因みにおいくらですか?」
「大は金貨2,000枚ですね」
しれっと良く言えるなコイツ……
「まぁ、材料が貴重ですからね~」
「………」
惣一郎は情報に礼を言い、薬草をいくつか購入して店を出る。
「スワロ、収集家が集まる店なら情報集まりそうだな」
「あっ、ああ、そうかもな、さすが我が主人!」
だが、この街には無かった……
「ガッハハハ~ そりゃ高いのは当たり前だ」
笑いすぎだゾイド……
風呂が出来るまで庭を借りる事になった惣一郎は、賃料に夕食を作っていた。
夕食は、朝買った天ぷらが大量なので、天丼を作っていた。
「なぁ、回復薬の貴重な材料ってなんなんだ?」
「なんだお前さん知らんのか? 大型の蟲の魔石だ! 奴らが共食いする狙いも魔石だから、滅多に手に入らんのだ」
「なるほど…… コレだったのか」
惣一郎はこの前倒したクワガタとゲジゲジの魔石を取り出し、テーブルに置く。
「おいおい、なんでそんな高価なもん持ってんだ。早く仕舞え仕舞え! 誰かに見られたら狙われるぞ」
そうなんだ……
「私も最初に手に入れた杖で魔法が撃ちづらいと思ってたのだが、奪われてから事実を知り、陣に魔力を送るだけなら、もう少し戦えたはずと、ずっと後悔していたのだ……」
「なんの魔法だったんだ?」
「それも分からず仕舞だ……」
世知辛い……
もし世界が用意していたスワロ用の杖なら、強力な魔法が付与されていた事だろう……
それを知らずスワロは強引に、付与された魔法とは違う得意な魔法を使っていたのだ。
使いこなせない訳だ……
暗い気持ちになるふたりが、武器屋に着く。
大きな店には武具が並び、異世界ならではのデザインに、やや機嫌を取り戻す惣一郎。
どの武具にも陣だろう紋様が刻まれている。
矢を跳ね返す突風を生む鎧。
だが自動では無い、魔力を込めねば発動しない。
火を吹く剣。
ダンジョン産で見た様な紋様だ……
温かい外套。
地球産で十分……
射速を生む弓矢。
う、うん……
水が湧き出す手袋。
何に?
どれも高額だが、パッとしない物ばかりであった。
杖のコーナーでは、多くの木の杖に札がかけられており、雷陣に水陣、炎陣や風陣などが書かれていた。
しかも多くは、惣一郎が持つ杖より遥かに短い。
用途に合わせて数本懐に仕舞えるサイズなのだろう。
大きいのは上級の攻撃魔法かな?
30cm位のは生活魔法が多そうだ。
コレじゃ、厄災なんか討伐出来る訳がない。
それでも杖を持てば…… 魔力さえあれば、誰でも直ぐに魔法が撃てるのだ。
使用回数は、持ち主次第だが……
ガッカリと肩を落とす惣一郎。
違う…… 違うよコレは……
スワロに慰められながら、店を出る惣一郎。
「そう落ち込むな、我が主人よ! どうせ必要無いではないか」
「俺も光剣、撃ちたかったな~」
「さっ、探せば、あるかも知れんぞ、光剣の杖」
「…………」
落ち込む惣一郎が、隣の道具屋でマジックポーチらしい物を見つける。
「へ~ あるじゃんマジックポー……」
金額が金貨23,000枚!
厳重に飾られている訳だ……
「たか! スワロ、強盗に入るか!」
すると店主が笑いながら、
「あっははは、お辞めなさい。それは見せ物のただのポーチですので。本物は別の場所でちゃんと保管してますよ」
「ははは~ 冗談ですよ! 多分…… 主人?」
「ははは、ポーチでこの金額じゃ、バッグはもっと高いのか?」
「ええ、内容量も金額もこの10倍はしますな」
「「「 あははは~ 」」」
店内には、他に薬草や毒消しなど薬関係も様々売っていた。
「回復薬なんかは無いのですか?」
「ございますよ、高額なのでカウンターの向こうに、お求めですか?」
「因みに効果と金額は?」
「回復薬小で骨折や風邪が治ります。金額は金貨120枚で、回復薬中は……」
「いえ、結構です! すいません高すぎる」
「まぁ、命には変えられませんからね~」
「えっ、瀕死からも回復出来る感じ?」
「ええ、回復薬大なら、生きていれば概ね回復しますよ、四肢の欠損なんかは無理ですがね」
ほぉ~ 前の超回復薬みたいな感じか……
万が一の為に、持ってはおきたいよな~ スワロもいるし。
「因みにおいくらですか?」
「大は金貨2,000枚ですね」
しれっと良く言えるなコイツ……
「まぁ、材料が貴重ですからね~」
「………」
惣一郎は情報に礼を言い、薬草をいくつか購入して店を出る。
「スワロ、収集家が集まる店なら情報集まりそうだな」
「あっ、ああ、そうかもな、さすが我が主人!」
だが、この街には無かった……
「ガッハハハ~ そりゃ高いのは当たり前だ」
笑いすぎだゾイド……
風呂が出来るまで庭を借りる事になった惣一郎は、賃料に夕食を作っていた。
夕食は、朝買った天ぷらが大量なので、天丼を作っていた。
「なぁ、回復薬の貴重な材料ってなんなんだ?」
「なんだお前さん知らんのか? 大型の蟲の魔石だ! 奴らが共食いする狙いも魔石だから、滅多に手に入らんのだ」
「なるほど…… コレだったのか」
惣一郎はこの前倒したクワガタとゲジゲジの魔石を取り出し、テーブルに置く。
「おいおい、なんでそんな高価なもん持ってんだ。早く仕舞え仕舞え! 誰かに見られたら狙われるぞ」
そうなんだ……
25
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる