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第四章

四十一話 【駆除】

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結局、ロウガ達冒険者6人と、クロイツを含む騎士3人が、途中まで付いてくる事になった。

その準備に今日一日欲しいと言われ、もう一泊する事になる。

惣一郎の「厄災の死骸は売れるのか?」との問いに、硬い外殻は高額で売れるそうなので、マジックバッグをできる限り用意して、後から回収しながらついてくる事、素材は国の復興に使う事を約束させ、出直す事になる。

テントに戻る惣一郎、雨はまだ降っていた。




翌日、降り続いた雨は嘘の様に晴れ、惣一郎達はまた基地へと向かう。

そこには、随分と重装備の騎士と冒険者がいた。

「惣一郎殿、ではよろしくお願いします」

大所帯になった惣一郎達は、南へ旧マイズの村を目指す。

同伴者がいなければ、サクッとクロの荷車で行けたのだが、クロイツの言い分もわかる。

仕方ないとのんびり歩いて向かう事になった。

しばらくは何事もなく進んでいたが、ブーンと羽音を響かせ、斥候だろう三匹の大きなススメバチが登場する。

デカ! 実物を見て蜂のデカさに、驚く惣一郎。

「いよいよですね、惣一郎殿! ここは私が!」

そう言うとスワロは呪羅流眠を構え、光剣を作り出す。

8本、16本と数を増やし光線となって蜂に降り注ぐ。

耐える蜂であったが、同じ場所を連続で刺さる光剣に、外殻は崩れ一匹を見事に光剣5本で倒す。

続け様に二匹目、三匹目もスワロの光剣の餌食になる。

「「「 おおおおお~ 」」」

「おお、さすが光剣の大魔導士! 魔法であの厄災を倒すとは信じられん……」

ロウガは驚きの声を上げ、スワロを絶賛していた。

クロイツも驚きを隠せなかったが、魔法は魔力が尽きれば終わりだと、まだ納得していないご様子。

そこにまた、三匹が現れる。

「次、ベンゾウ!」

緊張感なく、まるで遊びの順番の事の様にベンゾウが、腰から怪しく光る2本の小刀、美善國家と美善國千代を抜く。

瞬時に銀の疾風と化す閃光の乙女は、三匹の間をするりとすり抜け、宙を舞うと蜂から黒い波紋が広がり、パン!っと大きな音が遅れてやって来る。

三匹の蜂は、六個の残骸へと崩れ落ちた。

「「「 おおおおお~ 」」」

これには流石にロウガより先に、クロイツが驚きの声を上げる。

「剣で、あんな短い剣で、あの厄災を切ったと言うのか!」

するとロウガが、

「クロイツ殿もういいだろう。ご覧の通りだ、我々は邪魔になるだけだ。 ここは惣一郎殿を、ジビカガイライを信じましょう」

無言で何度もコクコクと返事をするクロイツ。

そこにまた五匹の厄災が現れる。

「本当に多いな~」と呑気な惣一郎はダメ押しと、蜂用の殺虫スプレージェットタイプを出し、シューっと横一の字に吹きかける。

バタバタと近づくや落ちていくスズメバチは、足を動かし絶命する。

五匹とも……

これには騎士や冒険者はもちろん、スワロも驚きを隠せずに固まっていた。

沈黙を破ったのはクロイツだった。

「な、な、何を、何をしたんだ……」

「魔法です。これでわかって貰えましたね? 後はお任せ下さい。このゴキコロリに」

そう言うと惣一郎は倒した、十一匹の蜂を持って帰る様に指示して、3日後に人とマジックバックを集め回収に来る様に言うと、先へと歩き出した。

ロウガ達もクロイツ達も、言葉が出なかった……

騎士と冒険者達が我に戻ったのは、惣一郎の姿が見えなくなってからだった。

急に心細くなり、朝早くから装備を着込んだのが恥ずかしく、言われた通り蜂を回収すると、早歩きで基地へと戻っていった。





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