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第七章

三話 【通過儀礼】

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「ご主人様、お腹減った」

そう言えば今、何時ぐらいなのだろうか?

準備が足らなかった様だ。

ダンジョンの中では時間が分かりずらいと、腕時計を購入。

正確な時間は分からないが、ベンゾウが腹減ったと言う今を18時とセットする。

モモに近くでテント置ける場所を探してもらうと、すぐ先を左に曲がると行き止まりの場所があると言う。

そこで休む事にする。

十分な広さの空間にテントを出し、中へと入る。

これには、バオとビルゲンも開いた口が塞がらない様だ。

中は、人数が増えると見越して模様替えがしてあった。

バオとビルゲンにベッドを案内して、すぐ使わない荷物は置いておく様に勧める。

「まさか、ダンジョンの中でこんな高級な宿に泊まれるとは、思っても見ませんでした」

惣一郎のマジックバッグを使わないスキルが、凄すぎると大絶賛。

「まさか、自宅を持ち運んで旅が出来るとは」

その後も、惣一郎が夕飯の支度をしている間も、バオの誉め殺しは続いていた。

どれだけ金儲けが出来るかとか、世界制覇なんて夢じゃ無いとか、惣一郎には全く興味が無い話だった。

「バオ、内緒で頼むよ。面倒臭い事は避けたいし、分かるよね」

「りょ、了解した」

ビルゲンもコクコク頷く。

テーブルに、焼いた分厚い牛肉に、市販のニンニク醤油のステーキソースをかけ、ジャガイモをホワイトソースに絡め、チーズをたっぷりかけて焼いた付け合わせを一緒に皿に盛る。

パンとご飯両方用意して、みんなで食べる。

これも驚きながら、バオとビルゲンは涙を流しながら食べていた。

食後、夢心地のふたりに、ベンゾウ達と風呂に入る様に勧める。

モモに面倒を見るように頼み、外に出した風呂用のテントに送り出す。

片付けをしている惣一郎にまで、バオの驚く声は聞こえてくる。

みんなが通る道だ、早く慣れてくれ。

さっぱりして、天国にでも行ってる様な表情のふたりに、熱った身体にはコレだと、アイスを出し、惣一郎も風呂に入る。

のんびり足を伸ばして湯船に浸かる、最高の時間であった。

バオの騒ぐ声がなければ……

さっぱりした惣一郎は、風呂をクリーンで綺麗にすると、収納してテントに戻る。

そこにはバオとビルゲンが土下座で、惣一郎を出迎えてくれた。

何事?

聞けば、ベンゾウとモモが着ている下着が欲しいそうです。

ベンゾウとモモが、大人の魅力たっぷりの格好で自慢げにポージングし、バオとビルゲンのふたりを挑発しまくっていた。

ん~「断る!」

惣一郎の返事に、愕然とするふたりを無視して、ベッドに入る。

翌朝? 体感で目が覚めて時計を見ると5:42と、あってるかどうかわからない朝を迎える。

乾電池式の照明を付けて、朝食の準備をする。

ベーコンが焼ける匂いでみんなが起き出し、惣一郎は料理をしながら、起きて来た順番でクリーンをかける。

バオが、朝からうるさい……

パンとベーコンエッグとサラダとヨーグルトをみんなに配り、どっかの寮のおばちゃんの様な惣一郎だった。

まぁ、これでダンジョンの中でも問題なく寝れる事がわかった。

じゃ頑張って、攻略して行きますか!





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