異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

文字の大きさ
389 / 409
第十七章

十八話 【大掃除!】

しおりを挟む
「ちょベンゾウ! 弁慶! 俺また若返ったみたい…… って、なんでまだ裸なのよ」

「いやぁ~」

「ご主人様は、ご主人様だよ!」

「いいから服着ろよ!」

エリクサーで怪我が治ったどころか、失った左腕も元通り生え、若返った惣一郎。

「アハッ、わっか~!」

テンション高く、鏡を見ていた。

「出かけるんじゃないの?」

「ああ、そうだった。島に戻るぞ。遅かれ早かれミルドラは王の存在に気づくだろう、これ以上強くさせない為に、先に島の厄災を掃除しなきゃな! 奴らの行き着く先も島だろうし」

惣一郎は服を着たベンゾウ達と部屋を出ると、セシルとクロを連れ出し、施設へ向かう。

「惣一郎殿!」

杖をついたゼリオスが、声をかける。

「我々も戦います!」

「その足じゃ、まだ無理だろ!」

「魔法を撃つのに、足は関係ありません!」

回復薬はまだ温存しておきたいし、戦力は多いに越した事がないんだが……

「セシル、予定変更だ! ゼリオスの足の治療を! それとワイドンテも近くに来てる。彼らの力も借りたい、説明を頼む」

「分かりました。必ず説得して見せます」

いや普通に言えば来そうだが……

「ゼリオスも治療してから来てくれ! 直ぐにミコ達も戻って来るだろう。ギドには悪いが、ツナマヨ達の迎えも頼むと伝えてくれ! 島に行けば厄災との連戦だ。万全の体調で来てくれ! クロ、セシルの護衛を頼むぞ」

「わ、分かりました、すぐに追いかけます」

「あいわかった、セシルは我が守ろう」

「じゃ俺たちは先に暴れてるから!」

そう言うと惣一郎達は、サーズリを連れて島へ戻る。




島の転移施設で、もう一人の施設職員コキアに、後から大勢の来ると伝え、砂浜に出る。

惣一郎はテントを新しく出すと、サーズリに魔石のついたアクセサリーを渡す。

「俺たちは、先に島で始めるよ! 他の連中が来たら連絡くれ、夜には戻る。それと厄災の数も多い! 戦えそうな冒険者に声をかけて欲しいんだ」

「わ、分かりました。ですが、厄災が相手となると限られてきますが……」

「ああ、武器は俺が貸し出す。サーズリが戦えそうと思う奴だけでいいよ」

惣一郎達は理喪棍を掴むと、パッと姿を消す。




厄災の島まで瞬間移動でひとっ飛びであった。

島に着くと惣一郎は、サーチを広範囲で唱える!

「やっぱ結構いるな~ ミルドラが気付く前に掃除、終わるかな~」

「ベンゾウ、頑張るよ!」

「アタイも、負けないぜ!」

「あはは、若返った俺を舐めるなよ!」

惣一郎の言葉に、何故か競走の様な雰囲気になり、ベンゾウと弁慶が真逆に走り出した!

いやいや、えっ? ソロなの?

固まる惣一郎の耳に、弁慶が走り去った方から、大きな音が聞こえて来る。

まぁ、アイツらなら問題ないか……

惣一郎は理喪棍にまたがると、空に飛び上がり、島の上空から、殺虫剤を振り撒き始める。

『ベンゾウ、弁慶、マスクしろよ~』

ふたりが向かった方から、厄災の悲鳴の様な鳴声と、大きな打撃音が続く。





夢中で戦う惣一郎達。

気がつくと、陽は水平線に沈もうとしていた。

上空から薬を散布し続けた惣一郎が、サーチでふたりを探し、瞬間移動する。

「マジで便利な魔法だな!」

肩を揺らし息が上がった弁慶が、

「だ、旦那様は、ハァハァ随分と余裕だな」

「ああ、空から薬を撒いてただけだしな! でも殺虫剤が効く厄災は、結構倒したぞ!」

「ずる……い! ハァハァ」

弁慶も大きな厄災を4匹も単独で倒していた。

どれも潰れて、原型が分からないほどだった。

「今日はここまでだな、ベンゾウを拾って帰ろう」




瞬間移動で現れた惣一郎に驚き、背中に何か隠すベンゾウ。

周りには、切り刻まれた結構な数の厄災と、島に生えていたバナナの皮が、無数に落ちていた。

「なるほど、夕飯は要らないと?」

「違うの! 厄災が食べてたの! それで、どんな味かな~って、ちょっと食べてみただけなの!」

厄災が皮剥くか!

それでも10匹以上の厄災が倒れている。

「ま、数でいったら俺の圧勝だな!」

「ご主人様が倒したのは、弱っちいのでしょ!」

「そうだ! アタイのは全部大きいぞ!」

文句を言い続けるふたりを連れて、施設のある島に戻る。





島に戻ると、ミコ達が到着しており、

「旦那ぁ、連絡したのになんで迎えに来ないんだよ!」

っと怒っていた。

いや、夕方だし、来てもすぐ戻る様だし……

「まぁ、大掃除は明日からが本番って事で!」





しおりを挟む
感想 67

あなたにおすすめの小説

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

処理中です...