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第十八章
十八話 【助け愛】
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ベンゾウの肩に掴まり、起きるあがる惣一郎。
弁慶が隣で唾を吐くと、歯が転がる。
「旦那様、いけるか?」
「ったり前だ」 っぺ!
惣一郎も黒い血を吐き捨てる。
そうは言ってもピンチには変わりない。
考えろ、考えろ!
4匹の厄災の真ん中で、勝ち誇った顔のミルドラ。
ムカつく!
どうする! 何かネットショップで有効な……
睨みつけながらも考えを廻らせる惣一郎に、上空の太陽の中から影が落ちてくるのが見えた。
影は、上空をホバリングしてるオニヤンマの背中に、大きな穴を開けて地面に激突する!
「いって~、ジジイ! 解除が遅えんだよ!」
「ミコ!」
驚く、惣一郎達の後ろから、
「アホ! とっくに解除しちょるわ」
「ギリアーク! ギド!」
突然現れた仲間に、驚いたのは惣一郎達だけではなかった。
驚くミルドラの後方から、氷の矢が飛んで来る!
直前で気付いたカブトムシが、ミルドラとの間に割って入ると、氷の矢がカブトムシの硬い外殻に刺さる!
いや、刺さったのではなく、凍り付く。
その場所から勢いよく、凍り始めるカブトムシ。
「ビルゲン! ゼリオス!」
遅れて落ちてきたオニヤンマ。
胴体に大穴を開けるも、まだ動いている。
「私もいるぞ!」
落ちたオニヤンマの大きな頭が、ゴロンと転がり離れる。
その影から現れた、日本刀を振り抜いたままのツナマヨ。
「おまえら……」
余裕を浮かべたミルドラの顔が、また怒りで曇っていく。
「いよいよ大詰めだな、旦那」
「近付くと、魔力がここまで凶々しいとは」
「他のみんなは!」
「一度にここまで来れるのは、この人数だけだ」
「だが、みんなも戦ってるぜ!」
「ええ、惣一郎殿! 近くで次元が開き、厄災が出現しています。どうやらその元凶はそちらの方の様で」
「惣一郎様! バオもみんなと他の厄災退治に向かいました。心配は無用です! さっさと終わらせましょう」
「長引けば、厄災がどんどん現れるぞ! お前さんらの魔力は異常じゃ、さっさと終わらせい」
魔力が溜まり、次元から厄災が現れるか……
確かに不味いな。
「助かる、周りの厄災は任せていいか!」
「いいから、さっさとミルドラを倒しちまえよ、旦那!」
みんな……
「ベンゾウ、弁慶! ミルドラを連れて離れるぞ」
そう言いと惣一郎は、左腕肩付近をキツく縛る様にと、弁慶に紐を渡す。
折れた腕が痛々しい。
弁慶も言われた通り、惣一郎の折れて血を流す腕を縛ると、惣一郎が出した刀が、左腕を切り落とす!
「なっ、何を!」
顔を歪める惣一郎は、青く燃える左腕で、落とした左腕を拾い、アイテムボックスに収納する。
右手に持つ理喪棍を二人に握らすと、
「さぁ…… 行くぞ!」
っと、姿を消す。
厄災と戦い始めるミコ達に、気を取られたミルドラの背後に現れた惣一郎!
瞬時に島の離れた場所に飛び、孤立させる。
景色が変わった事に驚くも、すぐに背後の惣一郎へ短剣が襲いかかる!
それを幻腕で掴み、受け止める惣一郎。
サーチも常時発動している。
伸び切ったその腕を、ベンゾウが小刀で斬りかかる!
だが、この國家を持ってしても、ミルドラの腕に骨までも届かなかった。
そこに弁慶の侃護斧が、小刀の背に撃ち込まれる!
ガキン!
慌てた様子で距離を取るミルドラ。
惣一郎の青く燃える腕には、ミルドラの腕が、掴まれたままだった。
「キシャーーーギギギギギーーー!」
もう、かろうじて残ってた、ベリルの面影も無いミルドラ。
蟲の顔で怒りを表し、片方だけの触覚が、ジジジ、ジジジっと小刻みに震える。
すると、スカート部分に思われた場所が前開きに広がり、第三、第四の腕である事に気付く!
蜂の様な針をつけた尻尾。
虫で言う腹部が現れる。
「ベンゾウ、弁慶、今まで隠し守ってたって事はあそこが弱点の可能性が高い!」
コクンと頷くベンゾウ。
深く息を吐き、クルリと侃護斧を回し、腰を落とす弁慶。
惣一郎の顔は青くも、その目は何も諦めていなかった。
弁慶が隣で唾を吐くと、歯が転がる。
「旦那様、いけるか?」
「ったり前だ」 っぺ!
惣一郎も黒い血を吐き捨てる。
そうは言ってもピンチには変わりない。
考えろ、考えろ!
4匹の厄災の真ん中で、勝ち誇った顔のミルドラ。
ムカつく!
どうする! 何かネットショップで有効な……
睨みつけながらも考えを廻らせる惣一郎に、上空の太陽の中から影が落ちてくるのが見えた。
影は、上空をホバリングしてるオニヤンマの背中に、大きな穴を開けて地面に激突する!
「いって~、ジジイ! 解除が遅えんだよ!」
「ミコ!」
驚く、惣一郎達の後ろから、
「アホ! とっくに解除しちょるわ」
「ギリアーク! ギド!」
突然現れた仲間に、驚いたのは惣一郎達だけではなかった。
驚くミルドラの後方から、氷の矢が飛んで来る!
直前で気付いたカブトムシが、ミルドラとの間に割って入ると、氷の矢がカブトムシの硬い外殻に刺さる!
いや、刺さったのではなく、凍り付く。
その場所から勢いよく、凍り始めるカブトムシ。
「ビルゲン! ゼリオス!」
遅れて落ちてきたオニヤンマ。
胴体に大穴を開けるも、まだ動いている。
「私もいるぞ!」
落ちたオニヤンマの大きな頭が、ゴロンと転がり離れる。
その影から現れた、日本刀を振り抜いたままのツナマヨ。
「おまえら……」
余裕を浮かべたミルドラの顔が、また怒りで曇っていく。
「いよいよ大詰めだな、旦那」
「近付くと、魔力がここまで凶々しいとは」
「他のみんなは!」
「一度にここまで来れるのは、この人数だけだ」
「だが、みんなも戦ってるぜ!」
「ええ、惣一郎殿! 近くで次元が開き、厄災が出現しています。どうやらその元凶はそちらの方の様で」
「惣一郎様! バオもみんなと他の厄災退治に向かいました。心配は無用です! さっさと終わらせましょう」
「長引けば、厄災がどんどん現れるぞ! お前さんらの魔力は異常じゃ、さっさと終わらせい」
魔力が溜まり、次元から厄災が現れるか……
確かに不味いな。
「助かる、周りの厄災は任せていいか!」
「いいから、さっさとミルドラを倒しちまえよ、旦那!」
みんな……
「ベンゾウ、弁慶! ミルドラを連れて離れるぞ」
そう言いと惣一郎は、左腕肩付近をキツく縛る様にと、弁慶に紐を渡す。
折れた腕が痛々しい。
弁慶も言われた通り、惣一郎の折れて血を流す腕を縛ると、惣一郎が出した刀が、左腕を切り落とす!
「なっ、何を!」
顔を歪める惣一郎は、青く燃える左腕で、落とした左腕を拾い、アイテムボックスに収納する。
右手に持つ理喪棍を二人に握らすと、
「さぁ…… 行くぞ!」
っと、姿を消す。
厄災と戦い始めるミコ達に、気を取られたミルドラの背後に現れた惣一郎!
瞬時に島の離れた場所に飛び、孤立させる。
景色が変わった事に驚くも、すぐに背後の惣一郎へ短剣が襲いかかる!
それを幻腕で掴み、受け止める惣一郎。
サーチも常時発動している。
伸び切ったその腕を、ベンゾウが小刀で斬りかかる!
だが、この國家を持ってしても、ミルドラの腕に骨までも届かなかった。
そこに弁慶の侃護斧が、小刀の背に撃ち込まれる!
ガキン!
慌てた様子で距離を取るミルドラ。
惣一郎の青く燃える腕には、ミルドラの腕が、掴まれたままだった。
「キシャーーーギギギギギーーー!」
もう、かろうじて残ってた、ベリルの面影も無いミルドラ。
蟲の顔で怒りを表し、片方だけの触覚が、ジジジ、ジジジっと小刻みに震える。
すると、スカート部分に思われた場所が前開きに広がり、第三、第四の腕である事に気付く!
蜂の様な針をつけた尻尾。
虫で言う腹部が現れる。
「ベンゾウ、弁慶、今まで隠し守ってたって事はあそこが弱点の可能性が高い!」
コクンと頷くベンゾウ。
深く息を吐き、クルリと侃護斧を回し、腰を落とす弁慶。
惣一郎の顔は青くも、その目は何も諦めていなかった。
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