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第一章
俺、留学する!
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「俺、留学する。」
始業前の教室でユーリが突然宣言した。
「ふ~ん。」
また、何か思い付いたのか。とマックは軽く返事をした。
「今度は本気だ!」
「はいはい。頑張ってね。」
隣の席のミユルが声を掛けた。
少し前に転校してきた子だ。グループ行動でいつも一緒にいるため、仲良くなったのだ。マックと同じ、タクーン星から引っ越してきた女の子なんだけど、さばさばしていて男の子みたいで、すぐにクラスに打ち解けた。
「ミユル、今度は〈半年〉に食券一枚。」
「いやいや、〈一ヶ月〉に二枚!」
ミユルも乗ってきた。
とにかく、ユーリは思い付いてすぐ行動するタイプだが、飽きるのも早かった。そんな彼の行動をよく知っている二人は食堂の食券を賭けて遊んでいた。
「ふふん。〈意志を通す〉に十枚だ!」
自ら参戦のユーリに、ミユルがご馳走になります~と背中を叩いた。
「で?今度は何をやりたいのさ。」
マックは聞いた。留学というからには目的があるのだろう。
「うん。パイロットになる。」
「はあ?あんた、外交官の息子でしょう?無理ッショ。」
サーアの外交官の父が、シーラに赴任した関係で、ユーリはここにきたのだ。
議員や官僚が山ほどいる家系で、親が許すわけないでしょう。何考えるのよ、と、ミユルが言う。
「だって、昨日の宇宙ステーション特集見ただろ?あのアービッグ船長とパイロットの話、カッコいいよな。」
「確かに!カッコ良かった!」
「たしかに、それはみとめるわ。」
数年後、本当にユーリとマックが留学することになるのだが、この時の三人はそこまで、真剣に考えていたわけではない。
実際ユーリは一度挫折し、食券をぶんどられたのだ。
始業前の教室でユーリが突然宣言した。
「ふ~ん。」
また、何か思い付いたのか。とマックは軽く返事をした。
「今度は本気だ!」
「はいはい。頑張ってね。」
隣の席のミユルが声を掛けた。
少し前に転校してきた子だ。グループ行動でいつも一緒にいるため、仲良くなったのだ。マックと同じ、タクーン星から引っ越してきた女の子なんだけど、さばさばしていて男の子みたいで、すぐにクラスに打ち解けた。
「ミユル、今度は〈半年〉に食券一枚。」
「いやいや、〈一ヶ月〉に二枚!」
ミユルも乗ってきた。
とにかく、ユーリは思い付いてすぐ行動するタイプだが、飽きるのも早かった。そんな彼の行動をよく知っている二人は食堂の食券を賭けて遊んでいた。
「ふふん。〈意志を通す〉に十枚だ!」
自ら参戦のユーリに、ミユルがご馳走になります~と背中を叩いた。
「で?今度は何をやりたいのさ。」
マックは聞いた。留学というからには目的があるのだろう。
「うん。パイロットになる。」
「はあ?あんた、外交官の息子でしょう?無理ッショ。」
サーアの外交官の父が、シーラに赴任した関係で、ユーリはここにきたのだ。
議員や官僚が山ほどいる家系で、親が許すわけないでしょう。何考えるのよ、と、ミユルが言う。
「だって、昨日の宇宙ステーション特集見ただろ?あのアービッグ船長とパイロットの話、カッコいいよな。」
「確かに!カッコ良かった!」
「たしかに、それはみとめるわ。」
数年後、本当にユーリとマックが留学することになるのだが、この時の三人はそこまで、真剣に考えていたわけではない。
実際ユーリは一度挫折し、食券をぶんどられたのだ。
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