結婚ー彼女と再会するまでの男の長い話ー

キュー

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第三章 再び隣国へ

1 休暇

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  明日から、まとまった日数の休暇に入る。俺は仕事が終わり一旦寮に向かった。俺が実家を出た時に街に家を兄から貰った。一軒家をポンッと買ってくれるのだから、貴族はすげぇよな。だが、王宮内に騎士の寮があるので、勤務が続く時は持ち物や着替えを置いたり、仮眠をしたりで、一部屋使わせてもらっていた。休日には家に帰るが、別に待っている者がいるわけではないので、最近億劫になっていて、あまり帰っていない。掃除で休暇が潰れるのは嫌だから、定期的にハウスクリーニングをお願いしている。
  家を貰って感謝もしているが、面倒な維持管理を考えると、寮のみでもいいような気がする。そうだな、誰かに貸す事も考えよう。しばらくは気楽な独り身だからな。
  結婚して伴侶のいる団員は街に自宅を持ち、通う者がほとんどだ。
「ソニー、お疲れさん。」
「ああ、お疲れ。今から?」
「今から。あ、ちょっと待ってて……」
ガサゴソと包みを渡された。
「これ、お裾分け。」
「ありがと。」
彼はよく実家から送られてくる物を分けてくれる。
「今回は、健康食品にはまっているみたいだ。それから、宰相から、伝言がある。」
「なに?」
「……土産に焼き菓子たのむ、って。甘いもん好きなの?宰相。」
「好きだね。」

  休み明けには出張が待っている。行き先は隣国。手土産を幾つか持って行かねばならない。ああ、もう、あっちも、こっちも、土産土産って、煩い。俺は静かに暮らしたいのに…
休暇中に買い物と、実家に顔出しと、墓参りもして…色々段取りを考えていると、肩を叩かれた。
「暇か?」
「忙しい。」
同僚のチューナーが声を掛けて来た。こいつは酒好きで、しょっちゅう飲みにいこうと誘ってくる。テオとも仲がいい。彼は、ゲイだろうと気にしないから仲良くしようぜ、ただし、俺は口説くなよ、と言って笑った。
「今夜飲みに行こう。休みだろ?」
「夕食に誘われてるから、止めとくよ。」
「嘘だね、騙されないよ。お前友達いないからな、俺と飲め。」
「なんで決めつけるんだ。」
「じゃあ、本当なら俺も連れてけ。」
「…やめとけ…後悔するぞ?」
「なんだよそれ。男か?女か?…女だな?紹介しろ!」
「じゃあ、ここに。」
メモに住所を書き、チューナーに渡した。

  王宮を出て、家に帰るが、何だか違和感がある。綺麗に掃除されているし、配置が変わったわけでもない。
「ん?」
  なぜか人の気配がする。ハウスクリーニングは今日は入っていないはずだし。
  泥棒さん?ここには何も金目のものはありませんよ?
「誰か…います?」
順番に開けて確認する。
「あ、」
いた……誰?……
「ソニー様。お帰りなさいませ。」
「あなたは?」
「お聞きになっていませんでしたか?」
「はい。お聞きになってませんでした。」
「留守宅を守り、旦那様がお帰りになったら、お世話をさせていただくことになりました。私の事は、ハンとお呼びください。」
「え…っと、あなたは…誰に言われて…来たのかな?」
「はい。お兄様から、お手紙を預かっております。」
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