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第十一章 結婚
3 アレグロッド
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イグナートはオーカドル公爵の企てを潰したあと、公爵を遠く辺境の地で療養という名の軟禁状態で監視していた。アーネス王子が成人後即位するまでの間約十五年間、後見人として、代理王をたてた。
「だけど、ビックリだよな、お前が代理王だなんて。」
「本当、卒業目前で、急に戻ってこいって言われてさ、養子縁組したばっかの義親父さんが急病だろ?療養先も遠くで面会も数回。爵位は何年か後に継ぐみたいなこといわれて、さらに、王子の後見人で代理王?何それ?だよな。」
「でもまあ、無事卒業できたし、蒼の双剣も後輩に引き継げたし。」
「ああ、アイツ話してみるとすげぇ頭いいな、何でうちの学校だったんだ?賢い奴は第一大学校に行くよな?」
「ああ、多分第一大学校でもトップ取れるくらいの頭だよ。だが、学院には、第一にないものがある。」
「へ?」
「この国は貴族達を無視できないのさ。王族、貴族、軍の力のどれもが大きくなりすぎてはだめなんだ。」
「ふ~ん。強い方が、意見が通っていいじゃん?」
「いや、いい例がコノセルギアだ。」
「ああ、観光大国。修学旅行で行ったよな。うち、別荘持ってるって。」
「別荘、いいな、今度行こうぜ。………あの国は昔、王は飾り同然、軍の力が強くて、王制廃止しようとクーデターを起こし、同時期に市民の中にいた革命家達が事件を起こした。平定までしばらく経済は低迷、人口流出、犯罪続出で、それまで未開発の観光業で成功しなければ、百年は復興が遅れただろう。アスターネスから輿入れした妃が出身国の後ろ楯を使って軍を押さえたとか、なんとか。まあ……その話はいいか。」
「それで?」
「……頭良いのになぜ学院に?って話だったよな。彼は宰相の曾孫、目立たぬよう、隠してはいるようだが、血縁の中でも特に優秀だそうだ。」
「じゃあ、将来の宰相様か。」
「そう。そのための貴族の繋がりだよ。」
「軍は?」
「さあ、そこまでは俺は知らないな。でも、宰相様は多分押さえていると思うよ。」
「お前が代理王じゃだめなのか?公爵の養子に代理王をまかせるとか、ありえないだろ、しかも卒業したばかりの若造に誰も反対しなかったのか?」
ソニーがイグナートに納得いかないと、食って掛かる。
「公爵家は王の直系に次ぐものなんだ。簡単に潰すことはできないし、貴族は上位貴族に、立場上何も言えないよ。それに養子入りしたばかりの若造だから扱いやすい。彼の側にいる参謀の友人もその内こちらに取り込んでやるよ。問題起こしたり、逆らうようなら、いつでもすげ替える。代理だからな。アーネス様が成人するまでだよ。公爵家とはいえ血の繋がりはないから、アーネス様がいる限りグレイにはなれない。」
「おい、おい、それなら、アーネス様が危険じゃないか。また、狙われでもしたら……」
「アイツがそんなことすると思うか?」
「う……、フルムールならともかく…バルデの奴はないな……」
「まあ、フルムールがバルデをグレイにするため行動を起こしたら、別だが、まあ、それはないだろう。」
「お、もう時間だ。俺は王子の護衛に行くわ。」
「ああ、またな。今週末はマックの所だぞ?忘れるな。」
「はいは~い。テオも連れ行っていいよな。」
「……私は気に入らないが……お前ら仲いいな。付き合うことにしたのか?」
「ただの同僚だよ。」
「お前はそうでも、あちらはどうだか……俺の騎士になれ……なんて、殺し文句だよな。」
「つい、勢いでな。お前も言って欲しいか?」
「いや、遠慮する。」
「…あのさ……父の言葉は……忘れていいぞ?」
ソニーはハルバートが昔、グレイからマックとその子孫を守るようにと……代々その任を引き継ぐようにと…命じられたと聞かされた時、父の非道な命令に胸が傷んだ。だって、そうだろう?息子に孫に……ずっと、引き継がれていくんだぞ?その反面、父の気持ちも理解できなくもない。自分の息子が死んで、産まれてきた王族を名乗れない孫に…息子が愛を注ぐはずだった孫に自分も愛を注ぐことができない苦しさを、孫の行く末を心配したのだろう。
「……今の言葉は、聞かなかったことにします。私はマック様に生涯共にと、誓いましたから。後の事はアレグロッドの判断に任せます。」
「だけど、ビックリだよな、お前が代理王だなんて。」
「本当、卒業目前で、急に戻ってこいって言われてさ、養子縁組したばっかの義親父さんが急病だろ?療養先も遠くで面会も数回。爵位は何年か後に継ぐみたいなこといわれて、さらに、王子の後見人で代理王?何それ?だよな。」
「でもまあ、無事卒業できたし、蒼の双剣も後輩に引き継げたし。」
「ああ、アイツ話してみるとすげぇ頭いいな、何でうちの学校だったんだ?賢い奴は第一大学校に行くよな?」
「ああ、多分第一大学校でもトップ取れるくらいの頭だよ。だが、学院には、第一にないものがある。」
「へ?」
「この国は貴族達を無視できないのさ。王族、貴族、軍の力のどれもが大きくなりすぎてはだめなんだ。」
「ふ~ん。強い方が、意見が通っていいじゃん?」
「いや、いい例がコノセルギアだ。」
「ああ、観光大国。修学旅行で行ったよな。うち、別荘持ってるって。」
「別荘、いいな、今度行こうぜ。………あの国は昔、王は飾り同然、軍の力が強くて、王制廃止しようとクーデターを起こし、同時期に市民の中にいた革命家達が事件を起こした。平定までしばらく経済は低迷、人口流出、犯罪続出で、それまで未開発の観光業で成功しなければ、百年は復興が遅れただろう。アスターネスから輿入れした妃が出身国の後ろ楯を使って軍を押さえたとか、なんとか。まあ……その話はいいか。」
「それで?」
「……頭良いのになぜ学院に?って話だったよな。彼は宰相の曾孫、目立たぬよう、隠してはいるようだが、血縁の中でも特に優秀だそうだ。」
「じゃあ、将来の宰相様か。」
「そう。そのための貴族の繋がりだよ。」
「軍は?」
「さあ、そこまでは俺は知らないな。でも、宰相様は多分押さえていると思うよ。」
「お前が代理王じゃだめなのか?公爵の養子に代理王をまかせるとか、ありえないだろ、しかも卒業したばかりの若造に誰も反対しなかったのか?」
ソニーがイグナートに納得いかないと、食って掛かる。
「公爵家は王の直系に次ぐものなんだ。簡単に潰すことはできないし、貴族は上位貴族に、立場上何も言えないよ。それに養子入りしたばかりの若造だから扱いやすい。彼の側にいる参謀の友人もその内こちらに取り込んでやるよ。問題起こしたり、逆らうようなら、いつでもすげ替える。代理だからな。アーネス様が成人するまでだよ。公爵家とはいえ血の繋がりはないから、アーネス様がいる限りグレイにはなれない。」
「おい、おい、それなら、アーネス様が危険じゃないか。また、狙われでもしたら……」
「アイツがそんなことすると思うか?」
「う……、フルムールならともかく…バルデの奴はないな……」
「まあ、フルムールがバルデをグレイにするため行動を起こしたら、別だが、まあ、それはないだろう。」
「お、もう時間だ。俺は王子の護衛に行くわ。」
「ああ、またな。今週末はマックの所だぞ?忘れるな。」
「はいは~い。テオも連れ行っていいよな。」
「……私は気に入らないが……お前ら仲いいな。付き合うことにしたのか?」
「ただの同僚だよ。」
「お前はそうでも、あちらはどうだか……俺の騎士になれ……なんて、殺し文句だよな。」
「つい、勢いでな。お前も言って欲しいか?」
「いや、遠慮する。」
「…あのさ……父の言葉は……忘れていいぞ?」
ソニーはハルバートが昔、グレイからマックとその子孫を守るようにと……代々その任を引き継ぐようにと…命じられたと聞かされた時、父の非道な命令に胸が傷んだ。だって、そうだろう?息子に孫に……ずっと、引き継がれていくんだぞ?その反面、父の気持ちも理解できなくもない。自分の息子が死んで、産まれてきた王族を名乗れない孫に…息子が愛を注ぐはずだった孫に自分も愛を注ぐことができない苦しさを、孫の行く末を心配したのだろう。
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