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1、ただいま
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大陸最大の王国であるファイエルト、西南部。その一帯はリトスロード侯爵領となっている。
見渡す限り広がるのは荒涼とした荒れ地で、大地は黒く禍々しく、草木もろくに生えていない。ひび割れた地面を駆け抜ける獣は一匹も見当たらず、生命の気配もまるで感じない、不気味な場所であった。
リトスロード侯爵が住まう邸宅は、そんな荒れ地の真ん中にぽつんと建っていた。国内でも有力貴族の一つとして名を馳せる侯爵一族は、どういうわけかこの荒れ果てた不便な場所に居を構えている。
周りに村も町もなく、人は滅多に通りかからない。この危険な土地に訪れる人間などそういないのだ。
しかし、そんな妙なところにある侯爵邸に、今日は馬車が一台向かっていく。体が大きく頑健そうな馬が、侯爵家の紋章の入った立派な馬車を引いていた。
「……ああ、やっと、着いた」
馬車から降り立つ青年が一人。彼は住み慣れた屋敷を見上げて、心底からの笑みを浮かべる。
荒れ地に吹く冷たい風が、青年のローブの裾を揺らした。
リトスロード家お抱えの魔術師、フィアリス。
すこぶる腕の立つ魔術師だという話は広まっているが、人前に出るのをあまり好まない彼の顔を知る者は多くない。
しかし、一度でも見たら記憶に焼き付き、そう簡単には忘れられないだろう。
彼はかぶっていたローブのフードを脱いだ。
目も眩むような美貌。
光を帯びているかのような、金色に輝く長い髪がこぼれて、風になびく。
瞳の色は、髪よりももっと深い色の黄金。白磁の肌は滑らかで、その鼻も口も繊細で完璧なつくりをしていた。
うかつに触ると砕けてしまうような、そんな儚い美しさ。
柔らかな顎の線や身体の華奢な輪郭からして、性別もよくわからない印象を受ける。
女神か精霊か、そんな人間離れしたような美しさだった。
もっとも彼は、表情をころころとよく変えるので、近寄りがたい神秘性は幾分か薄らぐのだが。
「やれやれ、疲れた」
フィアリスは笑いながら軽くため息をつくと、屋敷の門をくぐった。
* * *
出迎えた使用人の一人に荷物を渡す。
すると他にもよく知る顔がフィアリスを迎えた。嬉しくなってフィアリスは破顔する。
栗色の短い髪。瞳はエメラルドを彷彿とさせる深い緑。精悍ながらもどこか幼さの残る顔立ちのこの青年は、リトスロード侯爵家三男、エヴァンだ。幼く見えても当然だった。彼はまだ十七――いや、十八になったばかりなのである。
「エヴァン!」
フィアリスは彼の名を呼んだ。嬉しさが弾けて、興奮が声の大きさにあらわれる。
数ヶ月ぶりに顔を合わせたわけで、フィアリスにしてみれば感動の再会なのだが、エヴァンは眉間にしわを寄せてしかめっ面をしている。
(うん……? 私はこの子を怒らせるようなことをしただろうか)
ああ、と手を叩き、近くに置いた包みを取り上げた。
「ごめんね、エヴァン。先月は君の誕生日だったね。成人のお祝いをしてあげたかったんだけど、ちょっと戻れそうになくて……。だから、王都で君の好きなシードケーキを買ってきたんだよ」
という話を聞いている間、エヴァンは目をつぶり、眉間のしわをさらに深く刻んでいた。フィアリスが言い終わるやいなや、「そうではなくて!」と声を荒らげる。
「怪我をしたと聞きましたが!」
思わぬ言葉に、フィアリスはきょとんとする。
「ああ、まあね」
「深手なのでなかなかこちらに戻って来られなかったそうですが!」
「深手っていうのは大袈裟かな。身動きが取れなかったのは確かだし、だから帰るのが遅れてしまったんだけど……。でも、もう治ったよ」
大したことでもないのでエヴァンには伝えないでくれと家の者には頼んでおいたのだが、どうも知られてしまったらしい。それにしたって、何故こんな剣幕なのかがわからなかった。
「では、怪我の方はすっかり?」
「ああ」
ふうーっとエヴァンは大きくため息をつく。
何やら疲れた顔をしたエヴァンを、フィアリスはしげしげと眺めた。数ヶ月離れていただけなのに、また少し成長したように見えた。
「私の可愛いエヴァン、また背が伸びたんじゃない? あんなに小さかったのに、すっかり私より背が高くなったんだね。君はよく泣いて私にすがりついて、私の服をぐしょぐしょにしたものだけど……」
フィアリスは笑いながら、エヴァンの頭をわしゃわしゃと撫でた。エヴァンは眉をひくつかせる。
「フィアリス……、私は十八になったんです」
「うん! おめでとう!」
「成人したんですよ。もう子供じゃないんです」
「わかってるよ」
「わかってない! あなたはまだ子供扱いしてるじゃないですか!」
そう言われてみればそうかもしれない。
何せエヴァンはフィアリスの弟子である。リトスロード侯爵家にはエヴァンのために、魔法と剣術の家庭教師がおり、その魔法の教師がフィアリスなのだ。
初めて会った時、フィアリスは十四歳、エヴァンは七歳だった。弟のように可愛がっていたので、そう簡単に接し方を改められない。私の可愛いエヴァン、というのも昔からの口癖だ。
頭を撫でるのは確かに、成年貴族に対しては適当な触れ方ではないかもしれない。しかも土産は甘いシードケーキ。子供扱いしていないと言えば嘘になる。
子供の頃、彼は「可愛いエヴァン」と言えば喜んだし、頭を撫でればはにかんだ。ケーキも嬉しそうに頬張っていたのがまるで昨日のことのようだった。
しかし、彼は本人が主張するように、もう十八なのである。
「……悪かった。じゃあ、これもいらないかな……」
反省してケーキの包みを引っ込めようとすると、エヴァンが力強くそれをつかんだ。
「いただきます!」
ケーキを奪い取った彼は、「どうぞしっかりお休みになって下さい」ときっぱり言って去っていった。
エヴァンの背中が見えなくなるのと同時に現れたのは、もう一人の家庭教師、剣術の師であるレーヴェという男だった。
レーヴェはフィアリスより年嵩で、背が高くがっしりとした体つきだ。剣を握れば目つきにも凄みが出るのだが、普段は気怠そうで覇気がない。
「あいつ、お前のこと心配で、気が気じゃなかったみたいだぞ」
無精髭の生えた顎をぼりぼり掻きながらレーヴェが言う。
「そうなの? すごく怒っていたけど」
「どんな顔したらいいかわからないからだろ。照れ隠しだよ……エヴァンはまだガキなんだから」
ことさら成人したことを強調する本人が聞いたら、さらに怒りが爆発しそうではある。しかしレーヴェに言わせれば、自分が大人であることを主張したがるうちは、王族だろうが貴族だろうが子供なのだ。
(私の可愛い、エヴァン)
エヴァンが消えていった廊下に目をやりながら、フィアリスは微笑む。
良かった、と胸を撫でおろしたくなった。
「嫌われたんじゃないかと思ったんだ」
「あいつがお前を? そんなことあるわけないだろ」
フィアリスの笑顔には、ほんのりと苦いものが滲む。
「いつ嫌われてもおかしくないもの」
大人になれば親切に誰かが説明せずとも、おのずと物事の暗い側面に目がいくようになり、真実を知ってしまうものだ。
彼が子供であるならずっと、自分を慕ってくれるかもしれない。だからこそ、ついエヴァンを子供扱いしたくなってしまうのだろう。
レーヴェは軽くため息をつくと、肩をすくめてフィアリスの顔をのぞきこんだ。
「お前って奴は……可愛い顔して、つくづく罪な男だよなぁ」
「?」
自室に引き上げようとするフィアリスに、レーヴェは当主である侯爵へ挨拶しに行かなくていいのかと声をかけた。
「先に手紙で到着することは伝えてあるし、お忙しいことだろう。どの道、夕食の時に顔を合わせるから……」
それに、「その後」も。
軽く頷くレーヴェと別れ、フィアリスは自室へと向かった。
――ここへ戻ると、ほっとする。
この侯爵邸は、フィアリスにとって唯一の帰るべき場所だった。無論、リトスロード侯爵家は雇い主であるし、血の繋がりなどない。使用人達だって同じことだ。それでもフィアリスは、この館と、ここに住まう人々に親しみを覚えていた。
ここでは初めて、真の温もりというものを得た。
フィアリスにとってはかけがえのない、大切な場所なのだ。
たとえ、酷く歪んでしまったものがあったとしても。
見渡す限り広がるのは荒涼とした荒れ地で、大地は黒く禍々しく、草木もろくに生えていない。ひび割れた地面を駆け抜ける獣は一匹も見当たらず、生命の気配もまるで感じない、不気味な場所であった。
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しかし、そんな妙なところにある侯爵邸に、今日は馬車が一台向かっていく。体が大きく頑健そうな馬が、侯爵家の紋章の入った立派な馬車を引いていた。
「……ああ、やっと、着いた」
馬車から降り立つ青年が一人。彼は住み慣れた屋敷を見上げて、心底からの笑みを浮かべる。
荒れ地に吹く冷たい風が、青年のローブの裾を揺らした。
リトスロード家お抱えの魔術師、フィアリス。
すこぶる腕の立つ魔術師だという話は広まっているが、人前に出るのをあまり好まない彼の顔を知る者は多くない。
しかし、一度でも見たら記憶に焼き付き、そう簡単には忘れられないだろう。
彼はかぶっていたローブのフードを脱いだ。
目も眩むような美貌。
光を帯びているかのような、金色に輝く長い髪がこぼれて、風になびく。
瞳の色は、髪よりももっと深い色の黄金。白磁の肌は滑らかで、その鼻も口も繊細で完璧なつくりをしていた。
うかつに触ると砕けてしまうような、そんな儚い美しさ。
柔らかな顎の線や身体の華奢な輪郭からして、性別もよくわからない印象を受ける。
女神か精霊か、そんな人間離れしたような美しさだった。
もっとも彼は、表情をころころとよく変えるので、近寄りがたい神秘性は幾分か薄らぐのだが。
「やれやれ、疲れた」
フィアリスは笑いながら軽くため息をつくと、屋敷の門をくぐった。
* * *
出迎えた使用人の一人に荷物を渡す。
すると他にもよく知る顔がフィアリスを迎えた。嬉しくなってフィアリスは破顔する。
栗色の短い髪。瞳はエメラルドを彷彿とさせる深い緑。精悍ながらもどこか幼さの残る顔立ちのこの青年は、リトスロード侯爵家三男、エヴァンだ。幼く見えても当然だった。彼はまだ十七――いや、十八になったばかりなのである。
「エヴァン!」
フィアリスは彼の名を呼んだ。嬉しさが弾けて、興奮が声の大きさにあらわれる。
数ヶ月ぶりに顔を合わせたわけで、フィアリスにしてみれば感動の再会なのだが、エヴァンは眉間にしわを寄せてしかめっ面をしている。
(うん……? 私はこの子を怒らせるようなことをしただろうか)
ああ、と手を叩き、近くに置いた包みを取り上げた。
「ごめんね、エヴァン。先月は君の誕生日だったね。成人のお祝いをしてあげたかったんだけど、ちょっと戻れそうになくて……。だから、王都で君の好きなシードケーキを買ってきたんだよ」
という話を聞いている間、エヴァンは目をつぶり、眉間のしわをさらに深く刻んでいた。フィアリスが言い終わるやいなや、「そうではなくて!」と声を荒らげる。
「怪我をしたと聞きましたが!」
思わぬ言葉に、フィアリスはきょとんとする。
「ああ、まあね」
「深手なのでなかなかこちらに戻って来られなかったそうですが!」
「深手っていうのは大袈裟かな。身動きが取れなかったのは確かだし、だから帰るのが遅れてしまったんだけど……。でも、もう治ったよ」
大したことでもないのでエヴァンには伝えないでくれと家の者には頼んでおいたのだが、どうも知られてしまったらしい。それにしたって、何故こんな剣幕なのかがわからなかった。
「では、怪我の方はすっかり?」
「ああ」
ふうーっとエヴァンは大きくため息をつく。
何やら疲れた顔をしたエヴァンを、フィアリスはしげしげと眺めた。数ヶ月離れていただけなのに、また少し成長したように見えた。
「私の可愛いエヴァン、また背が伸びたんじゃない? あんなに小さかったのに、すっかり私より背が高くなったんだね。君はよく泣いて私にすがりついて、私の服をぐしょぐしょにしたものだけど……」
フィアリスは笑いながら、エヴァンの頭をわしゃわしゃと撫でた。エヴァンは眉をひくつかせる。
「フィアリス……、私は十八になったんです」
「うん! おめでとう!」
「成人したんですよ。もう子供じゃないんです」
「わかってるよ」
「わかってない! あなたはまだ子供扱いしてるじゃないですか!」
そう言われてみればそうかもしれない。
何せエヴァンはフィアリスの弟子である。リトスロード侯爵家にはエヴァンのために、魔法と剣術の家庭教師がおり、その魔法の教師がフィアリスなのだ。
初めて会った時、フィアリスは十四歳、エヴァンは七歳だった。弟のように可愛がっていたので、そう簡単に接し方を改められない。私の可愛いエヴァン、というのも昔からの口癖だ。
頭を撫でるのは確かに、成年貴族に対しては適当な触れ方ではないかもしれない。しかも土産は甘いシードケーキ。子供扱いしていないと言えば嘘になる。
子供の頃、彼は「可愛いエヴァン」と言えば喜んだし、頭を撫でればはにかんだ。ケーキも嬉しそうに頬張っていたのがまるで昨日のことのようだった。
しかし、彼は本人が主張するように、もう十八なのである。
「……悪かった。じゃあ、これもいらないかな……」
反省してケーキの包みを引っ込めようとすると、エヴァンが力強くそれをつかんだ。
「いただきます!」
ケーキを奪い取った彼は、「どうぞしっかりお休みになって下さい」ときっぱり言って去っていった。
エヴァンの背中が見えなくなるのと同時に現れたのは、もう一人の家庭教師、剣術の師であるレーヴェという男だった。
レーヴェはフィアリスより年嵩で、背が高くがっしりとした体つきだ。剣を握れば目つきにも凄みが出るのだが、普段は気怠そうで覇気がない。
「あいつ、お前のこと心配で、気が気じゃなかったみたいだぞ」
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ことさら成人したことを強調する本人が聞いたら、さらに怒りが爆発しそうではある。しかしレーヴェに言わせれば、自分が大人であることを主張したがるうちは、王族だろうが貴族だろうが子供なのだ。
(私の可愛い、エヴァン)
エヴァンが消えていった廊下に目をやりながら、フィアリスは微笑む。
良かった、と胸を撫でおろしたくなった。
「嫌われたんじゃないかと思ったんだ」
「あいつがお前を? そんなことあるわけないだろ」
フィアリスの笑顔には、ほんのりと苦いものが滲む。
「いつ嫌われてもおかしくないもの」
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彼が子供であるならずっと、自分を慕ってくれるかもしれない。だからこそ、ついエヴァンを子供扱いしたくなってしまうのだろう。
レーヴェは軽くため息をつくと、肩をすくめてフィアリスの顔をのぞきこんだ。
「お前って奴は……可愛い顔して、つくづく罪な男だよなぁ」
「?」
自室に引き上げようとするフィアリスに、レーヴェは当主である侯爵へ挨拶しに行かなくていいのかと声をかけた。
「先に手紙で到着することは伝えてあるし、お忙しいことだろう。どの道、夕食の時に顔を合わせるから……」
それに、「その後」も。
軽く頷くレーヴェと別れ、フィアリスは自室へと向かった。
――ここへ戻ると、ほっとする。
この侯爵邸は、フィアリスにとって唯一の帰るべき場所だった。無論、リトスロード侯爵家は雇い主であるし、血の繋がりなどない。使用人達だって同じことだ。それでもフィアリスは、この館と、ここに住まう人々に親しみを覚えていた。
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