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英雄のピンチ
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「何言ってるのよ、
大変な事になるから、冗談はやめて。」
「冗談では無いよ……大変て何?」
「これ以上アラルを放置するなって事。
下手すると魔物化するわよ。」
そんな馬鹿な。
アラルは英雄だ。
英雄が魔物になるなんて、洒落にもならない。
そんな事になったら誰にも彼を止める事は出来なくなる。
「あんたなら出来るでしょう?
あんたしか出来ないの!」
そんな馬鹿な。彼は私よりも力がある。
魔物なんかになったら、彼を止めるのは私にだって無理だ。
「何カマトトぶってるのよ。
あんたとあいつの関係を言っているのよ!」
「関係って何。私達の間には何も無かったのに。」
私達が何かした事実なんて存在しない。
「あらそうだったの。
でも、気持ちの上では違うでしょう?
あんたはあいつの事を何とも思ってなかったの?」
思っていたわよ。
だから辛かったんだ。
愛する者が戦い合うなんて。
「バカだよ。
あんた達は。」
「マイリを悪く言うな。」
低く唸るような声がした。
「お帰りガルダ。
早かったね。」
「おかしな気配がしたから帰って来た。
原因はこいつか。」
「こいつじゃ無いよ。
ミンミ・フラタネン。
私のかつての仲間だった人だよ。」
「過去形にするな!」
ミンミがまた怒鳴る。
「怒ってばかりだと、小じわが増えるよ。」
思わずミンミが両手の平を口元にあてる。
あぁ、やっぱりシワを気にしているんだね。
「嘘、大丈夫だよ。
ミンミは相変わらず綺麗だ。」
「お世辞なんていらないわ!」
ほらまた怒鳴る。
「またマイリをどこかに連れ去るなら俺が許さない。」
静かなガルダの声が響くが、それは決して穏やかな物では無かった。
「ごめんねミンミ、せっかく迎えに来てくれたけど、私は帰る気は無いの。」
「何馬鹿な事言ってるの、
今度こそ世界が破滅するよ。」
「だからほら、それはミンミに任せる。」
世界を救うためなら、ミンミは何でもやるでしょう?
たとえそれが嘘だろうが、手八丁口八丁、
アラルにうまく言っておいてよ。
私はもう少し、ガルダと一緒に居たいんだ。
「なら、ガルダも連れて行けばいい。」
「はぁ?」
「ガルダはもう成獣になったんだろ?
それならもう巣から離れても大丈夫だ。」
そりゃそうかも知れないけど……、
「そう言えば、ガルダは何歳になったの?」
「覚えていない。
でも、マイリがいなくなってから、おおよそ285年ぐらい経った。」
それは私がここから出てからの数字だね。
私はまじまじとミンミを見つめた。
「ミンミって、年の割に若く見えるんだね。」
「阿呆―!!」
これまでの事は説明が長くなるから、
とにかくアラルの事が片付いたら教えてやる。
だから早く出てこい。
ミンミはそう言うが、
私は一応、行かない宣言をしたんだよ。
「何わがまま言ってるんだ。
おい、ガルダ。
お前も一緒に来い。
そうじゃ無きゃ、この石頭は梃子でもここから動かない。」
「なぜ俺達がお前と行かなければならないんだ。」
「世界が滅亡するかもしれないからだよ。」
「あの時もお前はそう言ったな。
そう言ってマイリを連れ去った。」
あぁ、もう!それは大昔の話だろ。そう言いミンミが頭をかきむしる。
ここに来てからのミンミは、かなり機嫌が悪そうだ。
「ガルダは自分が死んでもいいの?
それだけじゃない、マイリだって死んじゃうんだよ。
この世の全てが失われるんだ。
この屋敷も、花も自然も。
全部無くなっちゃうんだよ。」
大変な事になるから、冗談はやめて。」
「冗談では無いよ……大変て何?」
「これ以上アラルを放置するなって事。
下手すると魔物化するわよ。」
そんな馬鹿な。
アラルは英雄だ。
英雄が魔物になるなんて、洒落にもならない。
そんな事になったら誰にも彼を止める事は出来なくなる。
「あんたなら出来るでしょう?
あんたしか出来ないの!」
そんな馬鹿な。彼は私よりも力がある。
魔物なんかになったら、彼を止めるのは私にだって無理だ。
「何カマトトぶってるのよ。
あんたとあいつの関係を言っているのよ!」
「関係って何。私達の間には何も無かったのに。」
私達が何かした事実なんて存在しない。
「あらそうだったの。
でも、気持ちの上では違うでしょう?
あんたはあいつの事を何とも思ってなかったの?」
思っていたわよ。
だから辛かったんだ。
愛する者が戦い合うなんて。
「バカだよ。
あんた達は。」
「マイリを悪く言うな。」
低く唸るような声がした。
「お帰りガルダ。
早かったね。」
「おかしな気配がしたから帰って来た。
原因はこいつか。」
「こいつじゃ無いよ。
ミンミ・フラタネン。
私のかつての仲間だった人だよ。」
「過去形にするな!」
ミンミがまた怒鳴る。
「怒ってばかりだと、小じわが増えるよ。」
思わずミンミが両手の平を口元にあてる。
あぁ、やっぱりシワを気にしているんだね。
「嘘、大丈夫だよ。
ミンミは相変わらず綺麗だ。」
「お世辞なんていらないわ!」
ほらまた怒鳴る。
「またマイリをどこかに連れ去るなら俺が許さない。」
静かなガルダの声が響くが、それは決して穏やかな物では無かった。
「ごめんねミンミ、せっかく迎えに来てくれたけど、私は帰る気は無いの。」
「何馬鹿な事言ってるの、
今度こそ世界が破滅するよ。」
「だからほら、それはミンミに任せる。」
世界を救うためなら、ミンミは何でもやるでしょう?
たとえそれが嘘だろうが、手八丁口八丁、
アラルにうまく言っておいてよ。
私はもう少し、ガルダと一緒に居たいんだ。
「なら、ガルダも連れて行けばいい。」
「はぁ?」
「ガルダはもう成獣になったんだろ?
それならもう巣から離れても大丈夫だ。」
そりゃそうかも知れないけど……、
「そう言えば、ガルダは何歳になったの?」
「覚えていない。
でも、マイリがいなくなってから、おおよそ285年ぐらい経った。」
それは私がここから出てからの数字だね。
私はまじまじとミンミを見つめた。
「ミンミって、年の割に若く見えるんだね。」
「阿呆―!!」
これまでの事は説明が長くなるから、
とにかくアラルの事が片付いたら教えてやる。
だから早く出てこい。
ミンミはそう言うが、
私は一応、行かない宣言をしたんだよ。
「何わがまま言ってるんだ。
おい、ガルダ。
お前も一緒に来い。
そうじゃ無きゃ、この石頭は梃子でもここから動かない。」
「なぜ俺達がお前と行かなければならないんだ。」
「世界が滅亡するかもしれないからだよ。」
「あの時もお前はそう言ったな。
そう言ってマイリを連れ去った。」
あぁ、もう!それは大昔の話だろ。そう言いミンミが頭をかきむしる。
ここに来てからのミンミは、かなり機嫌が悪そうだ。
「ガルダは自分が死んでもいいの?
それだけじゃない、マイリだって死んじゃうんだよ。
この世の全てが失われるんだ。
この屋敷も、花も自然も。
全部無くなっちゃうんだよ。」
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