転生者は無敵!転移者の俺が転生を繰り返した結果だけどね。

羽兎里

文字の大きさ
13 / 25

13、特訓その3

しおりを挟む
気持ちが落ち着いたところで次のステップに進む。

「ここまでできれば後は簡単だ。」

「そうなんですか?」

「ああ、おまえ風の魔法はできただろう?」

「はい。あ、なるほど。あとはフェアリーにお願いして押してもらえばいいのですね。」

「まあ平たく言えばその通りだ。」

こいつの風魔法はフェアリーに頼んでいたのか。

「まずは上空まで行ってからフェアリーにやってもらえ。最初はゆっくりだぞ。
慣れてきたら同時起動だ。浮き上がるのと風魔法を同時に始める練習だ。」

「はい!やってみます。」

と言ったとたんすごい勢いで低空を飛んでいく。
おーい、早く停止しないと森に突っ込むぞー。
だから最初は上空まで浮いてからゆっくりって言ったのに。
しばらくすると頭に木の葉を沢山つけ転移魔法で戻ってきた。
幸いシールドは忘れでいなかったようでダメージは最小限で済んだようだ。
それでも涙目になっていたな。

それからジュリはよほど懲りたのか丁寧に上空へ行ってからゆっくりと前に進んでいった。
それを何時間か繰り返した後少しスピードを上げて飛ぶ。
今日はそこまで、
明日からはもうちょっとひねりを入れるぞ。
ひねりと言っても本当にひねるわけではない。
まあ、それも入れるが平たく言えば上下左右、ターン、バックなど縦横無尽にコントロールすることだ。
風の魔法は元々できていたんだ。
ゆっくりやればここには障害物があまり無いから楽に練習できるだろう。
スピードをつけるのはまだ先だぞ。



今ジュリは結構楽しそうに上空を泳いでる。
と俺の方を見るので手を振ってやる。
ジュリは目を輝かせ、俺の目の前にザっと急接近。

「お師匠様、お師匠様。どうです?私上手くできていますか?」

ジュリはプカプカと浮きながら顔を俺の目の前に出して聞いてきた。

「ああ、大したもんだ。やはりお前は筋がいいな。」

お世辞じゃないぞ。本心からそう思うんだ。

「ありがとう御座いますお師匠様。」

そう言うといきなり俺のおでこに口づけし、さっと逃げていく。
また調子に乗りやがって、まあ大目に見てやるか。
おーい、だからまだスピードをつけるなって言ってるだろ!
ジュリは勢い余ってかなり上空まで飛んで行った。

同じような練習を繰り返し、スピードの緩急も付けれるようになったので、
次の日は森に行き実地訓練をすることになった。
直進ではなく、木を除けながら宙を飛ぶ。
魔獣の発生率はかなり高くなるが、全部引き受けてやるから、お前は障害物を避けながら飛ぶ練習に専念しろ。
俺はなお一層回りに気配を配りつつ飛びながらジュリを追う。
魔獣とは結構遭遇したが、ほとんどの奴は取りあえず倒した。
倒した奴はもったいないので、パウチしておいて帰りに拾って帰ろう。
逃げた奴はほっておく、追うぐらいならジュリを見てやった方がいい。
ジュリは始めはゆっくり木をよけながら飛び、徐々にスピードを上げていく。
時々目前の木を避けようとして隣の木にぶつかりそうになるが、
まあシールドをしてあるはずだから、ぶつかってもたいして痛くないと思うが、
つい手を引いたり、軽くジュリの体を押したりして補助をしてしまう。
過保護だと言うなら言え。

そんな事を繰り返しながら数時間。
つい俺も楽しくなり、気が付くとジュリと手をつないだまま森の中を飛んでいた。
もう大丈夫だなと思った俺は、最後にジュリの手を両手でつなぐ。

「シールドを最強にしろ。」

そう伝えると俺は真上にジュリを引っ張っていった。

眼下の景色は徐々に小さくなっていく。

「お、お師匠様……。」

「もう少し行くぞ。」

恐怖なのか寒いのか、ジュリがかすかに震えている。
念のため俺のシールドもジュリにかぶせてやる。
やがて足元には、丸みを帯びた緑の大地と青い海が広がり、
それ以外は黒い空間と、星が瞬く。
ここが俺の限界地点。これ以上いくと、息が出来なくなってしまうからな。

「こ…これはいったい何ですか?」

「下は当然俺たちが今居る場所だ……。
最初は俺も驚いた。真下がゴンドアナと呼ばれる大陸だな、国境に印が入っているわけないから、分かりにくいと思うが、
ちょうど俺たちの足元が今いた国リトアンナだ。
そして西の海を渡ると一回り小さい大陸が有るだろう?
あれはユートリアだ。」

「え、このゴンドアナ1つで6つの国あると言うのに、島国であるユートリアはあれ全部が国土。
何と言う大きさなのでしょう。」

「ああ、広いな、ユートリアは。
なあ、行ってみるか、ユートリアへ。」

「いいですね。行ってみたいです私も。」

「かなり長い旅になるぞ。大丈夫か?」

「え、大丈夫ですよ。私ユートリアへの船が出る港町まで、布教に行った事が有るので、そこまででしたら転移魔法で行けます。あとは船旅のみですからあっという間ですよ。」

「えー、ゆっくり旅行しながら行こうよ。」

「何カ月かかると思っているんですかお師匠様。ゴンドアナ大陸の広さなめたらいけません。
おまけにプラス、ユートリア内での旅ですよ、そんなことしたら下手すると年単の旅になります。」

「ちぇーっ。」

という訳で多分今回はジュリの勝ち。


「ねえ、お師匠様。考えてみたらあの高度で真っすぐ降りるのではなく、ちょっと角度を変えればユートリアに着いちゃったんじゃないんですか?」

「今頃気が付いたのか?」

で後日はジュリの負け。
しかし、10日足らずで飛行魔法をものにしたとは、ホント大した奴だ。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...