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第1章『3領地同時攻防戦』編

第26話 3領地同時攻防戦Ⅴ--北方ノースポール領戦線⑤

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「っあああ! ああんっ! ああ゛~っ、ああああ!」

 ミルがニーナのテントの中に入ってから、実に1時間以上が経過していた。

 ベッドの中では、2人とも既に一糸まとわぬ姿になっていた。そしてミルは、両手を布で縛られており、更に目隠しをされていた。

「あ~、すごい。私の指を男の人のおちんちんと勘違いしてるみたいに、すっごく締め付けてくるわ。ふふ、エッチな娘……ちゅうう」

 ニーナは興奮した様子で頬を赤らめて囁く。

 そうして、ミルの秘唇をクチュクチュと音を立てる程に指で責め立てて、控えめな乳房の突起部を吸い上げていた。

「あぁぁんっ! くるっ……またきちゃう! 飛ぶっ……飛んじゃうっ!」

 愛液の飛沫が飛ぶ程に、ミルの秘唇を責めるニーナの指の動きが速くなっていくと、ミルはガクガクと全身を痙攣させ始める。

「ふふふ、気持ちいい? 気持ちいいって言ったら、またちゅーしてあげるわよ」

 ニーナはミルの耳をねっとりと舐りながら耳元でささやく。

「っあああ! き、気持ちいい! 気持ちいいです! あむ……んんんんん~!」

 快感の言葉を零したミルの唇を奪うニーナは、そのまま舌を絡ませながら、指を彼女の最奥まで突き入れる。するとミルは潮を吹きながら絶頂に達する。

「あむ……れろ……はぁー、はぁー……た、隊長ぉ……ちゅば……」

「もう何回イッちゃったかしらね~……ちゅっ、ちゅっ……んんんぅ、ミルちゃん大好き。ちゅうう」

 強烈な絶頂の快感の余韻に浸りながら、快感でもう何も考えられないミルは、ニーナと舌を絡め合わせる。

「目隠しすると興奮するでしょう? どう、あのクズ男とのセックスとどっちが気持ちいい?」

 ニーナは絶頂して敏感になっているミルの背中を優しく指でなぞりながら耳元で囁くと、ミルはビクビクと身体を反応させながら答える。

「んっ……っはあ……こ、こんなの初めてです……隊長とのセックスの方が、気持ち良くて……セックスってこんなに暖かくて、気持ちよくて、幸せになれるなんて……知らなかった……」

 呆然自失の状態だからこそ、胸の奥の本音が漏れ出るミルの返事に、ニーナは心底嬉しそうな笑顔を浮かべる。そしてゆっくりと、ミルの目を覆っている布を取り払う。

「ぅあ……み、見ないで……恥ずかしい……」

 最初の嫌悪感や抵抗感などはすっかりなくなり、すっかりと快感に蕩けて嬉しそうに顔を緩めているたミルは、恥ずかしそうに顔を隠そうとする。しかしニーナはそれを許さず、ミルの手を抑えながら、彼女の蕩けた表情を見つめて背筋をゾクゾクとさせる。

「ほらぁ、私の言った通り……すっごいエッチで可愛い顔になってる。ふふ、あと少しね……ミル、大好き。愛しているわ」

「あ、隊長……あむ……んんん……」

 ニーナはミルの後頭部を持ち上げるようにすると、唇を重ね合わせる。もう幾度となく繰り返された濃厚な接吻ーー何度も何度も唇を吸いながら、舌を伸ばして絡めていく。

「ん、ちゅ……ミル、好きよ? ちゅば……ちゅ……大好き。愛しているわ……れろ……」

「はむ……んん、れろ……た、隊長……そ、そんなに言われたら……ちゅうう……あむ」

 もうミルも抵抗しない。それどころか自ら進んで舌を差し出すようになっていた。

「好きよ、大好き。愛してる……れろ……ちゅば……私のものにしてあげる……あむ……んんん」

「たい、ちょうっ! ~~~っ! はむ……れろぉっ……んっ……!」

 ニーナの舌で唇を舌を貪られるミル。愛の言葉を囁かれながら濃厚なキスをされて、何度も何度も軽い絶頂に達してしまう。

「んああ゛~……あ、ああ゛~……あ゛~……」

 正気を失う程の連続絶頂、しかもこれまでにミルが経験してきた一方的で乱暴な行為とは違う、愛を囁かれながらの甘い愛撫。、快感と多幸感でミルは舌を伸ばしっぱなしになりながら、瞳の焦点を失っていく。

「ミルも愛してるって言って? ちゅば……隊長じゃなくて、お姉さまって言いながら……ちゅば……ちゅうう……女同士愛し合いましょう? 女の子、好きになっちゃお?」

 理性を失ったミルに刷り込むように言葉をこぼすニーナは、彼女の手を縛っている布をほどいていく。両手が自由になったミルは、そのままニーナの首に絡ませていく。

「はふっ……れろ……お、お姉さま……しゅきっ! ちゅっ……ちゅうう……大好きです……れろ、れろ……私も愛してましゅ」

 そんな女同士の快感にはまっていくミルの様子に、ニーナは笑みを深めていく。

「はふっ……っんん、嬉しい! ちゅ……ミルに好きって言われたら、私も濡れちゃうわ……れろれろ……あ、目閉じないで。私の目を見ながら……そう……ちゅば、ちゅば……もっと激しく、エッチに舌を動かして……ミル、ミル! 大好き! 好きよ! 愛しているわ」

 互いの舌を吸い合い、しゃぶりあう2人。口元から唾液がこぼれるほどに、お互いの唾液を交換し合う頃には、ニーナもすっかり蕩けた瞳になっていた。

 そしてニーナは、そのまま口づけを続けながら、ミルの足を開かせて、その中心部に自らの腰を突き入れるようにすると、お互いの性器同士を触れ合わせる。

「っふああ! お、お姉さま……! 当たって……お姉さまのが当たってますっ!」

「この味を覚えたら……うふふ、貴女もすっかり百合にハマっちゃうわよ? 楽しみ……」

 ミルの髪を撫でながら、ニーナはゆっくりと腰を動かして、女性器同士を擦り合わせていく。

「っんんんん! あああっ……すごい、お姉さまのアソコ……濡れてて、ヌルヌルして……あぁぁん!」

「あぁんっ……ミルのおまんこもすごく濡れてる……気持ち良くて、腰が勝手に動いちゃうわ。あん! あぁぁん!」

 やがてお互いの愛液が混ざり合う卑猥な音が響くほどに、ニーナの腰使い激しくなっていく。

「はぁ、はぁ……さあ、今まで男の良いように使われていた過去に決別しましょう? ミル、認めなさい? 女同士のセックスが気持ちいいんでしょう? 百合に目覚めちゃいそうでしょう?」

 腰を動かしながら、唇を舌でなぞるニーナが言うと、ミルは必死に首をコクコクと縦に振る。

「ふふ、だ~め。ちゃんと自分の言葉で言うの♪」

 笑いながらそういうニーナは、ミルの胸へ両手を伸ばすと、その先端部とキュっと指でつまむ。

「っひああああん!」

「あぁん! 乳首弄ったら、ミルのおまんこがビクンってなったわ。ふふ、分かる? おまんこよ。ミルのエッチでいやらしいおまんこが、ヒクヒクしてるのが私に伝わるわ」

 恥辱を煽る様に卑猥な言葉を投げかけてくるニーナ。それも今のミルにとっては興奮を倍増させる媚薬のようなものなってしまっていた。

「っあああ! わ、私もうダメっ……気持ちいいっ! 女の子同士のエッチの方が、クーガ君よりも気持ちいいです! 女の子同士は嫌なんて言ってごめんなさい! 気持ちいい、気持ちいいです! 百合に目覚めちゃいそうです」

「っああああ! イッちゃう! イクぅぅぅぅぅ!」

 そのミルの言葉を聞くと、ミルの上でニーナは身体を弓なりに反らせて絶頂に達する。

「はぁ、はぁ……こうやってノンケの娘が百合になる瞬間ってたまらないわ♪ 最高に興奮しちゃう」

「あっ、あっ……い、今のお姉さまのアソコが、ビクビクって……っふあああ」

 自分が置き去りにされたミルは戸惑いながらニーナを見上げると、ニーナはにっこりと微笑み返す。

「アソコ、じゃなくて「おまんこ」よ。私の前でしか見れない、すっごくエッチなミルが見たいなぁ。見せて? 聞かせて? そして百合になって? 私を興奮させて?」

 ニーナの指が敏感になっているミルの腹をなぞりながら、再び腰を動かして、お互いの女性器を刺激し合う。

「っふああああ! 気持ちいい、気持ちいい! アソコが……おまんこが気持ちいい! お姉さまのおまんこで、ミルのおまんこも気持ちよくなっちゃう!」

「ああっ……いいわ、ミル! そんな可愛い顔でおまんこなんて連呼して……すごく、興奮するっ! あっ、あっ……また私すぐイッちゃいそうよ」

 すっかり汗だくになりながら腰を振るニーナに、なすがままに快感を与えられるミル。

「あっ、あっ! わ、私も……またきちゃう! また大きなのが……わ、私……」

 そしてミルにも大きな絶頂の波が訪れる。これまで何回も味わった細かい波ではなく、それとは比べ物にならないくらい大きな波。その恐怖と不安に、ミルは全身をゾクゾクとさせる。

「一緒にイキましょう、ミル……そしてイク時はちゃんとイクって……いやらしい言葉をたくさんたくさん叫びながら、ちゃんと百合になるって宣言するのよ……っんんんん!」

 そうして自分と一緒にミルを昇りつめさせるために、ニーナは腰遣いにラストスパートをかけるように激しくしていく。布団が擦れる音と、愛液が混ざり合うグチュグチュという淫音。

 その中で、ミルの嬌声が響き渡る。

「っんあああああ! だ、だめぇー! い……イクイクぅ! いっくううううう! おまんこ! おまんこがイクのぉぉぉ! おまんこ、イクぅぅぅ! ミル、百合になりましゅうううううう!」

「あああああーっ! ミル大好き♪ 好き好き♪ イク! イクぅぅぅぅ♪」

 ミルの卑猥な声を聞きながら、ニーナは至福の表情を浮かべながら、彼女の身体を抱きしめる。

 そうして2人は同時に最高の快感に達するのだった。

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 翌日ーー

「隊長っ! ニーナ隊長!」

 慌てたように、テントの入り口から上司の名を呼ぶのはゴーガンだった。ただ事ではないことが、その慌てた様子から見てわかる。

 そんなゴーガンの呼び掛けに、たっぷりと1分以上の時間をかけて、のそりとテントの中から1人の女性が顔を出す。

「んもぅ、うるっさいわねぇ」

「な、ななななっ……!」

 日は天高く空に昇っている。

 つまり今の時間は正午当たりなのだが、それにも関わらず寝起きのボサボサの髪。着ている服も寝間着のままで。二の腕も、ふくよかな胸の谷間も、太ももも大胆に露出させている。

「て、敵が攻めてきました! 急いで出撃準備をっ!」

 この時間まで惰眠を貪っていたというのか。龍牙騎士--しかも隊を率いる部隊長ーーにあるまじき、だらしない有様に、ゴーガンは憤りを隠せなかった。しかしそんなゴーガンの怒りなど、どこ吹く風といった様子で、大きな欠伸をするニーナ。

「ふああぁ~……ったく、もう。敵も毎日毎日飽きないわねぇ。それじゃ、ノースポール侯爵にはいつも通り伝えといて。前衛部隊の指揮も、いつも通り君に任せるよ、ゴーガン君。むにゃむにゃ」

 まだ夢見る心地な気だるげな声で、ニーナは面倒くさそうにゴーガンに指示を飛ばす。

「ん~? あれぇ~? お姉様ぁ……何かあったんですかぁ?」

 すると、テントの中から可愛らしい声が聞こえてくる。

 その声は忘れようもない、昨夜ニーナが自らのテントに連れ込んだ、あの白薔薇騎士だ。

「あ~ん、ミルちゃんは寝てていいのよー。今日もぱぱっと片づけて、ぱぱっと戻ってくるから。いい娘で待っててね~♪」

 その声を聞くや否か、一気にテンションが上がって、鼻歌すら交えながら中の少女へ返事をするニーナ。

「あ……ま、待って下さい……その行ってらっしゃいのキス……したい、です」

「~~~~っ! ミルちゃ~ん!」

 歓喜に全身を震わせながら、テントの中に入っていくニーナ。

「必ず無事に戻ってきてくださいね……ん……ちゅ……っんん? だ、ダメです……これから戦闘なのに……れろ……あっ、ダメ……イク! イッちゃう!」

 そしてゴーガンが遠い目をして待つこと十分程度だったか。陣地内では龍牙騎士達が、攻めてくる敵部隊への準備に慌ただしく動く中、ゴーガンは微動だにせずに待っていた。

 すると、すっかり身だしなみを整えて、いつもの軽鎧に身を包んだニーナが出てくる。心なしか、肌は艶々として瑞々しく、とても良い顔をしている。

「さぁ! 今日も龍牙騎士の名に掛けて、愛すべき聖アルマイトの民ーー特に可愛い美少女達を、暴虐の限りを尽くす第2王女派から守り抜くわよ、ゴーガン君」

「……」

 腰に両手を当てて意気揚々に叫ぶニーナ。この一部分だけ切り取れば、理想の上司とも思えなくはないのだが。

「--ふ。昨夜はまたつまらぬ理由で、可愛い娘を百合の世界に誘ってしまった」

「本当だよ……」

 何故か誇らしげにつぶやくニーナに、脊髄反射で突っ込みながら頭を抱えるゴーガン。

「ああ、あのドロウガ家のボンボンのチンコは焼き切って豚の餌にでもしておいて。よろしく」

「ダメですってば!」「あほか、あんたは!」

 テントの中の愛人(?)と目の前の部下から総突っ込みを受けるニーナは、それでもケタケタと笑い続けていた。

□■□■

 一見、第1王子派側の優勢に見えるノースポール領戦線だったが、3領地全ての戦況から見てみると、その状況はフェスティアの思惑通りに進んでいた。

 ノースポール領防衛部隊の隊長であるニーナは、こう見えて無能というわけではない。フェスティアの意図に気づきつつも、だからといって3領地全ての戦況を動かす程の力は持っていなかった。

 1部隊の部隊長に過ぎない彼女は、目の前のノースポール領戦線を防衛することで精一杯だった。そのため、この膠着状態に危惧も抱いていたが--

 ニーナ=シャンディ独特の性格もあって、ここノースポール領防衛部隊に重苦しい空気は全く漂っていなかった。
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