女の子

赤白さん

文字の大きさ
1 / 1

女の子

しおりを挟む
私は、どこにでもいる普通の女子高校生。容姿は、日本人に多い黒髪黒目。背丈も体重も年齢平均ぐらい。
学力は平均よりちょっと上だけど、運動神経はあまり良くない。

学校でも特に目立つことなく、何人かの仲のいい友達と平凡に過ごしている。
家では好きな歌手の曲を聴いたり、それに併せて歌ってみたり。
あとは学生らしく勉強したり、仲のいい友達たちと共通のスマホゲームを遊んだりして過ごしている。


そんな私だけど、高校生の女の子らしく恋をしている。
でもそれが周りの皆とは少し違っている。人間の半数以上は異性に恋する。でも私はいわゆるマイノリティ、少数派の人間だ。
なぜなら恋をしている相手が同性、つまり女の子だから。

私が恋をしたのは去年の夏休み、16歳の時。
今も仲のいい友達たちと、遊びに行く予定だった日のこと。
この仲良しグループは普段、私を含めた4人で集まっている。
そしてその日も4人で遊ぶことになっていた。でも当日の朝、私が出掛ける準備をしていたときにLINEでドタキャンされた。
4人のグループなのに、そのうち二人が急遽ダメになってしまった。
仲のいい友達だから別に怒ったりはしなかった。でもせっかく準備してたのに中止かぁ…と思っていると、4人のうちの最後の一人から個人トークでメッセージが届いた。

『二人で遊ばない?』
『遊ぼ!』

と私はすぐに返した。これが恋をするきっかけになるとは、当時の私には考えられなかった。


とりあえず私は準備を終わらせ、彼女と合流することになった。
二人とも最寄り駅が同じだから、駅前で待ち合わせすることにした。
ちょっと早めに着いたのでスマホを触って待っていると、
おはよーと話しかけられた。目線をスマホから目の前に移すと彼女がいた。

「おはよ。今日の服似合ってるね。」

「そうでしょ?今日のために買ったんだよね。」

彼女はジーンズショートパンツに白いおしゃれなデザインTシャツ、その上から白色の薄手のロングカーディガンを着ていた。彼女は身長が170cmあり、その体格と明るいイメージに合っている、活発な感じの服装だった。スニーカーだし、今日はたくさん歩くつもりらしい。

「似合ってるでしょ?それじゃあ行こっか。」


私たちは電車で隣町の超大型ショッピングモールに行った。元々はあるテーマパークに行く予定だったけど、それは皆で行きたかったからウィンドウショッピングをしようっていう話になった。

女の子同士でウィンドウショッピング、盛り上がらない訳がなかった。お互いに似合う服を選びあったり、いい感じのカフェでお喋りしたり、その他たくさん遊んでいたらすぐに時間が過ぎ、夕食の時間になった。それからファミレスに行き、食べてからまたお喋りしていると、21時を過ぎてしまっていた。そこから電車に乗ると、最寄り駅に着いたのは22時前だった。


この日は金曜日ということもあり、駅前には既に酔ったサラリーマンが少なからずいた。時間も遅いし、もう別れようとした時に、酔ったサラリーマンに絡まれてしまった。

「お嬢ちゃんたち、俺たちと飲みに行かないかい?」

たちが悪いことに、中年のおじさん3人グループで、目の前に立ち塞がってきた。無視して横を通り抜けようとすると、私の腕を一人の男が掴んできた。

「ちょっと、やめてください!」

「いいじゃないか、何もしないからさ~。」

最悪だった。何とか振りほどこうにも、相手は男。力は負けていて、どうしようかと焦っていると、

「離しなさい!」

一緒にいた彼女がそう叫び、私の腕を掴んでいる男の股間を蹴りあげた。
すると男は私の腕を離し、その場に崩れ落ちた。
その隙に彼女は私の手を握ると、

「逃げるよ!」

と言って引っ張り、走り始めた。


ある程度逃げたところにある公園に行き、外灯の下でやっと止まった。

この時の私は凄くドキドキしていた。その理由は、さっきの男たちが怖かった事と、全速力で走ったこと。
そして何より…

「はぁ、はぁ…大丈夫?」

私のことを助けてくれた彼女を見ていると、胸が痛くなるほどドキドキしてしまう。

「えっ!?う、うん!大丈夫!」

「本当に?じゃあ休憩したら送ってくね。」

私を気遣って家まで送ると言ってくれる優しい彼女。見ているだけでもドキドキするのに、優しくされるともうダメ。認めてしまおう。私は彼女のことが好きになってしまった。


私はあれからずっと、彼女のことが好きだ。元から女の子が好きだった訳じゃない。たまたま好きになったのが彼女だっただけ。
私はこの気持ちを誰にも伝えない。告白なんか出来るはずがない。伝えてしまうと、もう一生話すことが出来ないかもしれないから。
だからこの気持ちは死ぬまで誰にも言わない。これから彼女が誰かと付き合おうが、結婚しようが、私は彼女の幸せを願い、仲のいい友達として支えてあげるだけだ。それが私の幸せなのだから…。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

馬小屋の令嬢

satomi
恋愛
産まれた時に髪の色が黒いということで、馬小屋での生活を強いられてきたハナコ。その10年後にも男の子が髪の色が黒かったので、馬小屋へ。その一年後にもまた男の子が一人馬小屋へ。やっとその一年後に待望の金髪の子が生まれる。女の子だけど、それでも公爵閣下は嬉しかった。彼女の名前はステラリンク。馬小屋の子は名前を適当につけた。長女はハナコ。長男はタロウ、次男はジロウ。 髪の色に翻弄される彼女たちとそれとは全く関係ない世間との違い。 ある日、パーティーに招待されます。そこで歯車が狂っていきます。

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...