君の笑顔が大好きで -モテないオレとイケメン親友のラブラブな日常- 1.5

mii

文字の大きさ
22 / 26
文化祭

16.ミスコン・・・出場!?

しおりを挟む
♪~

2人で屋上で過ごしていると、あきらのスマホが鳴った。

あきらは面倒くさそうに、スマホを取り出す。


「・・・もしもし?」

『あっ、あきらくん! 今どこにいるの!?』


電話の相手は、オレにも聞こえるくらい大声で話す。

電話の向こうは、がやがやうるさいから、そのせいなのか?


「どこって・・・屋上?」

『もーーっ、何やってるの! 早くステージに来て!!』

「あ」


あきらは少しバツが悪そうなカオになった。

ステージって・・・・ あ


オレも少し考えて、思いだした。

「あきら、コンテストの時間じゃねー?」

聞くと、あきらは小さく頷いた。

「・・・・みたいだな。 忘れてた」


『忘れないでよっ! もう集合時間だから、急いで来てね!』

「わかったよ」


あきらは電話を切ると、小さくため息をついた。

「・・・・めんどくせー・・・・ さぼろっかな」

そう言って、オレの腰に手を回して引き寄せる。

「せっかくレイキと居れるのに」


・・・・うれしい。

オレだって、あきらと居たい、けど。


今からあるのは、うちの学校の文化祭名物、ミスター&ミスコンテスト。


クラスそれぞれ男女1名ずつ選んで出場するんだ。
他にも、自薦他薦何でもアリで、外部から来たお客さんも、勧誘されて飛び込みで出場したりする。

あきらは、オレたちのクラス代表で選ばれた。


「でもさ、みんなに選ばれたんだし。 出なきゃダメだろ」

「んー・・・」

あきらはまだ、気乗りしないみたいで、甘えるようにオレの肩にもたれかかってる。


「ほらあきら、行こうぜ!」

オレは立ち上がって、あきらの腕を引っ張った。


その時、あきらが何か思いついたようなカオをして、オレを見た。

口角を持ち上げるその表情は・・・ どことなく、イジワルで。


「じゃあさ、レイキも出ようぜ」


「・・・・は?」


「うん、そうしよ。 オレが推薦するから」

言いながら、あきらは嬉しそうに立ち上がった。


「ちょっ、待てよ!」

推薦って・・・・

ってか今オレ、メイドの格好だし・・・・


「・・・・・どっち、で・・・・・?」


ニヤって笑うあきらを見て、オレには聞かなくても答えが分かってしまった。


「ばか! 出るわけねーだろ!!」

オレは怒るけど、あきらはそんなこと全然気にしない様子でオレの腕を引いた。

「よし、行こうぜ」

「だから! 待てって!」



あきらに腕を引かれて、オレたちはステージ脇までやってきた。


「あ、あきらくん!おそいー!」

クラスの女子と実行委員の女のコが、あきらを見つけてホッとしたカオになった。


「あきらくん、こっち! ・・・って、え、・・・誰・・・?」

オレがメイドになってることを知らないらしく、クラスの女子は怪訝そうにオレを見る。


「あ、このコ、オレの彼女。
ミスコンに、飛び入りでエントリーさせてくんない?」


『えっ!? ええええええええーーーー!!????』


「あきらっ!」


さらっと言ったあきらに、クラスの女子と実行委員は悲鳴のような声を上げる。


そんなオレたちを置いて、あきらはさっさと男子の方の集合場所に行ってしまった。

取り残されたオレを、女のコたちが上から下まで鋭い視線で見る。


ううっ・・・・・こえーよぉ・・・・・


実行委員は小さくため息をつくと、オレの腕を掴んだ。

「とりあえず、時間ないからこっち来て」

「えっ・・・でも」

「城井くんの推薦で、出場、ね。 名前は?」

「あ・・・ レイ、キ」

「レイ?」

実行委員は聞き取れなかったみたいで、紙に『レイ』と書くと、オレに差し出してきた。

「コレ、胸に張って。 そこで待っててね」


渡された紙は、裏がシールになってて、直接服に張り付けられるようになっていた。


オレ・・・・出たらマズイだろ・・・・


実行委員がオレから離れたので、さっさと逃げようとしたら、


「え、ちょっと!?」

後ろから腕を掴まれた。

振り返ると、高野だった。


高野もうちのクラス代表でエントリーしてる。


「坂本くん・・・・よね?」

高野が小声で聞いてきた。

高野とは教室を出る時に会ったし、オレだってすぐに気付いたみたいだ。


「ああ・・・」

「なんでこんなとこにいるの?」

「あきらの悪ふざけだよ。 
無理矢理連れてこられて、自分の推薦でって、エントリーさせられた」

ふて腐れてオレが言うと、高野は声を上げて笑った。

「うけるー! そうなんだ!
じゃあせっかくだし、出ようよ!」

「え、嫌に決まってんだろ。 恥ずかしいし。
オレ抜けるぜ」

「いいじゃない! かわいかったって、クラスでも好評だったよ♡」

「やだって!」


そんなやりとりをしていると、

「じゃあ女のコたちも、ステージに上がってくださーい!」

実行委員に、ステージに上がるよう促される。

逃げようとするけど、高野がオレの腕をしっかりつかんで離さない。

「高野・・・・・!」

「いこっ。 レイちゃん♡」


高野に引っ張られて、ステージに上がってしまった。


あー、もう逃げらんねー・・・


ステージから見下ろすと、たくさんの男子の視線がミスコンエントリーの女のコたちに注がれているのを感じた。

特にオレは、学内でも人気の高野と腕を組んでるから・・・ 余計に視線を感じてしまう。


やべーな・・・ まじ、どーしよ・・・


ふとステージの反対側を見ると、あきらがいるのに気が付いた。

ステージに上がってるオレを見て、満足そうに口角を持ち上げる。


くそっ、ムカつく!

こんな格好で、しかもミスコンの方なんて・・・


「つぎは2-Bの、めぐみちゃん!」

司会が一人ずつ、エントリーしてるコを紹介していく。

高野が紹介されると、客席から歓声が上がった。


さすが・・・・ すげー人気だな・・・


高野はにこにこしてみんなに手を振っていた。


「次は・・・ 飛び入り参加の、レイちゃん!」


うわー・・・ オレだよ・・・・


「めぐみちゃんと同じメイド服ってことは、2-Bのコかな?」

司会に聞かれて、オレはうつむいたまま小さく頷いた。


頼むから、あんまりオレを見ないでくれ・・・・

さっさと、次のコに行ってくれよー・・・・


「レイちゃんを推薦したのは、同じく2-Bの城井くん!
なんとレイちゃんは・・・・・ 城井くんの、彼女だそうでーす!!」


「ええっ!? ちょっ・・・!」


司会の言葉に動揺する。


ステージ上の人も、観客も、そこに居るすべての人の視線がオレに集中するのを感じた。

女のコたちの驚きと嫉妬が入り混じった、冷ややかな視線を浴びせられる。

ただ、オレの隣に居る高野は、笑いをこらえきれないような表情をしていた。


あきらを見ると・・・

あきらもオレを見て、すげー楽しそうな表情。


・・・・まじ、ムカつく!!!


オレはずんずんとステージを横切って、あきらに近づいた。

「あ、ちょっと、レイちゃん!?」

司会が驚いたようにオレを制止するが、無視。


「あきらッ、てめーなあっ」

その胸倉を掴もうと伸ばした手は、逆にあきらに掴まれて、ぐいって引っ張られた。


「うわっ」


バランスを崩したオレの腰にあきらは手を回して、カラダを引き寄せる。


『きゃああーーっ!』


女のコたちの悲鳴のような声。


そんなのをよそに、あきらはオレにカオを近づけてくる。



・・・・オレに、キス、しようとして。



「・・・あきらッ!」

オレは空いていた手で、あきらの顔面を正面から抑え付けた。


「・・・・てめ、ちょーし乗り過ぎだっ」


怒気を孕んだオレの声に、あきらは素直にオレから手を放した。


オレは怒りのままに、茫然とした様子の司会に近づき、その手からマイクを奪い取った。



「2-Bの坂本玲紀だ!
オレがエントリーすんのは、ミスコンじゃなくて、ミスターコンの方だからなっ!!」



鼻息荒く自己紹介をしたオレに、会場から笑いと歓声が起こった。



オレは司会にマイクを返すと、あきらの隣に並んだ。

あきらは笑って、オレの肩を抱いてきた。


「レイキ、ゴメン。 でも、そんな格好なのに、すげーカッコいいな」

「当たり前だろ。 ・・・オレは、男、だよ」

「そうだな」



成り行き上、オレはそのままミスターコンに出場した。

こんな格好なのと、登場の仕方があんなんだったからだろう。 審査員特別賞をもらった。


ミスターコンの優勝はあきら、準優勝は矢神先輩だった。


「先輩! お疲れ様です」

声をかけると、先輩はオレたちを見て笑った。

「今年もあきらに負けたなー。 リベンジしたかったんだけどな」

あきらが入学する前、矢神先輩が1年生の時、先輩はダントツで優勝だったらしい。


「それにしても坂本・・・・・ お前、ウケたぜー」

「もー、笑わないで下さいよ」

「いや、最初ホント分かんなかった。 あきらの彼女って紹介されてたしさ。
こんなかわいいコ、うちの学校に居たんだなー、なんて思ってたよ」


褒められてるのか、よく分かんねーけど。


「とりあえず、あきらの彼女って誤解が解けてよかったです。 ・・・・女のコたちの視線、すげー怖かったですもん・・・・」

オレがげんなりして言うと、矢神先輩はオレの頭をぽんぽんと撫でた。

「坂本、災難だったな。 あきらも、あんまり坂本で遊ぶなよ?」

「遊んでませんよ」

「じゃあ、またな」


矢神先輩と別れて、ため息をつく。

「・・・・ホント、あきらのせいでひどい目に合ったぜ」

「その格好をさせたのは、オレじゃないだろ」

「そうだけどさ」



教室に戻ると、優勝したあきらと準優勝だった高野、そして特別賞をもらったオレを、みんなが歓迎してくれた。


またみんなにいじられ、写真を撮られ・・・・

やっと更衣スペースに入った時は、もうぐったりだった。


「やっと脱げる!」

ウイッグを外し、制服に着替えると、本当にホッとした。

女装なんて、もうまっぴらだ。


「でもレイキ、本当にかわいかった」

あきらは微笑みながら、メイク落としシートでカオを拭くオレを見る。

「・・・もう二度とやんねーからな。
ほんと、女のコたちの視線、こええんだぜ!?」

思いだすだけで、震えがくる。


「でもさ」

あきらはオレの腰に手を回して引き寄せてきた。

「『彼女』っての・・・・ 間違ってはなかっただろ?」

更衣スペースには、今はオレたちだけ。

「・・・・オレは『彼女』じゃねーよ。 男、だもん」

少しふくれて言うと、あきらはオレの頬にそっと触れた。

「・・・あー・・・ ステージでキス、したかったなー」

「えっ・・・ あれ、本気だったのか!?」

「ああ。 レイキはオレのもんだって、見せつけたかった」

「ばかっ。 お前、ばかだろ!」

恥ずかしくなって、小声であきらを責める。


・・・・でも・・・ もし本当にキスしてたら・・・・ どうだったんだろう・・・・


「・・・・して、欲しかった?」


思わず考え込んでいたオレに、あきらの甘い囁き。



・・・・ほんとは・・・・・ 今、してほしい、けど・・・・

ココはみんなが使う更衣スペース。

いつ誰が入ってくるかわからない。

こうやってくっついてるだけでも、不自然、だもんな・・・・・



オレはあきらの耳元に口を寄せて、

「・・・・帰ってから、いっぱい、シて?」

小さい声で囁いた。


言った後、恥ずかしくなってあきらから離れるけど、あきらは固まったままだった。


「あきら・・・・?」

「はあ・・・・」

あきらはため息をついて、額に手を当てる。


オレ・・・・変なこと言ったかな・・・・


不安になって、あきらのカオを覗き込むと、

「・・・・!」

思わず、オレも固まってしまう。


だって、あきらが照れて、カオを赤くしてたんだ・・・・・


すっげー、珍しい・・・・・!



「ちょっと、今のレイキ・・・・・ キタ・・・・・」

手を額に当てながら、恥ずかしそうに、あきらが呟く。


「あきらがそんなカオするなんて、めずらしいな・・・」

「・・・あんま見るなよ・・・!」

あきらはオレをにらむけど、目元がほんのり赤くて・・・・


なんかあきらが、かわいい・・・・・!


オレの行動で、あきらがこんなになってるなんて、すげーうれしい。


帰ってからの甘い時間が、すごく楽しみになった。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

【完】君に届かない声

未希かずは(Miki)
BL
 内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。  ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。 すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。 執着囲い込み☓健気。ハピエンです。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

処理中です...