【R18】僕だけの大切な弟。誰にもわたすつもりはない。〜DomSubユニバース〜

黒夜須(くろやす)

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第二十一話 星遥①

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ゆっくりと目を覚ますと、あたりは真っ暗であった。しばらくすると目が慣れて見慣れた天井を見えてきた。
「……家の寝室か?」
ゆっくりと起き上がるとあたりを見回した。
「確か、学校にいて絡まれて……。あ、アレは兄のGlare(グレア)。校内まで来てたのか?」
ベッドから降り立ち上がると寝巻を着ている自分に気づいた。身体からはボディソープの香りがした。
遥は寝室を出ると、リビングルームの方で人の気配がすることに気づいた。ゆっくり扉を開けると遥斗が電話をしていた。背中しか見えなかったため、会話内容や相手が誰だか分からなかった。
遥斗はよく電話をしているから気にすることでもないのかもしれないが、今回は気になった。
電話を切ったのを確認すると、「兄」と声を掛けた。
彼は振り向くと穏やかに微笑んでいた。
遥は電話の相手を聞こうとしたが、彼の手にある手紙を見ると聞くことができなかった。
「鞄を持ってくるときに落ちたよ」
ゆっくり口をあけて話ながら両手を動かした。
いつもは遥の手を取りそこに口に付けて会話をするのに、今日は手話であった。それが遥を不安にさせたがそれと同時に期待もした。
――手紙に嫉妬している?
遥斗を煽る目的で手紙を持ってきたのだから、もし彼が嫉妬して遥に手を出してくれたら意味がある。
「ラブレター? 遥はモテるのだね」
穏やかな笑顔で手紙をわたされ、遥の心は荒れ手紙をポケットに乱暴にいれた。遥斗はそれに気づいている様子であったが特に何も言わなかった。
相変わらず微笑んでいる遥斗は「今日は大変だったね」と言いながら、テーブルに用意された食事を指さした。
全ての会話はゆっくりとした口調と手の動きで伝えられた。いつも様に手をにぎり、唇をつけてはくれない。
右手が寂しくて自分の手を見みてゆっくりと握りしめた。遥斗はその様子に気づいたようだが、何も言わずに席についた。

静かな食事が始まった。

食事が静かなのはいつもの事であるが、今日は気まずかった。
遥斗の事が気になりチラリと見たが彼は食事に集中して目があうことがなかった。
寂しさを感じたがどうアクションを起こしていいか分からなかった。
食事が終わると、食器を流しにいれたまま出掛けてしまった。「そのままでいい」と言われた皿がタライの水の中に浮いている。そこに、遥は自分の食器をいれた。
同じタライに入っているのに遥の使った皿は遥斗の使った皿に触れない。
それが遥斗と自分の様に感じた。
遥は自分の皿を遥斗の皿に近づけた。すると、遥斗の皿が逃げた。
「……兄」
今朝まで、遥斗は優しかった。彼がそうなった理由は神田とトラブルを起こしたことか。手紙をもらったことか。
遥は途方に暮れていた。
タライの水に触れて水洗いした食器を食器洗浄機にいれた。キレイに収まっていく食器。
食器洗浄機を閉めスイッチを入れると、振り向いたがそこにはいつもいる遥斗の姿はなかった。
食事洗浄機の回る音だけが響くキッチン。
「兄……」
呼んでも返事はない。
『出掛けてくる』と言っていた。帰ってこないわけじゃないのに心の中に穴が空いたようだ。
留守番はこれが初めてじゃないのに不安に包まれた。
寝室に行く気になれず、ソファに倒れこんだ。
「兄……。遥斗」近くにあった四角いクッションを抱きしめた。その時のポケットいれた手紙を思い出した。
グシャグシャになった手紙を取り出すと破り捨てようとした。しかし、思いとどまり広げた。
「……ナニコレ」
遥がよくもらう手紙は女性らしい細い手書きの文字で遥への思いが長々とつづられていて、最後に付き合ってほしいようなことが書いてあった。しかし、この手紙は場所と時間のみだ。字もワープロで打ったのだろう。
「罠かなぁ」
手紙を渡してきた女の子のことを遥は思い出した。ピンクのツインテールに大きな胸を持ちアンバランスな体をしていたため目立っていた。
「アニメのキャラクターみたいだったなぁ」
朝、押しかけてくる女の子の中にもそんな人間がいた気がしたが記憶が曖昧であった。
「……」
遥斗がいない広いリビングルームにいると気が滅入りそうであったため寝室へ行った。すると、姿見に自身が映った。筋肉質な腕に割れた腹部。遥は腹部に触れるとひな子のシゴキを思い出した。
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