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腕の重さで目が覚めた悠は自分の腕の上で寝ている正樹を見て悠は驚いた。
「え……?」慌てて周囲を見回した。
そこは見慣れた悠の家であった。
「わ、私は……」
パンツ一枚の自分の身体には無数のキスマークや歯型があった。更に腕の上にTシャツ一枚で寝ている正樹。何があったか想像するのは容易であった。
「……」
尻に違和感があった。
ゆっくりと深呼吸をして、規則正しい寝息を立てている正樹を見た。
仰向けになり目を閉じて昨夜の記憶を整理した。
大学の講義後に、虎司に飲みに誘われた。彼は可沼一香を誘ったと言うので行く気はなかった。
「可沼さん彼氏いるでしょ。大丈夫なの?」
「彼氏より俺のが、イケメンじゃない?」
「顔なんて個人の好みだと思うよ」
文武両道の虎司は知り合った時から人気があった。そのノリで悠にも話しかけてきた。
高校で孤立していたため当時の悠は嬉しく思ったが今はうっとうしさを感じていた。
「綺麗な方がいいだろ」
「なら、私を誘うわないで二人で行きなよ」
虎司が彼氏持ちの子を誘うのは今に始まった事ではない。しかし、巻き込まれるのはごめんだ。
「だってさ」虎司は不満そうな顔した。「一香ちゃん彼氏連れて来るって言うだよ。だからさ、その彼氏をさ」
ニヤリと笑う虎司に悠はため息をついた。
この提案に乗って良い思いをしたことなどない。
「他人の男に興味ないよ。それに私は……」
自分のスカートを見て眉を下げた。
「大丈夫だって、そんな君でもいいって言うかも」
「行かないよ」悠は首を振った。
虎司の執念に負けて何度かこの手の話にのり、彼氏を落したことがあった。しかし、その先に進めなかった。
自分の正体が知られる事を懸念する気持ちもあった。それに、幼い頃に約束をした相手が浮かんだ。
虎司は少し考えると鞄からスマートフォンを取り出して写真を見せた。
「――ッ」その写真に悠は言葉を失った。
「これが、一香ちゃんの彼氏なんだけどさ」
虎司は黒髪長身の男を指さしたが、悠の目に映っていたのは隣で笑っている茶色い髪の男であった。黒髪の人よりも二十センチ以上低かった。彼が幼い頃から身長の事を気にしていたのを思い出すとおかしくなった。
「なんだ? 好みの男だった?」
「うん」悠の胸は高鳴った。「この人が来るなら行ってもいいよ」
悠が茶色い髪の彼を指さすと「へ? このチビ?」と言って虎司は眉を寄せた。
「チビだし普通の顔してんじゃん。黒髪の方がイケメンじゃない?」
「かっこいいの」
うっとりする悠に虎司は首を傾げた。
「知ってる奴? そんな顔、いままでしたことないじゃん」
「え?」
顔を指摘されて、悠は両手で隠した。自分がどんな表情をしていたか分からないが恥ずかしくなった。
「わかった。じゃ両方に声掛けるから黒髪に少しはアプローチしてよ」
「……まぁ」
乗り気ではなかったが、彼に会えるならと承諾した
「え……?」慌てて周囲を見回した。
そこは見慣れた悠の家であった。
「わ、私は……」
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「……」
尻に違和感があった。
ゆっくりと深呼吸をして、規則正しい寝息を立てている正樹を見た。
仰向けになり目を閉じて昨夜の記憶を整理した。
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自分のスカートを見て眉を下げた。
「大丈夫だって、そんな君でもいいって言うかも」
「行かないよ」悠は首を振った。
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自分の正体が知られる事を懸念する気持ちもあった。それに、幼い頃に約束をした相手が浮かんだ。
虎司は少し考えると鞄からスマートフォンを取り出して写真を見せた。
「――ッ」その写真に悠は言葉を失った。
「これが、一香ちゃんの彼氏なんだけどさ」
虎司は黒髪長身の男を指さしたが、悠の目に映っていたのは隣で笑っている茶色い髪の男であった。黒髪の人よりも二十センチ以上低かった。彼が幼い頃から身長の事を気にしていたのを思い出すとおかしくなった。
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「かっこいいの」
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「知ってる奴? そんな顔、いままでしたことないじゃん」
「え?」
顔を指摘されて、悠は両手で隠した。自分がどんな表情をしていたか分からないが恥ずかしくなった。
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