21 / 37
21
しおりを挟む
身体が重く動けずにベッドでぐったりとしていると、正樹に支えられて風呂場まで連れて行かれた。丁寧に洗われるとそれに興奮していまい股間のモノ大きくなった。恥ずかしくて顔を背けると正樹は微笑み抜いてくれた。
風呂から上がると、綺麗になったシーツに転がった。いつもの寝いているベッドなのに特別気落ち良さを感じた。
しばらくすると、悠の服で身を包んだ正樹が近づいてきた。それが嬉しくて顔を緩んだ。
「わりぃ、話の途中で盛って……」
自分の頭をかきながら、すまなそうにする正樹に首をふった。
アレは悠にとってはご褒美だった。
「で、話の続きなんだけど」
正樹はベッドボードに置いたスマートフォンを取り操作すると、写真を見せてくれた。
「ん?」その写真に悠は首を傾げた。
木山恵がセーラー服を着ていた。彼は整った顔をしているが女顔ではない。
男が女装しているのだよ分かる写真だ。
自分の方が綺麗だと口に出しそうになり、慌てて飲み込んだ。
「えっと、文化祭とかの?」
学生のお祭り騒ぎでの女装なら分かる。
悠の高校時代もノリノリで女装したり男装したりして文化祭を盛り上げている奴がいた。
「違う。あいつは入学から卒業までこの制服を着ていた」
「女装で……?」意味が分からなかった。
「見たことないけど、チンコはないらしい」
「チン……」
正樹の基準はチンコらしい。
分かりやすいが、余りに連呼されるといたたまれない気持ちになる。
「あの、あまり……。ソレを連呼は……」
「分かりやすくない?」正樹は笑った。
「おっぱいっていうのもあるけど、太れば男でも巨乳になるし、痩せればなくなる。実際、あいつはほぼないって聞いた」
「あの、木山さんは男になりたいの?」
「男……? チンコはほしいって話は聞いてないなぁ。まぁ、現状に満足そうだよ」
満足とは河沼一香との関係だろうと考えて、悠は眉を寄せた。
「あ、河沼さんが男なの?」
「聞いたことないなぁ。一香の裸を見たことないし」
正樹は首をしげながら、スマートフォンを操作した。数回呼び出し音がなると『なに?』という面倒くさそうな声が聞こえた。正樹がスピーカーにしたため相手の声がはっきりと聞こえた。
「お前ってチンコある?」
『ないわよ。いきなりどうしたのよ?』
突然のセクハラ発言に河沼一香は動揺することなく答えた。
「湯川悠が、お前が男かってきくから。チンコねぇなら現在の戸籍は女かなと思って」
『そうね。現在の年齢では戸籍変更は難しいわねぇ』
「だってよ」
正樹は通話のまま話しかけてきた。悠は彼の感覚についていけなくて戸惑った。
『湯川さん、そこにいるの?』
「おう」
『あ~、ごめんね。正樹アホでしょ。デリケートな問題を雑に扱うから』
「いえ……」
河沼一香は常識的な事を言ったが、悠はモヤモヤした気持ちになった。彼女の正樹の事を知っているという態度が気に入らなかった。
『私は戸籍も身体も女よ。恋愛対象はチンコがない人間。おっぱいはそこまで気にしないかな』
「……」
飲み会の時は、河沼一香がこんなにもアホだと感じなかった。そもそも、学校では落ち着いた雰囲気の才女だ。だからそこ、虎司が気に入ったのだ。
『だから、正樹とどうこうなることないから安心しなさい』
「はい……」
『それよりアイツなんとかしてくれないかしら?』
「アイツ……?」
『虎司よ。はっきりとチンコには興味をないって言ったのに『俺が目覚めさせる』とか言うのよ』
虎司の性格を考えると彼女の言った光景は容易に想像できた。
「ごめんなさ……」
「お前が謝る必要ねぇだろ」謝罪の言葉の途中で、正樹に静止された。「アイツの勝手な行動だろ」
「……そうだけど」
「お前もゆうちゃんを責めんな」
眉を寄せて強い口調で言った。それが嬉しかった。
『アハハ、ごめんね』
悪びれる様子なく謝った。それに正樹はため息をついた。
「ゆうちゃん、コイツに何か聞きたいことあるか?」
首を振ると、正樹は「じゃ」と言って電話を切った。
風呂から上がると、綺麗になったシーツに転がった。いつもの寝いているベッドなのに特別気落ち良さを感じた。
しばらくすると、悠の服で身を包んだ正樹が近づいてきた。それが嬉しくて顔を緩んだ。
「わりぃ、話の途中で盛って……」
自分の頭をかきながら、すまなそうにする正樹に首をふった。
アレは悠にとってはご褒美だった。
「で、話の続きなんだけど」
正樹はベッドボードに置いたスマートフォンを取り操作すると、写真を見せてくれた。
「ん?」その写真に悠は首を傾げた。
木山恵がセーラー服を着ていた。彼は整った顔をしているが女顔ではない。
男が女装しているのだよ分かる写真だ。
自分の方が綺麗だと口に出しそうになり、慌てて飲み込んだ。
「えっと、文化祭とかの?」
学生のお祭り騒ぎでの女装なら分かる。
悠の高校時代もノリノリで女装したり男装したりして文化祭を盛り上げている奴がいた。
「違う。あいつは入学から卒業までこの制服を着ていた」
「女装で……?」意味が分からなかった。
「見たことないけど、チンコはないらしい」
「チン……」
正樹の基準はチンコらしい。
分かりやすいが、余りに連呼されるといたたまれない気持ちになる。
「あの、あまり……。ソレを連呼は……」
「分かりやすくない?」正樹は笑った。
「おっぱいっていうのもあるけど、太れば男でも巨乳になるし、痩せればなくなる。実際、あいつはほぼないって聞いた」
「あの、木山さんは男になりたいの?」
「男……? チンコはほしいって話は聞いてないなぁ。まぁ、現状に満足そうだよ」
満足とは河沼一香との関係だろうと考えて、悠は眉を寄せた。
「あ、河沼さんが男なの?」
「聞いたことないなぁ。一香の裸を見たことないし」
正樹は首をしげながら、スマートフォンを操作した。数回呼び出し音がなると『なに?』という面倒くさそうな声が聞こえた。正樹がスピーカーにしたため相手の声がはっきりと聞こえた。
「お前ってチンコある?」
『ないわよ。いきなりどうしたのよ?』
突然のセクハラ発言に河沼一香は動揺することなく答えた。
「湯川悠が、お前が男かってきくから。チンコねぇなら現在の戸籍は女かなと思って」
『そうね。現在の年齢では戸籍変更は難しいわねぇ』
「だってよ」
正樹は通話のまま話しかけてきた。悠は彼の感覚についていけなくて戸惑った。
『湯川さん、そこにいるの?』
「おう」
『あ~、ごめんね。正樹アホでしょ。デリケートな問題を雑に扱うから』
「いえ……」
河沼一香は常識的な事を言ったが、悠はモヤモヤした気持ちになった。彼女の正樹の事を知っているという態度が気に入らなかった。
『私は戸籍も身体も女よ。恋愛対象はチンコがない人間。おっぱいはそこまで気にしないかな』
「……」
飲み会の時は、河沼一香がこんなにもアホだと感じなかった。そもそも、学校では落ち着いた雰囲気の才女だ。だからそこ、虎司が気に入ったのだ。
『だから、正樹とどうこうなることないから安心しなさい』
「はい……」
『それよりアイツなんとかしてくれないかしら?』
「アイツ……?」
『虎司よ。はっきりとチンコには興味をないって言ったのに『俺が目覚めさせる』とか言うのよ』
虎司の性格を考えると彼女の言った光景は容易に想像できた。
「ごめんなさ……」
「お前が謝る必要ねぇだろ」謝罪の言葉の途中で、正樹に静止された。「アイツの勝手な行動だろ」
「……そうだけど」
「お前もゆうちゃんを責めんな」
眉を寄せて強い口調で言った。それが嬉しかった。
『アハハ、ごめんね』
悪びれる様子なく謝った。それに正樹はため息をついた。
「ゆうちゃん、コイツに何か聞きたいことあるか?」
首を振ると、正樹は「じゃ」と言って電話を切った。
0
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる