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第3章 王女篇
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しおりを挟むシャーロットお姉様のお部屋に入るとシャーロットお姉様は疲れた様子でベットに倒れていた
「シャーロットお姉様大丈夫ですか?私たち帰った方がいいんじゃないですか?」
「エレーナ心配してくれてありがとう。問題ないわよ。今は興奮してて寝れないから相手してくれたら嬉しいわ」
「ならいいですけど、シャーロットお姉様出産お疲れ様です」
「長かったような気もするけど、あっという間だった気もするわ」
えっ!?
あんなに長時間だったのにあっという間だと思ったの?
出産って本当に不思議ね
「ラッセル様とティモシー様も長時間付き合わせてしまいすみません」
「構わないよ。俺は部屋で待ってるだけなんだから楽だしな」
「甥か姪に会えるんだから苦ではないよ。それより兄さんは?居ないみたいだけど?」
「デビットは服を着替えに行ってるわ。私の血で服が汚れてしまったから」
「えっ!?血?シャーロットお姉様何処か怪我をしたの!?」
お母様からそんな話全く聞いてないけど………
確かにちょっとだけ顔色悪いかしら?
「心配しないで大丈夫よ。出産には出血が付き物なのよ。心配するようなものじゃないわ。デビットと子供は体を綺麗にしてから来るから、少し待っててね。えっ!?エレーナ涙なんて流してどうしたの!?本当に私は大丈夫よ」
「あれ?何で私、涙なんて流してるの?シャーロットお姉様は無事だって聞いてホッとしたのに…………」
「あらあら、エレーナはいつから泣き虫さんになったのかしら?シャーロットさんは本当に問題ないわよ。私だってエレーナを産んだ時に血を流したけど、今でも健康でしょ?」
「うん。シャーロットお姉様が無事でよかった~~~」
お母様は動けないシャーロットお姉様の代わりに私を抱きしめてくれた
ずっと横に居てくれたラッセル様も私の手を握って、声はかけないけど慰めてくれてるのがわかった
私はなかなか涙が止まらずグズグズしてると、赤ちゃんを抱いたデビット兄様が入ってきた
「えっと………、これはどういう状態?」
「デビットお帰りなさい。う~ん、私が血を流したのを聞いた、エレーナが泣いちゃったのよ」
「あ~、出産の知識がなかったから動揺したのか、エレーナが泣くなんて珍しいな」
「も~、冷やかさないの。デビットだってさっきまで動揺して顔を真っ青にしていたでしょ」
「いや……あれはその~、量が多かったから……うん。そう、量が多かったからビックリしただけだ。それより、こんな時にラッセルとエレーナはイチャつくなよ。俺だってシャーロットとイチャつきたいけど、シャーロットは疲れてるし、これからは子供に掛かりっきりになって俺の相手なんてして貰えなくなるから、今から鬱になってるのに」
「イチャついてなんていません」
「いやいやいや!!手繋いでラブラブしてるだろ。とうとう婚約したのか?」
そう言えば手を繋いだままだったわね。
手を離そうとするけど、ラッセル様は全く手の力を抜いてくれない
ラッセル様を顔を見ると、ラッセル様もこっちを見ていた
何を考えてるか分からずジーッと見つめると、ラッセル様も見つめてくる
えっと………、目をそらすタイミングが分からないわね
私の方から目をそらしたら負けた気がする
「おーい、俺のこと無視して、何見つめあってるんだよ」
「えっ!?あっ………、見つめ合ってなんかいません。私とラッセル様はまだ婚約してないですよ。私はラッセル様なら婚約しても良いと思ってますけど、お父様が私にはまだ早いって渋ってますから」
「あ~、おじさんも往生際が悪いよな。ラッセルは婿に行くんだから、許可してもいいだろうに」
「ふふふっ、男親なんてそんなものよ。婿に来るとしても、娘をやるのは複雑なのよ」
「もう~、私の話はいいから、2人の子供を紹介してよ」
「逃げたわね」
「逃げたな」
お母様とデビット兄様にからかわれるけど、無視してデビット兄様の腕に抱かれてる赤ちゃんを覗き込む
ティモシー兄様も面白そうに私達の様子を見ていたけど、赤ちゃんの方に興味が移ったみたいで一緒に覗き込んでいる
「わ~、可愛い~。小さいね。女の子?」
「いや、女の子ぽい顔だけど男だよ」
「へ~、シャーロットお姉様に似たのね。将来は絶対にモテモテでしょうね。王子系になるのかしら?」
「いや、俺に似てゴツゴツするかもしれないぞ」
「え~、デビット兄様は細マッチョだからゴツゴツではないでしょ。細マッチョの王子系は良いけど、ゴリマッチョの王子系は嫌かも」
ゴリマッチョの王子系の男性を想像して、不自然すぎて鳥肌が立ってしまった
うん……
無いわ~
嫌な想像を忘れるためにデビット兄様達の子供に集中する
「だァ~ばぁ~」
私に手を伸ばしてくるけど何がしたいのかしら?
何となく手を差し出すと、私の人差し指を握てご機嫌に手を振っている
観察してるといきなり眠り始めた!?
「えっ!?寝るの早くないですか?さっきまであんなにご機嫌だったのに」
「産まれたばかりは一日の大半は寝てるから普通よ」
お母様が問題ないと笑って私達の様子を見ている
安心して手を離そうとするけど、寝てるのに私の指を握ってる手は力が緩まない
どうしたらいいのかしら…………
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