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2019/6/15  感無量

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すっかり巣立ったつもりのクロちゃん。

廊下に人の気配を感じると、
貧相な「カー」で、一生懸命に呼ぶ。

最近は羽根をブルブルさせて、目一杯甘えてくる。

なでてもらうのも、気に入ったようだ。






クロちゃんを拾ってから数日間の写真はない。

野鳥のヒナは、拾って3日は「神の内」なのだ。

まず、何が原因で巣から落ちたり親から見放されたのかがわからない。
病気かもしれないし、なんらかの障害がある可能性は高い。

次に、ほとんどの場合、高所から転落している。
ケガは「している」と思っておいたほうが良い。

一番キツいのが、トラウマだ。
あんなに守ってくれていた親鳥から見放された幼鳥は、どれだけ心細く、空腹で、必死で親を呼んだろう? 
スズメに多いが、全く口を開けてくれずに衰弱する子もいる。


らおぴんは、育てられる、と判断できるまでの写真は撮らない事にしている。

この記録開始時点で、クロちゃんは歩けない鳥だった。
幼鳥は、腹の羽毛が薄いので、最低限止まり木に止まれないと致命的な皮膚病になる。
だが、クロちゃんは片足でなんとか生活できそうだと見立てて、
せっかくなので成長を記録しちゃった、というワケだ。


今や、足の障害を感じさせない元気なクロちゃん。

長い付き合いになりそうだ。


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