23 / 23
聖獣
しおりを挟む
新入生の歓迎パーティも終わると、グレイさんが寮まで送ってくれた。私は本当にいい先輩をもったなぁ、と思いながらも、グレイさんと別れ、自室に戻る。
自室に戻り、ベッドに横になると、色々あって疲れているからか、眠気はすぐにやってきた。
その夜、不思議な夢を見た。
白くて美しい獣が、草原を自由に駆け巡る夢。けれど、白い獸は、ある日孤独を感じて立ち止まり、泣き叫んだ。
誰か、誰でもいいから、ボクを見つけて、と。
遠くでそれを眺めていた私は、たまらず駆け寄り、抱き締めた。すると、獣は安心したように、私の頬をなめて──
「んん……」
何かが頬をなめている感触がして、目を覚ます。今日は、学園は休みなのでなにをしようか。覚醒しきっていない頭で、そんなことを考えながら、瞼をあける。
「キャーウ」
「!?」
すると、私の目の前には、艶々とした白い毛並みの獣が私を見つめていた。
あわてて、右の頬を押さえると、僅かに湿っている。あの感触は、夢ではなかったらしい。
「あなたは一体……」
おんぼろ寮だし、動物が迷い混むのも、無理もないが、昨夜はちゃんと鍵をかけて眠ったはすだ。それなのに、なんで。
『ご主人様が、ボクを見つけてくれたから』
「!?」
脳内に謎の声が浮かんで、驚く。私、ついにおかしくなってしまったのだろうか。
『頭、撫でて欲しいなぁ』
「!?」
また、謎の声が! この獸だけでも謎だと言うのに、なんで、謎の声まで聞こえてしまうのだろうか。
と、私が混乱していると、今度は、窓がひとりでにあいた。そして──。
「よぉ、聖獣は決まったか?」
窓から、グレイさんが入ってきた。
「な、なななんで、」
前も思ったが、ここは三階だ。
「そんなの魔法を使えば、ちょちょいよちょいってな。寝起きの女性の部屋に入るのは、マナー違反だが、聖獣の説明も〈エルターン〉の仕事だから許してくれ」
「聖獸?」
なんだか、色々と起こりすぎて頭の理解が追い付かない。
けれど、混乱する私をよそに、グレイさんは、私の上に乗っている白い獣を見ると叫んだ。
「特級を引き当てたのかよ!」
自室に戻り、ベッドに横になると、色々あって疲れているからか、眠気はすぐにやってきた。
その夜、不思議な夢を見た。
白くて美しい獣が、草原を自由に駆け巡る夢。けれど、白い獸は、ある日孤独を感じて立ち止まり、泣き叫んだ。
誰か、誰でもいいから、ボクを見つけて、と。
遠くでそれを眺めていた私は、たまらず駆け寄り、抱き締めた。すると、獣は安心したように、私の頬をなめて──
「んん……」
何かが頬をなめている感触がして、目を覚ます。今日は、学園は休みなのでなにをしようか。覚醒しきっていない頭で、そんなことを考えながら、瞼をあける。
「キャーウ」
「!?」
すると、私の目の前には、艶々とした白い毛並みの獣が私を見つめていた。
あわてて、右の頬を押さえると、僅かに湿っている。あの感触は、夢ではなかったらしい。
「あなたは一体……」
おんぼろ寮だし、動物が迷い混むのも、無理もないが、昨夜はちゃんと鍵をかけて眠ったはすだ。それなのに、なんで。
『ご主人様が、ボクを見つけてくれたから』
「!?」
脳内に謎の声が浮かんで、驚く。私、ついにおかしくなってしまったのだろうか。
『頭、撫でて欲しいなぁ』
「!?」
また、謎の声が! この獸だけでも謎だと言うのに、なんで、謎の声まで聞こえてしまうのだろうか。
と、私が混乱していると、今度は、窓がひとりでにあいた。そして──。
「よぉ、聖獣は決まったか?」
窓から、グレイさんが入ってきた。
「な、なななんで、」
前も思ったが、ここは三階だ。
「そんなの魔法を使えば、ちょちょいよちょいってな。寝起きの女性の部屋に入るのは、マナー違反だが、聖獣の説明も〈エルターン〉の仕事だから許してくれ」
「聖獸?」
なんだか、色々と起こりすぎて頭の理解が追い付かない。
けれど、混乱する私をよそに、グレイさんは、私の上に乗っている白い獣を見ると叫んだ。
「特級を引き当てたのかよ!」
23
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(6件)
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。
しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。
断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
婚約破棄は踊り続ける
お好み焼き
恋愛
聖女が現れたことによりルベデルカ公爵令嬢はルーベルバッハ王太子殿下との婚約を白紙にされた。だがその半年後、ルーベルバッハが訪れてきてこう言った。
「聖女は王太子妃じゃなく神の花嫁となる道を選んだよ。頼むから結婚しておくれよ」
もう我慢したくないので自由に生きます~一夫多妻の救済策~
岡暁舟
恋愛
第一王子ヘンデルの妻の一人である、かつての侯爵令嬢マリアは、自分がもはや好かれていないことを悟った。
「これからは自由に生きます」
そう言い張るマリアに対して、ヘンデルは、
「勝手にしろ」
と突き放した。
最近のよくある乙女ゲームの結末
叶 望
恋愛
なぜか行うことすべてが裏目に出てしまい呪われているのではないかと王妃に相談する。実はこの世界は乙女ゲームの世界だが、ヒロイン以外はその事を知らない。
※小説家になろうにも投稿しています
私は貴方を許さない
白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。
前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
続きをありがとうございます。
また、最初から読み返してしまいました。
モヤモヤ、キュンキュン、ドキドキ💗しながら続きを待ち望んでいます。
更新に感謝!
お読みくださりありがとうございます!
お待たせいたしました!
時空も人間関係もその他も色々と絡みまくってますね~😅 これを整合させつつ結末に導くのは大変そうだなぁと思います、無理せず頑張ってくださいね🥺
キンダ-については、何とも言えない気分になるだけで混乱とかないので、お気になさらず🙇 キンダ-ガーテンやキンダーブックは馴染みのない単語だと思うので、『キンダ-?どこかで聞いたような?』と思う人が他にも居るかもと思ったら書いていただけです💦
お読みくださり、ありがとうございます。また、お気遣いくださり、ありがとうございます。ゆっくり頑張ります!
『エルターン』はエルダーシステム(子弟制度)っぽくて納得😃
でも『キンダ-』は『キンダ-ガーテン(幼稚園)』が頭に浮かんで。。。😅
お読みくださりありがとうございます。名前付けは適当なので、混乱させてしまって申し訳ないです。