1 / 3
幸せなとき
しおりを挟む
「ノアール様、あなたのことが、好きです」
こう言うのは、もう何度目だろう。
でも、何度伝えても足りないほど、私はあなたのことが、好きだった。
私がそういうと、嬉しそうにでも、困ったように眉を下げる彼。今日もそうだろうと思ったら、違った。
「ずっと想っていてくれて、ありがとう、リズ嬢。僕も、君が好きだよ。だから、僕と結婚してください」
「……っえ?」
えっ?
えっ? えっ???
頭の中で?が飛び交う。
今日も振られるんだとばかりおもってた。
それなのに予想できなかった言葉に、息が、うまくできない。
ぱくぱくと、口を開けたり閉じたりする私の手を取ると、その甲にノアール様は口づけた。
「君を生涯かけて愛すると誓うよ」
私は、ふわふわとした気持ちで女子寮に帰った。女子寮までノアール様が送ってくれた。その間も楽しくお話したはずだけれど、あまりその内容は覚えていない。
あまりの出来事に自室でやっぱり夢かと思って、頬をつねった。でも、痛い。とても痛い。
それに。
ノアール様がはめてくれた婚約指輪だという、それが薬指を彩っていた。
ノアール様は公爵子息で。私は伯爵家の次女。ノアール様のお父上である、バッカス公爵が納得するとは思えなかったけれど、ノアール様は必ず認めさせるといっていた。
「ーーーーー!!!!」
ベッドに転がり、はしたないと思いつつもばたばたと足を動かしてしまう。
だって、ノアール様が。
私を好きって……!!
興奮しすぎて、眠れないわ。
なんて思って、結局眠れなかった翌日。
実践魔法学の授業で事故にあったノアール様は、記憶を失った。
こう言うのは、もう何度目だろう。
でも、何度伝えても足りないほど、私はあなたのことが、好きだった。
私がそういうと、嬉しそうにでも、困ったように眉を下げる彼。今日もそうだろうと思ったら、違った。
「ずっと想っていてくれて、ありがとう、リズ嬢。僕も、君が好きだよ。だから、僕と結婚してください」
「……っえ?」
えっ?
えっ? えっ???
頭の中で?が飛び交う。
今日も振られるんだとばかりおもってた。
それなのに予想できなかった言葉に、息が、うまくできない。
ぱくぱくと、口を開けたり閉じたりする私の手を取ると、その甲にノアール様は口づけた。
「君を生涯かけて愛すると誓うよ」
私は、ふわふわとした気持ちで女子寮に帰った。女子寮までノアール様が送ってくれた。その間も楽しくお話したはずだけれど、あまりその内容は覚えていない。
あまりの出来事に自室でやっぱり夢かと思って、頬をつねった。でも、痛い。とても痛い。
それに。
ノアール様がはめてくれた婚約指輪だという、それが薬指を彩っていた。
ノアール様は公爵子息で。私は伯爵家の次女。ノアール様のお父上である、バッカス公爵が納得するとは思えなかったけれど、ノアール様は必ず認めさせるといっていた。
「ーーーーー!!!!」
ベッドに転がり、はしたないと思いつつもばたばたと足を動かしてしまう。
だって、ノアール様が。
私を好きって……!!
興奮しすぎて、眠れないわ。
なんて思って、結局眠れなかった翌日。
実践魔法学の授業で事故にあったノアール様は、記憶を失った。
0
あなたにおすすめの小説
蝋燭
悠十
恋愛
教会の鐘が鳴る。
それは、祝福の鐘だ。
今日、世界を救った勇者と、この国の姫が結婚したのだ。
カレンは幸せそうな二人を見て、悲し気に目を伏せた。
彼女は勇者の恋人だった。
あの日、勇者が記憶を失うまでは……
妻を蔑ろにしていた結果。
下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。
主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約解消された傷もの令嬢ヘレナ~私を愛した人は誰ですか?~
妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
ヘレナはいつも同じ夢を見る。2人は両思いで、結婚の約束もしているのに。彼の名前も顔も分からない。あれはたんなる夢なのだろうか?
10年前に起きた馬車の事故で、へレナは記憶障害を患い記憶を留めておけない。
刺繍の腕がよく、それでなんとか生計をたてていて、ミモザ商会のアスラーさんに刺繍を卸している。
彼はとてもかっこよくどこまでも紳士だ。
彼の事は何も覚えていないのに、いつも心を乱されるへレナ。
彼女が本当に記憶を失った理由とは?現在と過去が交差する中、無事に愛する人との記憶を取り戻しヘレナは幸せになれるのか。そんな彼女の人生のストーリー
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
それでも好きだった。
下菊みこと
恋愛
諦めたはずなのに、少し情が残ってたお話。
主人公は婚約者と上手くいっていない。いつも彼の幼馴染が邪魔をしてくる。主人公は、婚約解消を決意する。しかしその後元婚約者となった彼から手紙が来て、さらにメイドから彼のその後を聞いてしまった。その時に感じた思いとは。
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】魅了魔法のその後で──その魅了魔法は誰のため? 婚約破棄した悪役令嬢ですが、王太子が逃がしてくれません
瀬里@SMARTOON8/31公開予定
恋愛
その魅了魔法は誰のため?
一年前、聖女に婚約者である王太子を奪われ、婚約破棄された悪役令嬢リシェル・ノクティア・エルグレイン。
それが私だ。
彼と聖女との婚約披露パーティの噂が流れてきた頃、私の元に王太子が訪れた。
彼がここに来た理由は──。
(全四話の短編です。数日以内に完結させます)
あなたの側にいられたら、それだけで
椎名さえら
恋愛
目を覚ましたとき、すべての記憶が失われていた。
私の名前は、どうやらアデルと言うらしい。
傍らにいた男性はエリオットと名乗り、甲斐甲斐しく面倒をみてくれる。
彼は一体誰?
そして私は……?
アデルの記憶が戻るとき、すべての真実がわかる。
_____________________________
私らしい作品になっているかと思います。
ご都合主義ですが、雰囲気を楽しんでいただければ嬉しいです。
※私の商業2周年記念にネップリで配布した短編小説になります
※表紙イラストは 由乃嶋 眞亊先生に有償依頼いたしました(投稿の許可を得ています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる