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失楽園
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そんな幸せが崩れ去ったのは三限目の終わったころだった。
「……?」
なにやら、隣のクラスが騒がしい。
「……ほんとに……が」
「詳しくは私もわからないけれど……で……」
確か、隣のクラス──ノアール様のクラスだ──は、実践魔法学の授業だったはず。
だから魔法を使える遊技場での移動教室だったはずだ。それから帰ってきたのだろう。
でも、ただ帰ってきたにしては──とても、騒がしかった。
私はノアール様と目でもあったりしないかなと、授業が終わった教室を出て、廊下にでる。
けれど、いくらノアール様の姿を探しても見つからない。
「ノアール様……?」
今日は欠席だったのかな。
そう思って、隣のクラスの顔見知りの子に尋ねる。
「あの、ノアール様は?」
「彼は──」
顔見知りの子から事情を聞いた私は、慌てて保健室に向かった。
まさか、魔力暴走を起こした子の魔法を直に受けたなんて。
その子の魔力属性がどんなものかにもよるけれど、大怪我をしたに違いない。
淑女としてはしたないとわかっていながら、息を切らしてついた保健室の前は、多くのギャラリーでごった返していた。
その中を掻き分けて、ノアール様の元へ急ぐ。
「ノアール様、だいじょう、ぶ、です、か」
後ろの誰かに押されて、飛び出るようにして前へ倒れこみそうになったところを、支えられる。
「僕なら、大丈夫だけど……」
支えてくれたのは、ノアール様だった。
その言葉通り、目立った外傷はなさそうだ。
よかった!! ノアール様は無事だった。
頭のなかで浮かんだ言葉に疑問を持つ。
無事?
魔力暴走に巻き込まれたのに? 本当に?
改めてノアール様におかしいところがないか、観察する。どうして、さっき気づかなかったんだろう。ノアール様のその瞳に。
「それより、君、誰?」
そういうノアール様の瞳は冷たく、暗かった。
「……?」
なにやら、隣のクラスが騒がしい。
「……ほんとに……が」
「詳しくは私もわからないけれど……で……」
確か、隣のクラス──ノアール様のクラスだ──は、実践魔法学の授業だったはず。
だから魔法を使える遊技場での移動教室だったはずだ。それから帰ってきたのだろう。
でも、ただ帰ってきたにしては──とても、騒がしかった。
私はノアール様と目でもあったりしないかなと、授業が終わった教室を出て、廊下にでる。
けれど、いくらノアール様の姿を探しても見つからない。
「ノアール様……?」
今日は欠席だったのかな。
そう思って、隣のクラスの顔見知りの子に尋ねる。
「あの、ノアール様は?」
「彼は──」
顔見知りの子から事情を聞いた私は、慌てて保健室に向かった。
まさか、魔力暴走を起こした子の魔法を直に受けたなんて。
その子の魔力属性がどんなものかにもよるけれど、大怪我をしたに違いない。
淑女としてはしたないとわかっていながら、息を切らしてついた保健室の前は、多くのギャラリーでごった返していた。
その中を掻き分けて、ノアール様の元へ急ぐ。
「ノアール様、だいじょう、ぶ、です、か」
後ろの誰かに押されて、飛び出るようにして前へ倒れこみそうになったところを、支えられる。
「僕なら、大丈夫だけど……」
支えてくれたのは、ノアール様だった。
その言葉通り、目立った外傷はなさそうだ。
よかった!! ノアール様は無事だった。
頭のなかで浮かんだ言葉に疑問を持つ。
無事?
魔力暴走に巻き込まれたのに? 本当に?
改めてノアール様におかしいところがないか、観察する。どうして、さっき気づかなかったんだろう。ノアール様のその瞳に。
「それより、君、誰?」
そういうノアール様の瞳は冷たく、暗かった。
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